朝日新聞を糺す国民会議

朝日新聞を糺す国民会議(あさひしんぶんをただすこくみんかいぎ)は、2014年10月25日に結成された、日本の運動組織である。

概要

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朝日新聞が、朝鮮人女性を「強制連行」し、「従軍慰安婦」にしたとの吉田清治虚偽証言報道を2014年まで30年以上にわたって放置、訂正することがなかったことに関し、国際世論における日本人の名誉を毀損したとして、朝日新聞を糺すことにより日本人の名誉を回復することを目的として結成された。集団訴訟や新聞全段意見広告、朝日新聞社長と河野談話を発表した元国会議員の河野洋平国会証人喚問を訴えるなど、「あらゆる手段と方法で朝日新聞と戦い、勝利し、朝日新聞を打倒し、日本人名誉と誇りを取り戻します」としている[1]

沿革

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  • 2014年
    • 8月5日、朝日新聞が慰安婦報道での誤報を一部認める[2]
    • 8月11日水間政憲日本文化チャンネル桜の番組に出演し、自身がSAPIOに寄稿した記事に対して朝日新聞から名誉毀損であると抗議を受けた[3]事について番組内で反論。また、保守が大同団結し­た「朝日新聞解体運動」の組織の結成を水島総に打診する[4]
    • 9月、「朝日新聞を糺す国民会議」の発足を表明。結成を呼びかける運動をチャンネル桜やインターネット等を通じて開始[5]
    • 10月25日、砂防会館別館「シェーンバッハサボー」にて、「朝日新聞を糺す国民会議 結成国民大集会」を開催。議長を渡部昇一が務める事を発表。水島総は事務局長を務める。多数の政治家および評論家らが登壇し、朝日新聞を糾弾する演説をした[6][7][8]
  • 2015年 朝日新聞に対し集団訴訟を起こす。
  • 2016年 一審が請求棄却となる
  • 2017年 上告をしなかったため朝日新聞側の勝訴が確定、サイトの更新、ブログの更新が途絶える。

朝日新聞に対する集団訴訟

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2015年1月26日、日本国内外の8,749人は、朝日新聞が掲載した計13本の慰安婦記事について吉田清治の創作証言がそのまま採用され続けてきたことなどを「虚報」とした上で、「多くの海外メディアに紹介され、ねじ曲げられた歴史を国際社会に拡散させた」、「日本国と国民の国際的評価は著しく低下し、原告らを含む国民の人格や名誉が傷つけられた」とし、1人あたり1万円の慰謝料と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした[9]。訴状は山岸勝榮が執筆[10][11]

同年、2月23日、2月中にも2次訴訟に踏み切り、原告数が2万3000人に達する見込みだと発表した[12]

朝日新聞の慰安婦報道に対する集団訴訟は本市民組織以外にも、同年2月9日、佐藤昇 (ジャーナリスト)が結成した「朝日新聞を正す会」[13]の日本国内の482人が、「吉田清治証言に疑義が生じていたのに、朝日は報道内容の正確性を検証する義務を怠り、読者や国民の『知る権利』を侵害した」として、1人あたり1万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした[14]ほか、同年2月18日、アメリカ・カリフォルニア州グレンデール市近隣に住む在米日本人3人と国内の大学教授ら計約2千人が、『史実を世界に発信する会』を称し「慰安婦問題に関する誤った事実と見解が真実として世界に広まり、慰安婦像の設置などで定着した」、「日本人の尊厳を傷つけて国際社会における客観的評価を下げた。世界に対し謝罪を発信することが必要だ」として、同社に慰謝料と主要米紙などへの謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こしている[15][16]

2020年8月7日に発売された『朝日新聞の慰安婦報道と裁判』(発行所は朝日新聞出版、著者は朝日新聞編集委員)[17]によると、「朝日新聞を糺す国民会議」は結成国民集会を開き(167頁)、東京地裁への提訴後、司法記者クラブで記者会見を開き(186頁)、法廷の期日があるたび、街宣車を東京地裁・高裁の門前に停め、街宣活動やビラ配りを行ってきて(227頁)、高裁判決日には「これを首から掲げませんか」と言われて「朝日反日捏造新聞」「朝日を糾す2万5千人訴訟」などと書かれたプラカードを著者は手渡されている(237頁)。「朝日新聞を正す会」は東京地裁への提訴後、弁護士会館で記者会見を開き、第一回口頭弁論の際、支援者や記者(著者含む)ら十数人を対象に、弁護士会館で説明会を開くなど(251頁)、事前に告知して支援者を集めて集会を開くようなことはなく(257頁)、「週刊報道サイト」の題のメールやウェブサイトで情報を流している佐藤昇 (ジャーナリスト)は、「朝日新聞を正す会」の名で訴状(246頁)や口頭弁論(251頁)や陳述書(255頁)や非公開の弁論準備手続き(256頁)や一審判決(258頁)等を報告している。東京地裁判決日には著者の取材に応じ、佐藤昇 (ジャーナリスト)は「国民の知る権利の実現のため、マスメディアが果たすべき責務について十分に理解を得れなかった。控訴して、上級審の判断を仰ぎたい」「原告482人が力を合わせて裁判を闘ってきましたが、原告団の感情としては納得いく判決ではないので、控訴して改めて裁判所の判断を仰ぎたい」と答えている(260頁)。また、東京地裁判決日の直前に、甲府地裁にも提訴して、提訴後、山梨県庁で記者会見して、なぜ東京地裁とほぼ同内容で甲府地裁にも提訴したのか聞かれ(263頁)、佐藤昇 (ジャーナリスト)は「国民には知る権利があるということを裁判所に認めてもらいたいというのが、最終的な目的、勝ち取りたいところです」「やっぱり国民の知る権利は重要だと思っていて、この火を消さないように、(東京の)判決が出る前に(甲府に)起こしました」と答えている(264頁)。「朝日・グレンデール訴訟」は東京地裁への提訴翌日、記者会見を開き、「独立検証委員会」が朝日新聞の慰安婦報道を独自に検証する報告書を発表した(282頁)。代理人によると「朝日新聞を糺す国民会議」による訴訟と「朝日・グレンデール訴訟」は「当初は一緒にやっていたが、裁判の方針をめぐって分裂し、別々に提訴した」という(305頁)。第四回弁論後に著者の取材が拒否され(322頁)、その後も取材拒否は続き(358頁)、東京地裁結審後には「敵情視察ですか」と苦笑いされ聞かれ、著者は「いえいえ、取材です」と答えている(366頁)。

10月14日、第1回口頭弁論東京地方裁判所脇博人裁判長)で開かれ、原告団長の渡部昇一は意見陳述で、「朝日新聞社長が慰安婦の実態について誤って認識している国連などを訪れ、訂正と謝罪をすることを望んでいるが、朝日新聞がそれをしないため、提訴した」と述べた[18]。朝日新聞側は「吉田清治氏の証言に基づく記事を取り消したとしても、慰安婦に強制の要素があったことは否定されない。報道で原告や国民の名誉が毀損された事実はない」とし、争う姿勢を示した[18]

2016年7月28日、東京地裁は「旧日本軍についての誤った報道で、日本政府への批判的な評価が生まれたとしても、個人の人格権が侵害されたと解するには飛躍がある」との判決趣旨で請求棄却[19]。原告側は控訴したが原告団参加者も56人に減り、2017年9月、一審支持で棄却された[20]。グループは期限までに上告しなかったため朝日新聞側の勝訴となった[21]

代表呼びかけ人

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2014年11月17日現在。2022年現在、複数人が物故している。

朝日新聞を糺す国会議員の会

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※令和3年12月30日現在

朝日新聞を糺す地方議員の会

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※平成27年2月19日現在

  • 植松和子(静岡県函南町議会議員)※代表、頑張れ日本!全国行動委員会事務局長 
  • 相澤宗一(新潟県柏崎市議会議員)
  • 赤坂大輔(東京都港区議会議員)
  • 相田光照(山形県米沢市議会議員)
  • 浅川喜文(東京都荒川区議会議員)
  • 阿部利基(宮城県石巻市議会議員)
  • 新井克尚(東京都町田市議会議員)
  • 荒城彦一(新潟県柏崎市議会議員)
  • 石田昭夫(静岡県焼津市議会議員)
  • 出田裕重(前兵庫県南あわじ市議会議員)
  • 犬伏秀一(前東京都大田区議会議員)
  • 上畠寛弘(神奈川県鎌倉市議会議員)
  • 江花圭司(福島県喜多方市議会議員)
  • 大瀬康介(東京都墨田区議会議)
  • 大西宣也(東京都町田市議会議員)
  • 柿沼貴志(埼玉県行田市議会議員)
  • 北川元気(滋賀県彦根市議会議員)
  • 楠井誠(東京都国分寺市議会議員)
  • 久野晋作(前千葉県我孫子市議会議員)
  • 小礒明(東京都議会議員)
  • 小坂英二(東京都荒川区議会議員)
  • 小坂泰夫(長野県南箕輪村議会議員)
  • 小島健一(神奈川県議会議員)
  • 小菅基司(神奈川県秦野市議会議員)
  • 小坪慎也(福岡県行橋市議会議員)
  • 桜井秀三(千葉県松戸市議会議員)
  • 佐々木雄司(岡山県赤磐市議会議員)
  • 佐藤和典(新潟県柏崎市議会議員)
  • 渋間佳寿美(山形県米沢市議会議員)
  • 鈴木正人(埼玉県議会議員)
  • 千住啓介(兵庫県明石市議会議員)
  • 竹内太司朗(大阪府守口市議会議員)
  • 田中裕太郎(東京都杉並区議会議員)
  • 土屋敬之 (前東京都議会議員)
  • 中澤裕隆(千葉県議会議員)
  • 林謙治(北海道恵庭市議会議員)
  • 松浦芳子 (東京都杉並区議会議員)
  • 松岡みゆき(東京都町田市議会議員)
  • 三井田孝欧(新潟県柏崎市議会議員)
  • 諸井真英(埼玉県議会議員)
  • 諸岡覚(三重県四日市市議会議員)
  • 柳毅一郎(千葉県浦安市議会議員)
  • 山本光宏(神奈川県大和市議会議員)
  • 吉田あい(東京都杉並区議会議員)
  • 吉田康一郎(前東京都議会議員)

出典

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  1. ^ 朝日新聞を糺す国民会議
  2. ^ “朝日新聞、慰安婦問題で一部反省 吉田証言「虚偽と判断し記事取り消します」”. 産経新聞. (2014年8月5日). https://www.sankei.com/politics/news/140805/plt1408050032-n1.html 2019年2月27日閲覧。 
  3. ^ 朝日の抗議受けた水間政憲氏 朝日に慰安婦資料無償提供提案 (1/3ページ) 夕刊フジ2014年9月5日
  4. ^ 【水間政憲】朝日新聞は抗議の前に謝罪記者会見を[桜H26/8/11] - YouTube 日本文化チャンネル桜
  5. ^ 【朝日追撃】山手線一周マラソンラリーと朝日新聞を糺す国民会議[桜H26/9/12] - YouTube 日本文化チャンネル桜
  6. ^ 【草莽崛起】「朝日新聞を糺す国民会議」結成国民大集会 Part1[桜H26/10/27] - YouTube 日本文化チャンネル桜
  7. ^ 【草莽崛起】「朝日新聞を糺す国民会議」結成国民大集会 Part2[桜H26/10/28] - YouTube 日本文化チャンネル桜
  8. ^ 朝日新聞を糺す国民会議! 田沼隆志ブログ
  9. ^ “慰安婦報道巡り、慰謝料求め朝日新聞社を提訴”. 朝日新聞. (2015年1月26日). オリジナルの2015年1月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150126161100/http://www.asahi.com/articles/ASH1V4VTJH1VUTIL027.html 2019年2月27日閲覧。 
  10. ^ “【朝日慰安婦報道訴訟】原告側報告会詳報(1)「朝日の根性たたき直す」「謝らないから訴訟」”. 産経新聞. (2015年10月14日). https://www.sankei.com/article/20151014-GBCCZUVZNVN6NKSG6PPEDSPRW4/ 2019年2月27日閲覧。 
  11. ^ “【朝日慰安婦報道訴訟】原告側報告会詳報(2)「本多氏と植村氏を信じて恥ずかしく思う」「今まで教えた数万人にお詫び行脚」”. 産経新聞. (2015年10月14日). https://www.sankei.com/premium/news/151014/prm1510140005-n1.html 2019年2月27日閲覧。 
  12. ^ 朝日慰安婦報道の集団提訴2万3000人に——原告「世界に対して謝罪・訂正させる」 弁護士ドットコムNEWS 2015年2月23日
  13. ^ 政界往来|政治の正体を明らかにする - ウェイバックマシン(2020年7月14日アーカイブ分)
  14. ^ 原告ジレンマ3件の「朝日慰安婦訴訟」 裁判所は「国民の被害なし」と判断するが 産経ニュース 2016年10月8日
  15. ^ “今度は在米日本人ら2000人が朝日新聞を訴える 慰安婦像設置で嫌がらせや精神的苦痛 米紙への謝罪広告求める”. zakzak. (2015年2月19日). https://www.zakzak.co.jp/smp/society/domestic/news/20150219/dms1502191146012-s.htm 2023年9月24日閲覧。 
  16. ^ 慰安婦報道をめぐって朝日新聞社が訴えを起こされた3つの集団訴訟に対する裁判所の判断 植村裁判資料室 2018年2月25日
  17. ^ 朝日新聞記者が慰安婦問題を徹底検証!『朝日新聞の慰安婦報道と裁判』発売 株式会社朝日新聞出版 2020年8月7日
  18. ^ a b “【朝日慰安婦報道訴訟】初弁論で渡部昇一氏が意見陳述「日本国民の名誉傷つけた罪重い…」”. 産経新聞. (2015年10月14日). https://www.sankei.com/article/20151014-3LXWWHBGXNO53ES2SSG3I5XCIQ/ 2015年10月14日閲覧。 
  19. ^ “慰安婦報道、慰謝料認めず”. 時事通信. (2016年7月28日). オリジナルの2016年7月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160728122608/http://this.kiji.is/131332820051197956 2023年9月24日閲覧。 
  20. ^ “従軍慰安婦報道、ジャーナリストらの控訴棄却”. 読売新聞オンライン. (2017年9月29日). オリジナルの2017年10月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20171005050618/http://sp.yomiuri.co.jp/national/20170929-OYT1T50077.html 
  21. ^ “慰安婦報道訴訟 本社の勝訴確定”. 朝日新聞. (2017年10月18日). オリジナルの2018-02-08日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180208195324/https://www.asahi.com/articles/ASKBK5GMGKBKUTIL02R.html 2018年2月8日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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