日本丸メモリアルパーク
日本丸メモリアルパーク(にっぽんまるメモリアルパーク)は、神奈川県横浜市西区みなとみらいにあるみなとみらい地区で最初に整備された公園(港湾緑地)である。展示施設として帆船日本丸および展示ドック、海事博物館の横浜みなと博物館がある。日本丸と展示ドックは国の重要文化財に指定されている(後述参照)。
日本丸メモリアルパーク Nippon Maru Memorial Park | |
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日本丸メモリアルパーク全景 | |
分類 | 港湾緑地 |
所在地 | |
座標 | 北緯35度27分13.2秒 東経139度37分58.8秒 / 北緯35.453667度 東経139.633000度座標: 北緯35度27分13.2秒 東経139度37分58.8秒 / 北緯35.453667度 東経139.633000度 |
面積 | 約3.81ha |
前身 | 三菱重工業横浜製作所 |
開園 | 1985年4月(一部完成・開園) |
運営者 | 横浜市(指定管理者:帆船日本丸記念財団) |
駐車場 | なし(近隣民間駐車場を利用) |
公式サイト | http://www.nippon-maru.or.jp/index.html |
メイン施設
編集日本丸展示ドック
編集現在は日本丸の展示ドックとなっている横浜船渠第一号船渠は、海軍技師・恒川柳作が設計、1898年竣工した。大正時代に内陸方向に延長され、総長204m、上幅34m、渠底幅23m、渠内深さ11mとなる。2000年12月には「旧横浜船渠株式会社第一号船渠」の名称で、国から重要文化財の指定を受けた[2]。さらに2007年11月、経済産業省による近代化産業遺産にも認定されている。
帆船日本丸
編集1930年に進水した、文部省の航海練習帆船。1984年9月16日に退役した後、1985年4月よりパーク内の展示ドックで浮体展示されている。2017年9月に国の重要文化財に指定されており[3][4][5]、既に指定されていた前述の展示ドックと合わせて国の重要文化財となっている。
通常は帆は畳まれているが、職員と約100名の市民ボランティアにより、29枚全ての帆を広げる総帆展帆が年12回実施されている(なお、12月上旬から3月上旬までの間は帆が取り外されており、総帆展帆も実施されない)。また、海の日には総帆展帆の前に帆船の最高儀礼である登檣礼を行っている他、毎年6月2日の開港記念日や祝日などを中心に、国際信号旗を飾る満船飾も実施されている。
横浜みなと博物館
編集パーク内にある横浜港をテーマにした博物館。横浜マリタイムミュージアムとして1989年に開館。横浜港開港150周年に当たる2009年に施設をリニューアルし、現在の名称に改称された。日本丸の景観を妨げないよう、半地下構造となっている。
2018年3月には、館内の一部エリアに常設展示室「柳原良平アートミュージアム」を開設している。
2021年6月からリニューアル工事のため約一年間休館し、2022年6月にリニューアルオープン[6]。リニューアルに伴い展示施設を大幅に更新し、体験型コンテンツ(VRシアター)なども新たに導入している[6][7]。
利用案内
編集詳細は公式サイト内「総合案内ページ」を参照のこと。
- 開館時間等
- 10:00〜17:00(※最終入館16:30)
- ※総帆展帆日は9:30に開館、また開館時間はイベント開催時や時期等によって異なる場合あり
- 休館日:原則として月曜(祝日の場合は翌平日)および年末年始等
- ※他に日本丸の船体整備やミュージアムの館内整備のための臨時休館日等あり
- 入館料
- 共通券(日本丸・博物館)
- 一般800円/65歳以上600円/小中高生300円
- ※土曜日のみ、小中高生は共通券100円(特別料金)
- 日本丸
- 一般400円/65歳以上250円/小中高生200円
- 博物館
- 一般500円/65歳以上400円/小中高生200円
その他の施設
編集交通
編集- 電車
- 水上バス
ギャラリー
編集- 展示ドックに係留保存されている日本丸
- 大規模修繕によるドックの水抜き(2019年1月)
その他
編集横浜博覧会臨港線「日本丸駅」
編集1989年の横浜博覧会の会期中、日本丸交差点前の広場に横浜博覧会臨港線の日本丸駅が設置されていた。駅舎は初代横浜駅駅舎(現桜木町駅)をイメージしたデザインであった[13][14]。なお線路は、現在の汽車道を通っていた。
水陸両用バスのスロープ整備
編集当パーク内の護岸に水陸両用バスが進水できる専用スロープが設けられており[15]、2016年8月より「スカイダック横浜」が運行されている[16][17]。
公園拡張再整備計画
編集当パークはみなとみらい地区の23街区の南西側に位置するが、2009年の横浜みなと博物館などのリニューアルに続いて、現在はよこはまコスモワールドの一部が運営されている23街区の北東側を公園の拡張部分として再整備する計画がある(2007年頃に想定されていた再整備のコンセプトは「フィールドミュージアム」[18]、2009年度の整備着手を目指していたが延期され事実上凍結状態となっている[19])。コスモワールド(23街区だけでなく新港地区側の15街区も含む)は当初より賃貸契約による暫定施設となっているため、契約期間終了の際には横浜市への土地返却後に再整備が行われる予定である(詳細は「よこはまコスモワールド」項の該当節も参照)。
脚注
編集- ^ 帆船日本丸・横浜みなと博物館ガイド (PDF) (公式パンフレット日本語版)
- ^ 旧横浜船渠株式会社第一号船渠 (ドック) - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ 文化審議会答申 ~国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について~(文化庁サイト 平成29年(2017年)3月10日)
- ^ 9月15日(金) 帆船日本丸が、国の重要文化財に指定されました!(日本丸メモリアルパーク公式サイト:お知らせ 2017年9月15日)
- ^ 帆船日本丸 - 文化遺産オンライン(文化庁)
- ^ a b 横浜みなと博物館がリニューアルオープンします/記者発表資料 (PDF) (横浜市港湾局 令和4年(2022年)6月14日)
- ^ 横浜みなと博物館、2022年4月ごろリニューアルオープン。6月7日から工事のため休館(トラベルWatch 2021年5月14日)
- ^ ヘミングウェイ横浜 公式サイト
- ^ 日本丸メモリアルパークの緑地・公園一部、飲食やイベントスペースに活用!ヘミングウェイ横浜(はまこれ横浜 2022年3月23日)
- ^ biid(ビード) 【人気観光スポット】「ヘミングウェイ横浜」8月3日(水)よりプレオープン!~BBQ&横浜ビールフェア開催中~(NEWSCAST 2022年7月29日)
- ^ 横浜港ボートパーク 公式サイト
- ^ 京浜フェリーボート:水上バス
- ^ 『横浜博覧会・会場計画と建設の記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、276-280ページ
- ^ 『横浜博覧会公式記録』 横浜博覧会協会、1990年3月、236-237ページ (横浜市立中央図書館所蔵)
- ^ 横浜港水陸両用バス社会実験(横浜市港湾局)
- ^ スカイダックコース:スカイダック横浜/トワイライトクルーズ(SKY BUS TOKYO〈スカイバス東京〉)
- ^ 水陸両用バス 横浜は予約不可!チケット購入から乗車までの流れ(はまこれ横浜 2016年8月11日)
- ^ コスモワールド返還 再開発へ〈キャッシュ〉(みなとみらい線周辺散歩日記 2007年5月25日)
- ^ MM21地区の日本丸パーク整備、第2期が事実上凍結へ(神奈川新聞〈カナロコ〉 2009年10月8日)
関連項目
編集- ドックヤードガーデン(横浜ランドマークタワー) - 横浜船渠の第2号ドックを保存活用。日本丸展示ドックと同様に「旧横浜船渠株式会社第二号船渠」の名称で国の重要文化財に指定されている。
外部リンク
編集- 日本丸メモリアルパーク〈帆船日本丸・横浜みなと博物館〉(公式サイト /公益財団法人帆船日本丸記念財団)
- 旧横浜船渠株式会社第一号船渠 (ドック) - 文化遺産オンライン(文化庁)
- 日本丸 - 文化遺産オンライン(文化庁)