日米野球2014
2014 SUZUKI 日米野球(英語: SUZUKI Japan All-Star Series 2014 )は、メジャーリーグベースボール(MLB)、MLB選手会、日本野球機構(NPB)、読売新聞社主催、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)公認により日本で開催された、MLB選抜チームと野球日本代表(侍ジャパン)によるシリーズ戦「日米野球」の2014年大会である。
概要
編集一時的な日本代表の強化試合としての復活ではあるが、日米野球が開催されるのは2006年以来8年ぶり[2]。
今回初めて沖縄県で日米野球が親善試合として開催される[3]。
本大会は2000年代前半のようにオールスターゲームのような形式で行われる試合ではなく侍ジャパンの強化試合として開催されるため、第4回WBCなどの国際大会を想定して、延長戦はタイブレーク方式、使用球はWBC公認球、WBCで採用されている球数制限が採用されている[4]。
本大会からは侍ジャパンとしてのチーム編成のため、外国人選手は選出されない他、必ずしも全球団から選出されるとは限らなくなった[5]。また、日本代表は選手・コーチ・監督全員が日本代表のユニフォーム着用で統一した。一方 MLBに至っては従来通り国際大会の代表というような形式ではなく、選抜オールスターチームとしての役割のため、試合ではそれぞれの所属チームのユニフォームを着用して試合に臨んだ。また前述のようにMLBでは選抜オールスターのため、後述する日本人選手も2人選出された。
今回の日米野球は初めて野球の国際統括組織である世界野球ソフトボール連盟(WBSC)から公認された国際イベントとして開催される[6]。
2014年8月20日に記者会見が行われ、日米野球の開催要項を発表するとともに、出場選手としてアルバート・プホルス、ロビンソン・カノ、アダム・ジョーンズ、ヤシエル・プイグの4選手が発表された[7]。残る24人は9月末に発表されるとし、MLB選手会幹部は「参加したいという選手が殺到している」「参加候補者の長いリストから、チームバランスを考慮し選ぶ。顔触れは過去最高の一つになるでしょう」と語った[8](しかし、後述のとおり、実際は開催直前まで出場選手が集まらなかった[9])。
9月18日、日本代表のコーチングスタッフが発表された[10]。
9月30日、ナ・リーグ今季首位打者のジャスティン・モルノー、ア・リーグ今季首位打者で最多盗塁のホセ・アルトゥーベ、2012年新人王のブライス・ハーパーの3選手の追加メンバーが発表された[11]。
10月8日、和田毅を含む10選手の追加メンバーが発表された[12]。
10月9日、日本代表が発表された[13]。
10月20日、アルバート・プホルスが娘の体操イベントを観覧することを優先して出場を辞退することを発表した[14][15]。
10月24日、怪我のため出場辞退した岸孝之に代わり岩田稔が追加招集された[16]
11月1日、岩隈久志とルーカス・デューダの2人が追加選手として発表された[17][18]。
11月6日、怪我のため出場辞退した小川泰弘に代わり武田翔太が追加招集された[19]。
11月7日、今季16勝のマット・シューメーカー、今季37本塁打のクリス・カーターを含む14選手の追加メンバーと、アダム・ジョーンズ(「先約」があったため[20])、エリック・アイバー、ブライス・ハーパーの3選手が辞退することが発表された[21][22]。
11月9日、怪我のため出場辞退した中村晃に代わり筒香嘉智が追加招集された[23]。
11月15日の第3戦において、侍ジャパンはMLBオールスターズに対して、則本昂大、西勇輝、牧田和久、西野勇士の4投手による継投ノーヒットノーランを達成した。日本チームがMLBチームに対してノーヒットに抑えるのは史上初めて。日米野球における継投ノーヒットノーランは、1990年大会第8戦のチャック・フィンリー、ランディ・ジョンソン以来24年ぶり。また、この試合の勝利で侍ジャパンは、同じく1990年大会以来24年ぶりのMLBオールスターズへの勝ち越しを決めた[24]。
11月18日、第3戦(11月15日)において西勇輝からの死球により右足小指を骨折したロビンソン・カノが、チームを離れて帰国した[25]。
開催日程・試合結果
編集2014 SUZUKI 日米野球 壮行試合
編集日程 | 先攻 | スコア | 後攻 | 試合開始 | 試合時間 | 観客動員 | 試合詳細 | |
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福岡ヤフオク!ドーム | ||||||||
11月10日 | 北海道日本ハム・福岡ソフトバンク連合 | 1 - 0 | 侍ジャパン | 18時03分 | 2時間43分 | 23,446人 | 外部リンク |
2014 SUZUKI 日米野球シリーズ 日本プロ野球80周年記念試合
編集日程 | 先攻 | スコア | 後攻 | 試合開始 | 試合時間 | 観客動員 | 試合詳細 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神甲子園球場 | ||||||||
11月11日 | MLBオールスターズ | 8 - 7 | 阪神・巨人連合 | 18時06分 | 3時間36分 | 26,946人 | 外部リンク |
2014 SUZUKI 日米野球
編集試合 | 日程 | 先攻 | スコア | 後攻 | 試合開始 | 試合時間 | 観客動員 | 試合詳細 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
京セラドーム大阪 | |||||||||
第1戦 | 11月12日 | MLBオールスターズ | 0 - 2 | 侍ジャパン | 18時07分 | 2時間42分 | 33,003人 | 外部リンク | |
東京ドーム | |||||||||
第2戦 | 11月14日 | 侍ジャパン | 8 - 4 | MLBオールスターズ | 18時07分 | 3時間02分 | 42,277人 | 外部リンク | |
第3戦 | 11月15日 | MLBオールスターズ | 0 - 4 | 侍ジャパン | 18時07分 | 2時間35分 | 46,084人 | 外部リンク | |
第4戦 | 11月16日 | 侍ジャパン | 1 - 6 | MLBオールスターズ | 18時06分 | 3時間01分 | 43,705人 | 外部リンク | |
札幌ドーム | |||||||||
第5戦 | 11月18日 | MLBオールスターズ | 3 - 1 | 侍ジャパン | 19時12分 | 2時間58分 | 30,159人 | 外部リンク |
2014 SUZUKI 日米野球シリーズ 親善試合
編集日程 | 先攻 | スコア | 後攻 | 試合開始 | 試合時間 | 観客動員 | 試合詳細 | |
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沖縄セルラースタジアム那覇 | ||||||||
11月20日 | 侍ジャパン | 6 - 4 | MLBオールスターズ | 18時09分 | 3時間27分 | 17,941人 | 外部リンク |
代表選手
編集日本代表(侍ジャパン)
編集以下が代表選手であり[26]、所属は同大会期間中のものとする。
ポジション | 背番号 | 氏名 | 所属球団 | 投 | 打 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
監督 | 90 | 小久保裕紀 | 右 | 右 | ||
コーチ | 73 | 奈良原浩 | 埼玉西武ライオンズ内野守備走塁コーチ | 右 | 右 | ヘッドコーチ |
41 | 稲葉篤紀 | 北海道日本ハムファイターズ | 左 | 左 | 打撃コーチ | |
89 | 鹿取義隆 | 右 | 右 | 投手コーチ | ||
88 | 矢野燿大 | 右 | 右 | バッテリーコーチ | ||
87 | 仁志敏久 | U12日本代表監督 | 右 | 右 | 内野守備走塁コーチ | |
83 | 村松有人 | 福岡ソフトバンクホークス3軍外野守備走塁コーチ | 左 | 左 | 外野守備走塁コーチ | |
投手 | 12 | 松葉貴大 | オリックス・バファローズ | 左 | 左 | |
14 | 則本昂大 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 右 | 左 | ||
15 | 井納翔一 | 横浜DeNAベイスターズ | 右 | 右 | ||
16 | 大谷翔平 | 北海道日本ハムファイターズ | 右 | 左 | ||
17 | 藤浪晋太郎 | 阪神タイガース | 右 | 右 | ||
18 | 前田健太 | 広島東洋カープ | 右 | 右 | ||
19 | 金子千尋 | オリックス・バファローズ | 右 | 左 | ||
21 | 西勇輝 | オリックス・バファローズ | 右 | 右 | ||
26 | 西野勇士 | 千葉ロッテマリーンズ | 右 | 右 | ||
30 | 武田翔太 | 福岡ソフトバンクホークス | 右 | 右 | ||
35 | 牧田和久 | 埼玉西武ライオンズ | 右 | 右 | ||
43 | 髙橋朋己 | 埼玉西武ライオンズ | 左 | 左 | ||
47 | 岩田稔 | 阪神タイガース | 左 | 左 | ||
捕手 | 10 | 小林誠司 | 読売ジャイアンツ | 右 | 右 | |
22 | 伊藤光 | オリックス・バファローズ | 右 | 右 | ||
37 | 嶋基宏 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 右 | 右 | ||
内野手 | 2 | 今宮健太 | 福岡ソフトバンクホークス | 右 | 右 | |
3 | 松田宣浩 | 福岡ソフトバンクホークス | 右 | 右 | ||
4 | 菊池涼介 | 広島東洋カープ | 右 | 右 | ||
6 | 坂本勇人 | 読売ジャイアンツ | 右 | 右 | ||
13 | 中田翔 | 北海道日本ハムファイターズ | 右 | 右 | ||
23 | 山田哲人 | 東京ヤクルトスワローズ | 右 | 右 | ||
25 | 筒香嘉智 | 横浜DeNAベイスターズ | 右 | 左 | ||
33 | 銀次 | 東北楽天ゴールデンイーグルス | 右 | 左 | ||
外野手 | 1 | 内川聖一 | 福岡ソフトバンクホークス | 右 | 右 | |
7 | 糸井嘉男 | オリックス・バファローズ | 右 | 左 | ||
9 | 丸佳浩 | 広島東洋カープ | 右 | 左 | ||
44 | 柳田悠岐 | 福岡ソフトバンクホークス | 右 | 左 |
MLBオールスター
編集以下が代表選手であり[27]、所属は同大会期間中のものとする。
ポジション | 背番号 | 氏名 | 英語表記 | 所属球団 | 投 | 打 |
---|---|---|---|---|---|---|
監督 | 53 | ジョン・ファレル | John Farrell | ボストン・レッドソックス 監督 | 右 | 右 |
コーチ | 17 | テリー・フランコーナ | Terry Francona | クリーブランド・インディアンス 監督 | 左 | 左 |
13 | ブライアン・バターフィールド | Brian Butterfield | ボストン・レッドソックス 三塁コーチ | 右 | 両 | |
20 | ディマーロ・ヘイル | DeMarlo Hale | トロント・ブルージェイズ ベンチコーチ | 右 | 右 | |
31 | マイク・マダックス | Mike Maddux | テキサス・レンジャーズ 投手コーチ | 右 | 左 | |
47 | フアン・ニエベス | Juan Nieves | ボストン・レッドソックス 投手コーチ | 左 | 左 | |
投手 | 11 | ジェレミー・ガスリー | Jeremy Guthrie | カンザスシティ・ロイヤルズ | 右 | 右 |
13 | ジェリー・ブレビンス | Jerry Blevins | ワシントン・ナショナルズ | 左 | 左 | |
18 | 岩隈久志 | Hisashi Iwakuma | シアトル・マリナーズ | 右 | 右 | |
19 | トミー・ハンター | Tommy Hunter | ボルチモア・オリオールズ | 右 | 右 | |
26 | クリス・カプアーノ | Chris Capuano | フリーエージェント | 左 | 左 | |
35 | マーク・マランソン | Mark Melancon | ピッツバーグ・パイレーツ | 右 | 右 | |
36 | ランディ・チョート | Randy Choate | セントルイス・カージナルス | 左 | 左 | |
38 | ジェフ・ベリボー | Jeff Beliveau | タンパベイ・レイズ | 左 | 左 | |
47 | ロブ・ウッテン | Rob Wooten | ミルウォーキー・ブルワーズ | 右 | 右 | |
52 | マット・シューメーカー | Matt Shoemaker | ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム | 右 | 右 | |
53 | ヘクター・サンティアゴ | Hector Santiago | ロサンゼルス・エンゼルス | 左 | 右 | |
55 | ホセ・ベラス | Jose Veras | フリーエージェント | 右 | 右 | |
56 | フランクリン・モラレス | Franklin Morales | フリーエージェント | 左 | 左 | |
67 | 和田毅 | Tsuyoshi Wada | シカゴ・カブス | 左 | 左 | |
捕手 | 13 | サルバドール・ペレス | Salvador Pérez | カンザスシティ・ロイヤルズ | 右 | 右 |
19 | エリック・クラッツ | Erik Kratz | カンザスシティ・ロイヤルズ | 右 | 右 | |
31 | ドリュー・ブテラ | Drew Butera | ロサンゼルス・ドジャース | 右 | 右 | |
内野手 | 2 | アルシデス・エスコバー | Alcides Escobar | カンザスシティ・ロイヤルズ | 右 | 右 |
3 | エバン・ロンゴリア | Evan Longoria | タンパベイ・レイズ | 右 | 右 | |
9 | エドゥアルド・ヌニェス | Eduardo Nunez | ミネソタ・ツインズ | 右 | 右 | |
22 | ロビンソン・カノ | Robinson Cano | シアトル・マリナーズ | 右 | 左 | |
27 | ホセ・アルトゥーベ | Jose Altuve | ヒューストン・アストロズ | 右 | 右 | |
33 | ジャスティン・モルノー | Justin Morneau | コロラド・ロッキーズ | 右 | 左 | |
41 | カルロス・サンタナ | Carlos Santana | クリーブランド・インディアンス | 右 | 両 | |
内・外野手 | 18 | ベン・ゾブリスト | Ben Zobrist | タンパベイ・レイズ | 右 | 両 |
21 | ルーカス・ドゥーダ | Lucas Duda | ニューヨーク・メッツ | 右 | 左 | |
23 | クリス・カーター | Chris Carter | ヒューストン・アストロズ | 右 | 右 | |
外野手 | 21 | デクスター・ファウラー | Dexter Fowler | ヒューストン・アストロズ | 右 | 両 |
66 | ヤシエル・プイグ | Yasiel Puig | ロサンゼルス・ドジャース | 右 | 右 |
阪神・巨人連合軍(日本プロ野球80周年記念試合)
編集日本ハム・ソフトバンク連合軍(侍ジャパン壮行試合)
編集主催・スポンサー
編集大会規定
編集- DH制:採用
- ベンチ入り選手数:28名
- 審判:4人制(MLB2名、NPB2名)
- 球数制限:
- 80球 …最大投球数(ただし打者の打席中に到達した場合は、その打席完了まで投球できる)
- 50球以上 …次回登板まで中4日の休養
- 30球以上および連投 …次回登板まで中1日の休養
- 延長戦:延長10回以降はタイブレーク制を実施
- 無死一、二塁で開始。打順は9回終了時からの継続とし、走者はその回の先頭打者の前の2選手。延長12回終了時の同点で引き分け(その試合にかけられた賞金は折半)
- 記念試合および親善試合は延長なし(9回終了時の同点で引き分け)
- ※記念試合は阪神・巨人連合軍が守備時のみNPB公認球を使用
- ※壮行試合は日本ハム・ソフトバンク連合軍が攻撃時のみNPB公認球を使用
賞金
編集※「日米野球」5試合を対象[6]
- 賞金総額:1億円
- 勝利賞金:各試合1000万円
- 優勝賞金:5000万円
中継
編集テレビ・ラジオ放送
編集試合 | テレビ地上波放送[30] | テレビBS・CS放送 | ラジオ | インターネット[31] | ||
---|---|---|---|---|---|---|
侍ジャパン壮行試合 | フジテレビ系列 | フジテレビONE(録画)[32] | ||||
日本プロ野球80周年記念試合 | 日本テレビ系列 | BS日テレ[33] | 日テレG+[34] | 侍ジャパン インターネットライブ Powered by パ・リーグTV | ||
日米野球 | 第1戦 | 日テレG+ | TBSラジオ | |||
第2戦 | ||||||
第3戦 | BS日テレ[33] | 日テレG+ | ||||
第4戦 | テレビ朝日系列 | |||||
第5戦 | TBS系列 | TBSチャンネル2(録画)[35] | ||||
日米野球親善試合 |
- 日本テレビ系列が放映権を獲得した全4試合については、BS日テレと日テレG+を合わせた3局でリレー中継が行われ、このうち日テレG+は地上波、BSのいずれも中継しない時間帯で無料開放された。
インターネット中継
編集「日米野球」全5試合と、「日米野球シリーズ」のうち日本代表壮行試合を除く2試合、合計7試合を対象として、パ・リーグTVとデータスタジアム、ブルームバーグスポーツの協賛により、インターネットライブ配信(有料制。7試合パック1500円と、1試合ごと300円)を提供する。このうち「日米野球」全5試合については節丸裕一、金沢彗(データスタジアム)、伊達泰三(ブルームバーグスポーツ)の3氏によるデータ分析付き解説が行われる。[31]
始球式
編集試合 | ゲスト | ||
---|---|---|---|
侍ジャパン壮行試合 | 上地雄輔[36] | ||
日本プロ野球80周年記念試合 | 亀梨和也[37] | ||
日米野球 | 第1戦 | 福本豊[38] | |
第2戦 | キャロライン・ケネディ[39] | 王貞治[39] | |
第3戦 | |||
第4戦 | 村上雅則[40] | ||
第5戦 | |||
日米野球親善試合 | 沖縄ポニーリーグ選抜9選手 |
日米野球の再開による効果
編集今回、日米野球は2006年大会以来8年ぶりに再開した。以下、これによる利点と問題点を紹介する。
利点
編集- 過去の日米野球では異なる公認球を使用する両チーム選手に配慮して、MLB選手が守備時にはMLB公認球、NPB選手が守備時にはNPB公認球を使用することが慣例となっていたが、今回からMLB公認球の使用で統一されたことにより、第4回WBCで王座奪回を目指すと宣言している日本代表にとって、代表候補選手にWBC公認球と同じMLB球を使用する機会が与えられたこと[9]。
- 日本のMLBファンが現役MLB選手のプレーを生で観戦できる数少ない機会であり、日本国内で本場の雰囲気を体験できたこと[9]。
問題点
編集- 日本国内におけるテレビ視聴率は全て一ケタ台となり、不調に終わった。しかし、第4回WBCの放送権料獲得のため各放送局はこの大会の放送権を獲得していたという[41]。
- 8月29日の日刊スポーツによる取材では、当初発表された4選手以外の残り24選手は9月下旬に発表とされていたが、「参加したいという選手が殺到している」「顔触れは過去最高」というように、MLB側が好感触であることが伝えられており、日本のメディアからも「“侍ジャパンとMLB選抜の真剣勝負”と煽ってきた」というように、日米双方で8年ぶりに復活した日米野球への期待が高まっているような報道をされていた[42][9]。しかし残り選手が発表されるはずであった9月30日には、野手が7人決まっただけで投手は一人も参加者が決まっておらず[43]、「ギリギリまで選手の人数が集まらないくらい、人選を担当するMLB選手会が奔走していたよう」であり[9]、最終的に出場選手が発表されたのは試合直前の11月7日であった[9][44]。
- MLBの参加選手で2014年のオールスターに出場したのは4人(野手4人、投手0人)であった[9]。また、投手のうち2人は所属先の決まっていないFA選手であり、「“就職活動”的な思惑が見え隠れする」と評された[9]。「中でもヒドいのはピッチャー陣」[45]であると報道され、実際に投手14人のうち規定投球回数に到達していたのは岩隈とガスリーの2人だけであった。また、大会前にMLBチームが米国で合同練習をしたのは2日間であり、監督を務めたジョン・ファレルでさえこの時にメンバーを知り[46]、現場にいた多くのベテラン記者たちでさえも名前を知らない選手が登録されていた[9]。以前と比べてそれほど魅力的なものではなくなっており[45]、かつてのようなスター選手を集めるのは相当難しくなったとされる[9]。
- 今回から日本側は「日本代表(侍ジャパン)」としてチームを編成したため、NPBでプレーしている外国人選手(日系人や台湾出身者など学生または社会人時代に来日した後ドラフト指名された選手や、長期間在籍して国内FA資格を得た選手など、外国人枠の適用を受けない選手を含む)をメンバーとして選出できなくなった。また、日本国籍を保持していても二重国籍やNPB球団入団後に帰化したなどの理由により、大会によってはアメリカを含む他国の代表への選出資格がある選手[47]や、大会により日本代表への選出可否が異なる[48]在日韓国・朝鮮人などの特別永住者や、それ以外でも日本人と外国人との間に出生して、あるいは日本人の血統で出生しながら本人および家庭の事情で外国籍となった人物などの、日本国籍を保持していない定住外国人選手(通名を使用して出自を公表していない人物を含む)や、日本国籍を保持しつつも日本で教育を受けたり生活をした実態がほとんどない海外在住選手[49][51]についての扱いは明確にされていない。
脚注
編集- ^ 2017年世界一奪還へ 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト 2016年11月4日閲覧
- ^ かつては隔年開催も…日米野球は“不要”なのか ベースボールキング (2016年11月16日) 2016年12月1日閲覧
- ^ “沖縄で日米野球 11月20日開催”. 沖縄タイムス. (2014年6月11日) 2014年6月11日閲覧。
- ^ a b “MLBチームにプホルスら…日米野球2014”. YOMIURI ONLINE. (2014年8月20日) 2014年8月20日閲覧。
- ^ 本大会では中日ドラゴンズからの、2018年大会ではオリックス・バファローズからの選出がなかった。
- ^ a b c d e “2014 SUZUKI 日米野球特設サイト”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年8月20日) 2014年8月20日閲覧。
- ^ “日米野球にプホルス、カノ、プイグら”. 日刊スポーツ. (2014年8月20日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ “11月来日大リーグ選抜は「過去最高」”. 日刊スポーツ. (2014年8月29日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 日米野球、真剣勝負の度合いは? MLB選抜の陣容に見る、現実と理想。 Number web 菊地慶剛 (2014年11月17日) 2015年3月26日閲覧
- ^ 侍ジャパントップチーム コーチングスタッフについて 侍ジャパン公式サイト (2014年9月18日) 2015年3月26日閲覧
- ^ “日米野球に首位打者モーノーら来日”. 日刊スポーツ. (2014年10月1日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ “カブス和田MLB代表で日米野球に参戦”. 日刊スポーツ. (2014年10月8日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ 2014年10月9日 侍ジャパン「2014 SUZUKI 日米野球」出場選手発表![リンク切れ] 侍ジャパン公式サイト (2014年10月9日) 2015年3月26日閲覧
- ^ “プホルス家庭の事情で日米野球欠場”. 日刊スポーツ. (2014年10月21日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ MLB オールスターチーム 出場取り止め選手のお知らせ 侍ジャパン公式サイト (2014年10月20日) 2015年3月26日閲覧
- ^ “侍ジャパントップチーム、出場選手変更のお知らせ”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年10月24日) 2014年10月27日閲覧。
- ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表 侍ジャパン (2014年11月1日) 2015年3月26日閲覧
- ^ “岩隈が日米野球に出場 和田に続き2人目”. 日刊スポーツ. (2014年11月1日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ “侍ジャパントップチーム、出場選手変更のお知らせ”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年11月6日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ http://www.baltimoresun.com/sports/orioles/blog/bal-orioles-reliever-tommy-hunter-heading-to-japan-to-play-in-mlb-allstar-series-exhibition-20141105-story.html
- ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定[リンク切れ] 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧
- ^ “シューメーカーら14人追加=日米野球”. 時事ドットコム. (2014年11月7日) 2014年11月8日閲覧。
- ^ “侍ジャパントップチーム 追加招集選手のお知らせ”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年11月9日) 2014年11月9日閲覧。
- ^ “侍救援陣、重圧はねのけ無安打リレー”. 日刊スポーツ. (2014年11月16日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ “骨折カノ帰国、来季準備に支障なし”. 日刊スポーツ. (2014年11月18日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ “トップチーム 選手一覧”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年10月9日) 2014年10月12日閲覧。
- ^ “「2014 SUZUKI 日米野球」、「日本プロ野球80周年記念試合」出場予定選手”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年10月9日) 2014年10月12日閲覧。
- ^ 「2014 SUZUKI 日米野球壮行試合」福岡ソフトバンク&北海道日本ハム連合チームメンバー発表
- ^ http://www.japan-baseball.jp/nichibei2014/jp/player/#joint-141110
- ^ “「2014 SUZUKI 日米野球」、関連試合 テレビ放送予定”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト 2014年11月1日閲覧。
- ^ a b “侍ジャパン インターネットライブとは”. 2014 SUZUKI 日米野球 侍ジャパン インターネットライブ 2014年11月6日閲覧。
- ^ “2014 SUZUKI日米野球壮行試合”. フジテレビONE/TWO/NEXT 2014年11月6日閲覧。
- ^ a b プロ野球トップ&リレー中継
- ^ “2014 SUZUKI 日米野球シリーズ”. 日テレG+ 2014年11月6日閲覧。
- ^ “12月14日(日)、21日(日)「2014 SUZUKI 日米野球」放送決定のお知らせ”. TBSチャンネル. (2014年11月5日) 2014年11月6日閲覧。
- ^ “日米野球壮行試合の始球式に上地雄輔、出演映画で捕手役”. スポニチアネックス. (2014-11-) 2014年11月19日閲覧。
- ^ “2014 SUZUKI 日米野球シリーズ「日本プロ野球80周年記念試合」 阪神甲子園球場で、亀梨和也さんが始球式”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年11月5日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ “「世界の盗塁王」が日米野球始球式登板”. デイリースポーツ. (2014年11月10日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ a b “2014 SUZUKI 日米野球 第2戦で、王貞治さんが始球式”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. (2014年11月11日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ “日本初の大リーガー村上雅則氏が始球式”. 日刊スポーツ. (2014年11月17日) 2014年11月19日閲覧。
- ^ https://web.archive.org/web/20141203032331/http://biz-journal.jp/2014/11/post_7503.html
- ^ 11月来日大リーグ選抜は「過去最高」
- ^ https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/f-bb-tp2-20141001-1375652.html
- ^ http://www.japan-baseball.jp/jp/news/press/20141107_4.html
- ^ a b 侍J勝ち越しも…魅力なき日米野球に騒ぐメディアの勘違い 日刊ゲンダイ (2014年11月20日) 2015年3月26日閲覧
- ^ 侍ジャパン 素直に喜べない「MLB軍団に24年ぶり勝ち越し」 東スポweb (2014年11月21日) 2015年3月25日閲覧
- ^ 日系ブラジル人の松元ユウイチ(元東京ヤクルトスワローズ。日本に帰化した後もブラジル国籍からの離脱が同国の法律により難しいため二重国籍となり、ブラジル代表への選出経験あり)などがその実例。
- ^ ワールド・ベースボール・クラシックでは親族に日本人を含む選手や日系人選手など一定の条件で外国籍の選手も選出可能だが、オリンピックでは日本国籍を保持している選手に限られる。
- ^ NPB球団在籍経験のある選手ではマイケル中村(元北海道日本ハムファイターズ他)が主な実例。
- ^ “WBC、ヌートバーら18人選出 日本代表、全30選手決定”. 共同通信 (2023年1月26日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ これまで日本側は、日系のMLBおよび傘下マイナーリーグ選手など海外在住選手との接触・交渉を行っていなかったが、2023年のワールド・ベースボール・クラシックでは栗山英樹監督の意向により、初めて日系MLB選手の代表選出が検討され、実際にセントルイス・カージナルスに所属しているラーズ・ヌートバーが起用された[50]。