日産・サニーカリフォルニア
サニーカリフォルニア(SUNNY CALIFORNIA)は、日産自動車が1979年から1996年まで製造・販売していたステーションワゴン型の乗用車である。
初代 B310型(1979年 - 1981年)
編集ダットサン・サニーカリフォルニア(初代) WPB310型 | |
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ダットサン210 ワゴン(北米仕様・前期型) | |
概要 | |
販売期間 | 1979年1月 - 1981年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 5ドアステーションワゴン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 後輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
A14型 1,397cc 直列4気筒 A15/A15E型 1,487cc 直列4気筒 |
最高出力 |
A14型:80 PS/6,000 rpm A15型:83 PS/5,600 rpm A15E型:92 PS/6,000 rpm |
最大トルク |
A14型:11.5 kgm/3,600 rpm A15型:12.2 kgm/3,600 rpm A15E型:12.3 kgm/3,600 rpm |
変速機 | 3速AT/4速MT/5速MT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット+コイル |
後 | 4リンクリジッド+コイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,340 mm |
全長 | 4,160 mm |
全幅 | 1,580 - 1,600 mm |
全高 | 1,345 mm |
車両重量 | 875 - 920 kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク+6インチマスターバック 後:ドラム |
タンク容量 | 50 L |
野外レジャーやショッピングへの需要に応えて、ステーションワゴン型のサニーを発表した。命名の由来やスタイリングも含めて若々しさを意識しており、この当時カリフォルニアを中心とした趣味性の高いライフスタイルの流行、いわゆる「西海岸ブーム」が起こっていたことにも影響している[1]。
バンパーは他のシリーズよりも大型のものであり、オプションでショックアブソーバー付衝撃吸収バンパーを選択できた。オプションには他にも、木目調のサイドパネルもあった[2]。
グレードはデラックス、GL、SGL、GX、SGX-Eとなっている。デラックスだけ4速フロアシフトのみが組み合わせられる。SGLには後席シートにスプリット機構を採用した[2]。
- 1979年
- 1月23日 - B310型サニーの登場から1年2か月遅れて、サニーシリーズ初のステーションワゴンとしてデビュー。発表当時はステーションワゴンではなく5ドアスポーツセダンという扱いであった。エンジンはセダン、クーペと同じもので、昭和53年度排出ガス規制および昭和54年度騒音規制を満たしたA14型(シングルキャブレター仕様)のみ[2]。
- 10月25日 - マイナーチェンジでフロントノーズをスラント化。同時にリアナンバープレートの位置をバンパー上に移動。5速MTのシフトパターンを変更し、水平基調のラジエーターグリルと当時流行の角型ヘッドランプなどを採用。スポーツタイプのGXが追加され、こちらにはメッシュタイプの黒色ラジエーターグリルが装備された[3]。
- 1980年
- 1981年
- 10月 B11型にフルモデルチェンジして販売終了。
-
後期型
2代目 B11型(1981年 - 1985年)
編集日産・サニーカリフォルニア(2代目) B11型 | |
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前期型 | |
概要 | |
販売期間 | 1981年10月 - 1985年9月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアステーションワゴン |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
E13S型 1.3 L 直4 E15S/E15E型 1.5 L 直4 CD17型 1.7 Lディーゼル 直4 |
変速機 |
3速AT 4速 / 5速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:トレーリングアーム+コイル |
後 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:トレーリングアーム+コイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400 mm |
全長 | 4,255 mm |
全幅 | 1,620 mm |
全高 | 1,365 mm |
車両重量 | 835kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 1500SGL |
- 1981年(昭和56年)10月 B11型サニーの5ドアワゴン版として登場。ベース車と同様に駆動方式を後輪駆動(FR)から前輪駆動(FF)に改め、エンジンも旧態依然としたOHVのA型から、N10型パルサー/ラングレーに先行投入されていた新開発SOHC8バルブのE型エンジン(E13S/E15S/E15E型)を横置き搭載した。これは、サニーで初めてカムシャフトの駆動にタイミングベルトを採用したエンジンでもある。
- なお、1981年(昭和56年)7月に当時の石原俊社長の方針で、国内外で展開していた「ダットサン」ブランドを廃止し、「日産」ブランドへ統一する事が発表された(ダットサン・ピックアップを除く)ため、「日産・サニーカリフォルニア」となる。
3代目 B12型(1985年 - 1990年)
編集日産・サニーカリフォルニア(3代目) B12型 | |
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北米仕様 | |
概要 | |
販売期間 | 1985年9月 - 1990年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアステーションワゴン |
駆動方式 | FF / 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
E15S→GA15S/GA15E型 直4 1.5L E13S型 直4 1.3L CD17型 直4 ディーゼル1.7L |
変速機 |
4速 / 3速AT 5速 / 4速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:パラレルリンクストラット+コイル |
後 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:パラレルリンクストラット+コイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430mm |
全長 | 4,270mm |
全幅 | 1,640mm |
全高 | 1,390mm |
車両重量 | 960kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | 1500SGL |
- 1985年9月 B12型サニーの5ドアワゴン版として登場。通称「トラッドサニー」。リアシートは5:5の左右分割可倒式でリクライニング機構付き。歴代のサニーカリフォルニアとしては最もラゲッジルームの容積が小さく、どちらかと言えばショートワゴン、もしくは5ドアハッチバックセダンに近いスタイリングとなっている。エンジンはガソリン1.5リッターとディーゼル1.7リッター。リアサスペンションは先代のトレーリングアームから、パラレルリンク式ストラット/コイルの独立懸架へと変更。
- 1986年9月 ビスカスカップリング式の「フルオート・フルタイム4WD」車を追加。
- 1987年9月 マイナーチェンジ。外装ではフロントマスクと、特にリア周りのデザイン(リアコンビネーションランプやナンバー取付け位置など)が変更された。特筆すべきはエンジンで、1500ccガソリン車のエンジンが、直列4気筒SOHC・8バルブのE15型から、直列4気筒SOHC・12バルブのGA15型[5]に変更された。「1500スーパーサルーン」系のフルオート・フルタイム4WD車にはメカニカル式ABSをメーカーオプションで設定。
- 1988年6月 トリプルビスカス式4WD車を追加。
- 1989年1月 2回目のマイナーチェンジ。
- 1990年10月 Y10型にバトンタッチし終売。
4代目 Y10型(1990年 - 1996年)
編集日産・サニーカリフォルニア(4代目) Y10型 | |
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前期型 1990年10月 - 1993年8月 | |
後期型 1993年8月 - 1996年5月 | |
リアビュー | |
概要 | |
別名 |
日産・アベニール(初代) ※前・中期型のみ 日産・ADバン/ワゴン(2代目) |
販売期間 | 1990年10月 - 1996年5月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
駆動方式 | FF / 4WD |
パワートレイン | |
エンジン |
GA15DS型 直4 1.5L キャブ→ GA15DE型 直4 1.5L EGI |
変速機 | 4速AT / 5速MT |
前 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:トーションビーム+コイル |
後 |
前:マクファーソンストラット+コイル 後:トーションビーム+コイル |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 4,175mm |
全幅 | 1,665mm |
全高 | 1,515mm |
車両重量 | 1,020kg |
その他 | |
ブレーキ |
前:ディスク 後:ドラム |
データモデル | タイプA |
系譜 | |
後継 | 日産・ウイングロード |
- 1990年10月 B13型サニーから9か月遅れでデビュー。ベース車はADバン・ワゴンに変更され、型式もサニーとは異なる「Y10型」となる。運転席前方のインパネはADバン・ワゴン用と共用しているが、リアコンビランプの下部分であるADバン・ワゴン用のバックランプからブレーキランプに変更された。既存のB13型サニーの「スーパーサルーン」系グレード用のものが流用されており、そのためか、全てのグレードにタコメーターが標準装備となっている。エンジンはDOHCキャブレターの「GA15DS」一機種、グレードもベーシックモデルの「タイプA」とハイグレードの「タイプB」の2つのみに絞られる。4WDはビスカスカップリング式の「フルオート・フルタイム4WD」を継続採用。
- 1993年8月 マイナーチェンジ。フロントバンパー/サイドガードモールのデザイン変更、ハイマウントストップランプ付きリアスポイラー、サイドドアビーム、衝撃吸収ステアリングパッドを新採用。エアコンを新冷媒タイプに変更。
- 1994年9月 一部改良。タイプAの装備を簡略化し、専用シートトリムなどを追加した「サンホゼ」を新設定。「GTパック」や「オーディオパック」をオプション設定。全車にABSをオプション設定。
- 1995年6月 一部改良。「GA15DS」をEGI仕様の「GA15DE」に換装、最高出力が94psから105psにアップ。全車に運転席SRSエアバッグを標準装備。フロントグリル、シートトリムのデザイン変更。
- 1996年4月[6] 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
- 1996年5月 ADバン・ADMAXバン(Y10型)を除いてADワゴンと統合され、ビッグマイナーチェンジによって「ウイングロード」に車名が変更される[7]。「サニーカリフォルニア」の名はこの代をもって消滅し、17年の歴史に幕を下ろした。「カリフォルニア」というネーミングは、初代ウイングロードのサニー店向けのサブネームとして残された。
脚注
編集- ^ 清水雅史. “NISSAN ARCHIVE 記憶に残る一台”. N-Link OWNERS. 日産自動車株式会社. 9 July 2024閲覧。
- ^ a b c 『サニー・カリフォルニア新発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、23 January 1979 。9 July 2024閲覧。
- ^ 『改良型サニーシリーズ発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、25 October 1979 。9 July 2024閲覧。
- ^ 『サニーのエンジン排気量を1300㏄、1500㏄に増大 あわせてサンルーフ車などを設定』(プレスリリース)日産自動車株式会社、28 November 1980 。9 July 2024閲覧。
- ^ 1気筒あたり吸気×2、排気×1の3バルブ方式で日産車史上初。電子制御キャブレター(ECC)仕様のGA15S・85psと電子制御インジェクション(EGI・ECCS)仕様のGA15E・97ps。いずれもカムシャフトの駆動はゴム製のタイミングベルトに代わり、メンテナンスフリーのシングルローラーチェーンが用いられている。
- ^ “サニーカリフォルニア(日産)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ これまでADバンを共用していたADワゴン・サニーカリフォルニアはウイングロード(Y10型)も統合したが、こちらはウイングロード(Y10型)専用リアデザインとなっている。
関連項目
編集- トヨタ・カローラフィールダー - 競合車(当時はカローラワゴン)
- 日産・サニー
- 日産・ウイングロード - 後継車
- 日産・AD
- ホンダ・シビックカントリー