綾織

織りの種類
斜文織から転送)

綾織(あやおり、: twill: ツイル)もしくは斜文織(しゃもんおり)とは、織組織の一つで、タテ糸が2本もしく3本のヨコ糸の上を通過した後、1本のヨコ糸の下を通過することを繰り返して織られたもの。平織繻子織とあわせて三原組織の一つである。糸の交差する組織点が、斜紋線(しゃもんせん)または綾目(あやめ)と呼ばれる線を斜めに表し、できあがった模様は左右非対称になる。織組織の関係上、生地の表面はタテ糸の割合が多い。平織に比べると摩擦に弱く強度に欠けるが、地合は密で柔らかく、伸縮性に優れ、シワがよりにくい等の利点がある。

綾織の組織図(2/1)

2本交差の場合を「三つ綾(2/1)」、3本交差の場合を「四つ綾(3/1)」と呼び、それぞれ斜線の角度は異なる。四つ綾(3/1)の織物を一般的に「ツイル」と呼んでいる。また(2/2)組織の綾織物もあり、これも四つ綾と呼ぶ。これはタテ糸とヨコ糸の割合が生地の表裏ともに同一で、斜線の角度が45°なのが特徴(生地の裏表は綾目の向きで判別する)。代表的な織物に「サージ」がある。

代表的な綾織の織物

編集
  • 綿
    • 綿ギャバジン - タテ糸・ヨコ糸ともに双糸の2/2綾織物でタテ糸の本数がヨコ糸の倍使われており、綾目が急角度になっているのが特徴。代表的なものに「バーバリー」がある。
    • 綿ネル - 正式には「フランネル」という。生地の両面に起毛加工が施されている。
    • 綿サージ - 下述の通り。
    • デニム - タテ糸にインディゴの先染め糸を使用した綾織物。3/1綾が主流だが、2/1綾のものもある。
    • ドリル(葛城)
    • ダンガリー - タテ糸に未晒し糸、ヨコ糸に染め糸を使った綾織物。名称はムンバイダングリが由来。
    • ビエラ(viyella) - ネルの一種。毛(55%)と綿(45%)を混紡した糸を用いた綾織物。
    • 綿カルゼ - タテ糸に杢糸もしくは霜降り糸の2本引き揃え、ヨコ糸に染め糸(2本引き揃えも有)を使用した2/2綾織物。
  • ウール

関連項目

編集

外部リンク

編集