技能審査
技能審査(ぎのうしんさ)は、公益法人等(地方公共団体を含む)による労働者の技能評価制度である。国家検定としての技能検定を補完する制度として、1973年(昭和48年)10月1日に創設された[1]。
概要
編集技能審査認定規程(労働省告示第54号、昭和48年9月28日)に基づいて、非営利団体が実施する技能審査のうち、技能振興上推奨すべきものを厚生労働大臣が認定する制度である。
(厚生労働省が認定する)技能検定および認定社内検定[2]とは対応範囲が異なり、お互いを補完する関係となっている。
種別 | 根拠 | 認定対象 | 実施機関 |
---|---|---|---|
技能検定 | 職業能力開発促進法 | 普遍性を有する技能および知識 | 職業能力開発協会 指定試験機関 |
技能審査 | 技能審査認定規程 | 共通性はあるが労働者の少ない技能 特定地域にのみ存在する職種 |
非営利団体 |
認定社内検定 | 社内検定認定規定 | 個別の企業において特有な技能 | 事業主 |
平成12年の行政改革大綱によって新規の認定が停止された[3]。
認定を受けた技能審査
編集技能審査認定規程により厚生労働大臣の認定を受けた技能審査は、2009年(平成21年)4月1日現在で、以下のとおりである[4]。
- 神奈川県箱根細工技能審査(称号:箱根細工技能師、実施者:神奈川県)
- 神奈川県鎌倉彫技能審査(称号:鎌倉彫技能師、実施者:神奈川県)
- 新潟県村上木彫堆朱彫刻技能審査(称号:村上木彫堆朱彫刻士、実施者:新潟県)
- 印刷営業技能審査(称号:管理印刷営業士、印刷営業士、実施者:全日本印刷工業組合連合会)
- 富山県井波木彫刻技能審査(称号:井波木彫刻士、実施者:富山県)
- 圧入施工技能審査(称号:圧入施工技士、実施者:全国圧入協会)
- 葬祭ディレクター技能審査(称号:葬祭ディレクター、実施者:葬祭ディレクター技能審査協会)
- コンクリート等切断穿孔技能審査(称号:コンクリート等切断穿孔技士、実施者:ダイヤモンド工事業協同組合)
- CADトレース技能審査[注 1](称号:CADトレース技士、実施者:中央職業能力開発協会)
過去に認定を受けた技能審査
編集1993年(平成5年)3月末の時点では、以下の18職種が認定されていた[6]。
- 神奈川県箱根細工技能審査
- 神奈川県鎌倉彫技能審査
- 山梨県宝石研磨技能審査
- 新潟県村上木彫推朱彫刻技能審査
- テラー技能審査
- 料飲接遇サービス技能審査(レストランサービス技能士に移行)
- POP広告クリエイター技能審査
- 金融渉外技能審査
- 翻訳技能審査
- 印刷営業技能審査
- サインボード・デザイン技能審査
- 介護サービス技能審査
- 富山県井波木彫刻技能審査
- ビル設備管理技能審査(ビル設備管理技能士に移行)
- 事務処理技能審査
- 産業カウンセラー技能審査
- 吹付け硬質ウレタンフォーム断熱施工及び圧入施工技能審査