心臓と絡繰
「心臓と絡繰」(しんぞうとからくり)は、2018年12月28日にYouTube上で公開された、KAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルシンガー花譜の2作目のオリジナル楽曲である[1][2][3]。作詞・作曲・編曲は全てカンザキイオリによる[1]。花譜の代表的なオリジナル楽曲であるとされる[4]。花譜初めてのYouTube再生数ミリオン達成楽曲である[5]。
「心臓と絡繰」 | ||||||||||
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花譜の楽曲 | ||||||||||
収録アルバム | 『花と心臓』 | |||||||||
リリース | 2019年5月15日 | |||||||||
ジャンル | J-POP | |||||||||
時間 | 4分19秒 | |||||||||
レーベル | KAMITSUBAKI RECORD | |||||||||
作詞者 | カンザキイオリ | |||||||||
作曲者 | カンザキイオリ | |||||||||
プロデュース | PIEDPIPER | |||||||||
その他収録アルバム | ||||||||||
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2019年5月15日に配信リリースされた1st EP『花と心臓』および[6][2][5][7][8]、同年9月11日にリリースされた1stアルバム『観測』に収録されている[9]。
概要
編集花譜は2018年10月、当時14歳でデビューし、本楽曲「心臓と絡繰」の公開を機に注目を集めることとなった[10]。そのため、本楽曲は多くのリスナーが花譜を知るきっかけとなった一曲として紹介される[2][11]。
ミュージックビデオ公開前には、12月24日(#07)と12月26日(#08)の2回、予告編が公開された[12][13]。そして、12月28日に本編のミュージックビデオが公開された[1]。ミュージックビデオの映像制作は川サキケンジが、映像制作協力は穴吹佳祐・WACCHが行った[1]。
本作品はカンザキイオリが自分の中で「今までとは違うことをする」をテーマにして作った楽曲であった[14]。カンザキが考える理想の花譜へのアプローチと、新しい自分への挑戦が込められている[14]。繰り返し転調が行われたり、グロッケンが使用されたりした[14]。花譜とカンザキイオリの2人による花譜の楽曲「らしさ」が詰まっており、ピアノとストリングスによるサウンドで、「君」への思いを歌った作品である[5]。歌詞はストレートな恋の歌であるが、不確かな存在である花譜を「観る」ことで確定させる視聴者「観測者」へのラブソングのようでもある、と紹介される[5]。
2019年11月当時、「心臓と絡繰」は花譜が最も気に入っている自身の作品の1つと語っており[15]、2023年にもカンザキイオリの制作によるオリジナル楽曲で最も好きな曲だと語っている[16]。
リミックスとカバー
編集2019年12月25日にリリースされたリミックスアルバム『観測γ』には、春野によるリミックスバージョン「心臓と絡繰(春野 Remix)」が収録された[17]。このリミックスは原曲とのギャップが大きい作品である[5]。ゆったりとしたビートでチルなアレンジとなっている[5]。サウンドエフェクトとして雨音や車の通る音といった生活音が取り入れられ、楽曲の持つ切なさを身近な感触のものへと塗り替えている[5]。
下記のライブ『花譜 2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐Q1」』では、Guianoによるリミックスバージョン「心臓と絡繰(Guiano Remix)」が演奏された[18]。
カバー
編集2020年11月28日には、花譜の歌声を基に作られたCeVIO AIの「音楽的同位体 可不」によるカバーが公開された[19]。また2022年8月23日には、花譜と同じユニットV.W.Pのメンバーである理芽が「心臓と絡繰」をカバーしている[20]。
ライブでのパフォーマンス
編集本楽曲は2018年12月31日に開催されたバーチャルYouTuberたちによる歌合戦イベント「Count0」にて演奏された[21][22]。デビューしたばかりの花譜にとって、初の大きなイベント参加であり、ステージデビューを果たした[21]。
花譜初のワンマンライブである『花譜 1st ONE-MAN LIVE「不可解」』でも、 「糸」、「忘れてしまえ」、「雛鳥」に次ぐ4曲目として演奏された[23]。そのリビルドライブである、2020年3月23日に開催された『花譜 1st ONE-MAN LIVE「不可解(再)」』でも同様に4曲目に演奏された[24]。続く2020年10月10日の『花譜 2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐Q1」』および2021年6月11日のそのリビルドライブ『花譜 2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐REBUILDING」』「不可解弐Q1:RE -形を失った世界で僕らは-」では、第1部12曲目に「心臓と絡繰(Guiano Remix)」が演奏された[18][25]。
2024年10月12日に開催されたミニライブ『SINKA LIVE SERIES UNKNOWN SPACE 02 KAF VIRTUAL MINI LIVE「YARN -不可解空間-」』では[26]、それ以来となるライブでの演奏がなされた[27]。
反響と評価
編集ミュージックビデオは2018年12月29日から翌年1月3日ごろまでYouTube上の広告として出稿されたことで再生数を大きく伸ばした[28][29]。そのため再生数工作などといった噂が飛び交い[28][30][21]、公式がそれを否定する説明文を公表することとなった[28][29]。公開から1週間経たずして初の100万再生を突破した[6][31]。2019年4月には約140万回再生[7]、2019年8月当時で再生回数が170万回を超えた[9]。2022年9月には540万再生を突破した[11]。
ネットメディア「PANORA」では、切ない歌詞と花譜の優しい歌声が癒しと感動を与えてくれる、と評されている[3]。
ゲームへの収録
編集脚注
編集出典
編集- ^ a b c d 花譜 -KAF- (2018年12月28日). “花譜 #09 「心臓と絡繰」 【オリジナルMV】”. YouTube. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b c 『花譜 DATA COLLECTION BOOK』 2024, p. 010.
- ^ a b TKG (2018年12月31日). “バーチャルシンガー花譜、カンザキイオリとコラボの第2弾オリジナル楽曲を公開!”. 2025年1月1日閲覧。
- ^ ひーこ/プレスラボ (2019年9月14日). “1stワンマンライブでTwitter世界トレンド1位、実現したのは15歳の女の子―― バーチャルシンガー「花譜」は何者なのか”. ねとらぼ. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b c d e f g 「不可解参(想)」ライブパンフレット 2023, p. 33.
- ^ a b “バーチャルシンガー「花譜」、5月15日に1st EP「花と心臓」を配信限定リリース決定”. PANORA. パノラプロ (2019年4月26日). 2024年12月16日閲覧。
- ^ a b 音楽ナタリー編集部 (2019年4月26日). “バーチャルシンガー・花譜が3曲入り音源「花と心臓」リリース”. 音楽ナタリー. 2024年12月16日閲覧。
- ^ MoguLive編集部 (2019年4月26日). “バーチャルシンガー花譜、1stEP「花と心臓」を5月15日に配信限定リリース”. MoguLive. MoguraVR. 2024年12月16日閲覧。
- ^ a b ありた (2019年8月1日). “バーチャルシンガー花譜、1stアルバム発売 カンザキイオリ全曲プロデュース”. 2025年1月1日閲覧。
- ^ Yugaming (2024年11月7日). “花譜、初のムック本を刊行 関係者が語る「花譜はどのように形成されたか」”. KAI-YOU. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b たまごまご (2022年9月7日). “年齢を重ねるVSinger「花譜」とは何者か? 高校卒業、武道館公演、成長を観測する独自のスタイル”. クイック・ジャパン Web. 2025年1月1日閲覧。
- ^ 花譜 -KAF- (2018年12月24日). “花譜 #07 「心臓と絡繰」-予告編①- 【オリジナルMV】”. YouTube. 2025年1月1日閲覧。
- ^ 花譜 -KAF- (2018年12月26日). “花譜 #08 「心臓と絡繰」-予告編②- 【オリジナルMV】”. YouTube. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b c カンザキイオリ [@kurogaki0311] (2019年7月27日). "「心臓と絡繰」今聞いても本当すごい曲だなって思う、、 自分の中で「今までとは違うことをする」をテーマにして作ったので、ストリングス爆発してるし、転調はしまくるし、使ったことないグロッケン?っていう楽器使ったりして、自分が考える理想の花譜へのアプローチと、新しい自分への挑戦でした。". X(旧Twitter)より2025年1月1日閲覧。
- ^ 森田将輝 (2019年11月19日). “花譜インタビュー バーチャルシンガーで“にほんのどこかにいる15さい”のリアル”. KAI-YOU. 2025年1月1日閲覧。
- ^ 「不可解参(想)」ライブパンフレット 2023, p. 76.
- ^ MoguLive編集部 (2019年12月4日). “【花譜 】Remix Album「観測γ」情報公開 BOOTHで予約開始”. MoguLive. MoguraVR. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b 音楽ナタリー編集部 (2020年10月11日). “花譜、バーチャル空間から歌への思い届けた2ndワンマン「花譜を観測してくれてありがとう」”. 音楽ナタリー. 2023年3月17日閲覧。
- ^ 音楽的同位体 可不・星界・裏命・狐子・羽累 Musical Isotope (2020年11月28日). “【音楽的同位体】心臓と絡繰 covered by 可不(KAFU)”. YouTube. 2025年1月1日閲覧。
- ^ 理芽 -RIM- (2022年8月23日). “心臓と絡繰 - 花譜 / Covered by 理芽 / RIM”. YouTube. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b c ノンジャンル人生 (2019年7月27日). “14歳から15歳へ、大人になっていく異彩のバーチャルシンガー「花譜」。彼女とその歌の魅力に迫る”. MoguLive. MoguraVR. 2025年1月1日閲覧。
- ^ 株式会社カヤック『年越しVR歌合戦イベント「Count0」、曲目、スペシャルコンテンツ内容、新たな出演者を大公開!~VR空間も本番前から一部先行公開中!YouTubeライブのURLも決定!~』(プレスリリース)2018年12月28日 。2025年1月1日閲覧。
- ^ Minoru Hirota (2019年8月5日). “花譜ワンマンライブ「不可解」1万字レポート なぜ彼女はVTuberライブの特異点となれたのか?”. PANORA. p. 2. 2025年1月1日閲覧。
- ^ “花譜 1st ONE-MAN LIVE 『不可解』 _ 『不可解(再)』”. みるハコ. 2020年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月11日閲覧。
- ^ “【花譜】Live Blu-ray「不可解弐REBUILDING Q1:RE-形を失った世界で僕らは-」/2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐REBUILDING」”. FINDME STORE by THINKR. 2025年1月11日閲覧。
- ^ “KAMITSUBAKI STUDIO・花譜 ミニライブ「YARN -不可解空間-」を10月12日にYouYubeで開催へ”. PANORA (2024年9月23日). 2024年12月25日閲覧。
- ^ 花譜 (2024), SINKA LIVE SERIES UNKNOWN SPACE #02 YARN 不可解空間 KAF VIRTUAL MINI LIVE, PHENOMENON RECORD。KTR-0176。
- ^ a b c “花譜(かふ) とは”. KAI-YOU キーフレーズ. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b 花譜 information [@kaf_info] (2019年1月7日). "「心臓と絡繰」にまつわる一部ニュースメディアの報道につきまして。". X(旧Twitter)より2025年1月1日閲覧。
- ^ “PIEDPIPERインタビュー 新会社「深化」とWeb3.0構想への思い - 「VTuberは社会に認められてない」花譜プロデューサーが考える唯一の攻略法”. KAI-YOU Premium (2023年4月29日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “バーチャルシンガー・花譜、活動再開 カンザキイオリ&川サキケンジ手がけた新曲「雛鳥」の公開も”. Real Sound (2019年3月20日). 2025年1月1日閲覧。
- ^ “Vシンガー・花譜、リズムゲーム「Cytus II」とコラボ ゲーム内に「過去を喰らう」を含む全10曲を収録”. PANORA (2021年9月11日). 2025年1月11日閲覧。
参考文献
編集- 『花譜 3rd ONE-MAN LIVE 「不可解参(想) 」ライブパンフレット』KAMITSUBAKI STUDIO、2023年3月4日、1–102頁。KAF-300-0244。
- 『花譜 DATA COLLECTION BOOK MAKUHARI MESSE CARD ver.』宝島社〈宝島社ブランドムック〉、2024年11月30日。ISBN 978-4-299-06203-1。
外部リンク
編集- 花譜 #09 「心臓と絡繰」 【オリジナルMV】 - YouTube