弟村王(おとむらおう、生没年不詳)は、平安時代初期の皇族。知太政官事・舎人親王の曾孫。従五位下・猪名王の子。官位は正五位下・筑後守。
大同5年(810年)薬子の変の発生に前後して、従五位下・図書頭に叙任される。弘仁3年(812年)玄蕃頭に転じ、同年に布勢内親王が薨去した際には葬儀を監護した。弘仁4年(813年)筑後守の任にあったが、播磨介・藤原藤成らとともに夷俘に対応(教喩および要請の処理)するための専当官に任ぜられている。弘仁6年(816年)には筑後守に再任された。
淳和朝に入り、天長2年(825年)従五位上、天長7年(830年)正五位下と昇進を果たしている。
『日本後紀』による。