川野洋
川野 洋(かわの ひろし、1925年4月14日[1] − 2012年12月18日[2])は、日本の哲学者、美学者。文学博士(大阪大学、1986年)[3]。東京都立科学技術大学名誉教授、東北芸術工科大学名誉教授。
来歴
編集旧満州国撫順市生まれ。鹿児島県立加治木中学校 (旧制)および第七高等学校造士館 (旧制)卒業。1951年東京大学文学部哲学科卒業、[1]
1955年東京大学助手、1961年東京都立航空工業短期大学講師(1965年助教授)、1971年東京都立工科短期大学教授、1986年東京都立科学技術大学(現・首都大学東京)教授、1990年長野大学教授、1994年東北芸術工科大学教授。
1990年東京都立科学技術大学名誉教授、1996年東北芸術工科大学名誉教授。2005年瑞宝中綬章受章。
研究
編集新カント学派の研究から出発し、分析美学、記号美学をへて、C.E.シャノンの情報理論を美学に応用したコンピュータ・グラフィックス(CG)、詩、音楽に関する実験美学を実践した。1964年に日本で初めてディジタル・コンピュータを使ったCGを制作した。
著書
編集共著
編集- 『科学時代の哲学2 人間と社会』碧海純一ほか編 培風館 1964
- 『哲学への12の視点』児島洋編 理想社 1965
- 『講座 美学新思潮3 芸術記号論』竹内敏雄編 美術出版社 1966
- 『哲学』沢田充茂編 有斐閣 1967
- 『現代デザインを考える』林進編 美術出版社 1968
- 『現代デザイン理論のエッセンス』 勝見勝編 ぺりかん社 1969
- 『音と思索 野村良雄先生還暦記念論文集』野村良雄先生還暦記念行事実行委員会 音楽の友社 1969
- 『ことばの哲学』坂本百大編 学文社 1972
- 『講座 情報社会科学16 情報文化の新次元Ⅲ デザイン文化』嶋田厚ほか著 学研 1972
- 『現代教育と情報科学』大島三男編 第一法規 1975
- 『空間と時間』清水達雄ほか著 彰国社 1975
- 『Artist and Computer』Ruth Leavitt ed., Harmony Books, 1976
- 『現代の哲学3 言語の内と外』田島節夫ほか編 弘文堂 1977
- 『日本思想史講座 別巻2 研究方法論』古川哲史、石田一良編 雄山閣出版 1978
- 『記号としての芸術』川本茂雄ほか編 勁草書房 1982
- 『工業デザイン全集1 理論と歴史』工業デザイン全集編集委員会編 日本出版サービス 1983
- 『講座美学3 美学の方法』今道友信編 東京大学出版会 1984
- 『講座美学5 美学の将来』今道友信編 東京大学出版会 1985
- 『民族芸術学 その方法序説』木村重信編 日本放送出版協会 1986
- 『記号学大辞典』坂本百大ほか編 柏書房 2002
翻訳
編集主な展覧会
編集- 「第1回 コンピュータ・アート・コンテスト」(大手町サンケイビル、1968年)
- 「Nove Tendencije 4 : Computer and Visual Research」(Center za kulturu informacije, Zagreb, 1968年)
- 「川野洋個展 コンピュータアート展」(プラザ・ディック、1970年)
- 「Hiroshi Kawano Der Philosoph am Computer」(ZKM, Karlsruhe, 2011−12年)
脚注
編集- ^ a b 『魂と魂との契りぞや 第七高等学校造士館北辰会五十年記念誌』(1998年10月)
- ^ https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpssj/46/1/46_77/_pdf
- ^ 国立国会図書館. “博士論文『コンピュータと美学』”. 2023年4月9日閲覧。