山崎舜平
山﨑 舜平(やまざき しゅんぺい、1942年7月8日 - )は、日本の工学者。工学博士。株式会社半導体エネルギー研究所代表取締役。
略歴
編集大学時代、加藤与五郎博士に薫陶をうける。不揮発性メモリー(フラッシュメモリー)の発明者とされているが、文化功労者で東北大学名誉教授の舛岡富士雄博士の方がフラッシュメモリー発明者として認知度が高い。
1980年株式会社半導体エネルギー研究所を設立、社長に就任。同社は、知的財産による収入で運営している21世紀型の研究開発専門企業と言われている。1984年、材料科学技術振興財団理事。 さらに、半導体エネルギー研究所の子会社であるアドバンスト フィルム ディバイス インクの社長とともに、加藤山崎教育基金の理事長も兼務する。
特許の発明者には同氏も名前を連ね、2000年、2001年の高額納税者番付にランクインしている。
ギネス認定
編集2004年9月28日、特許取得件数世界一としてギネスブックに認定された。その発明件数は3,245件(2004年5月31日時点)だったが、2011年3月には6,314件(2011年3月10日時点)と自らの記録を更新認定された。2024年10月時点での国内特許登録維持件数は5,483件である。特許取得件数が多いのは、原出願から拒絶理由通知や査定の都度分割出願を繰り返す方法を採用しているからで、10回以上の分割を行った事例も見られる。実際のところ、特許登録件数のうち原出願件数は10分の1程度である。また、出願や中間処理費用削減のために、弁理士等の代理人を使わずに半導体エネルギー研究所がそれらの知財関連業務を行っている。そのため、特許査定率は一般より低めで50%を下回っている。
株式会社半導体エネルギー研究所
編集株式会社半導体エネルギー研究所は、英語名はSemiconductor Energy Laboratory。本社は神奈川県厚木市。 主な事業は、薄膜半導体や太陽電池などのエレクトロニクス技術開発である。研究開発の結果得た特許権の活用や他社への技術供与により収入を得ており、製品の製造・販売を行っていない。また、既述したように同社の特許は分割出願を繰り返して、言わば水増しして登録になったものが多く、特許の質としては総じて低い。さらには、発明者となる多くの研究者について、斯界での活動履歴がほぼ無く、研究開発内容はベ-ルに包まれている。
2011年、トムソン・ロイターによる第1回「Top 100 グローバル・イノベーター・アワード」[1]に選出された。
他社と共同して技術開発することも多い。例として1998年のシャープとのCGシリコン技術[2]、2002年のシャープとのガラス基板上CPU形成技術[3]、2003年の東北パイオニアとのデュアルエミッション有機ELパネル技術[4]、2005年のTDKとのプラスチック基板上無線CPU形成技術[5]、2012年のシャープとのCAAC-IGZO技術[6]などがあげられる。このシャープとのCAAC-IGZOに関する共同開発の成果は、SIDにおいて2013年度のDisplay of the year部門の金賞を受賞した[7]。
独自の研究開発の成果としては、展示会「FPD International 2012」においてCAAC-IGZO技術を用いて眼精疲労を軽減させる液晶モニタの提案などをしている[8]。
受賞歴
編集出典・脚注
編集- ^ トムソン・ロイター 特許動向からみる世界の革新企業トップ100社を発表
- ^ シャープ システム液晶・CGシリコン
- ^ シャープ、電子回路をガラス板上に形成する「CGシリコン技術」を公開
- ^ 「2画面特許」に抵触しない?――“1画面2表示”の有機ELパネル発表
- ^ IEDM:プラスチック基板上に無線付きCPUコア、極薄の非接触ICカードに道
- ^ シャープと半導体エネルギー研究所がディスプレイを革新する酸化物半導体の新技術を共同開発
- ^ IGZO液晶ディスプレイでDisplay of the Year部門の金賞をシャープ株式会社と共同受賞
- ^ 新IGZO液晶を使った“目にやさしい”ディスプレイ