寿々喜座
寿々喜座（すずきざ）は、愛知県碧南市（旧大浜町域）にあった劇場・映画館。1879年（明治12年）に大浜村営劇場の蓬莱座（ほうらいざ）として開館し、1902年（明治35年）に民間に譲渡されて寿々喜座に改称、1963年（昭和38年）に閉館した。
| 寿々喜座 Suzukiza | |
|---|---|
 1951年の寿々喜座 | |
| 情報 | |
| 正式名称 | 寿々喜座 |
| 開館 | 1879年 |
| 閉館 | 1963年 |
| 客席数 | 596席（1960年時点） |
| 用途 | 劇場・映画館 |
| 運営 |
碧海郡大浜村（1879年-1902年） 鈴木喜三郎（1902年-????年） |
| 所在地 |
愛知県碧海郡大浜村（1879年開館時） 愛知県碧海郡大浜村字六供（1902年移転時） 愛知県碧南市本郷町（1963年閉館時）   |
| 位置 | 北緯34度52分37.7秒 東経136度58分59.1秒 / 北緯34.877139度 東経136.983083度座標: 北緯34度52分37.7秒 東経136度58分59.1秒 / 北緯34.877139度 東経136.983083度 |
| アクセス | 名鉄三河線碧南駅から徒歩7分 |
歴史
編集蓬莱座
編集碧海郡大浜村の林泉寺の前の土地に、1879年（明治12年）に大浜村営劇場の蓬莱座（ほうらいざ）が開館した[1][2]。現在の碧南市域初の劇場である[1]。やがて蓬莱座は経営難となり、156円で鈴木喜三郎に売却された[2]。
寿々喜座
編集戦前
編集
鈴木喜三郎は1902年（明治35年）に約300m北の大浜村字六供に新築移転させ、自身の名前から寿々喜座（すずきざ）に改称した[2]。寿々喜座では主に浪花節や軽演劇が上演され、「浪花節は寿々喜座」と言われるほどの評判を得た[2]。
1932年（昭和7年）には火災で焼失し[3]、1934年（昭和9年）に再建されて営業を再開した[1]。地元の古老は『望郷』（1937年・ジュリアン・デュヴィヴィエ監督）、『哀愁』（1940年・マーヴィン・ルロイ監督）、『カサブランカ』（1942年・マイケル・カーティス監督）などが上映されたことを振り返っている[4]。
戦後
編集太平洋戦争後に映画の最盛期を迎えると、碧南市の他館が邦画を上映する中で、寿々喜座は洋画の専門館として賑わいを見せた[2][3]。1953年（昭和27年）の碧南市には寿々喜座に加えて、旧新川町域に新盛座と新川キネマが、旧棚尾町域に三栄座があった[5]。寿々喜座は碧南市で最も多い679席の座席を有し、邦画全般を上映していた[5]。
映画最盛期の1960年（昭和35年）の座席数は596席であり、碧南市の5館の中ではもっとも座席数が多かった[6]。この年の碧南市には寿々喜座に加えて、新盛座と浜劇と新川キネマと三栄座があった[6]。寿々喜座と新盛座は東映作品を、三栄座と新川キネマは邦画全般を、浜劇は邦画・洋画問わず上映していた[6]。日本の映画館数は1960年をピークに減少に転じている。蓬莱座としての開館から84年を経た1963年（昭和38年）には寿々喜座も閉館した[2]。現在は寿々喜座の跡地に碧海信用金庫碧南支店が建っている[2]。
かつて碧南市にあった映画館
編集| 画像 | 館名 | 所在地 | 営業年 |
|---|---|---|---|
| 新盛座 | 旧碧海郡新川町 | 1887年-1961年 | |
| |
寿々喜座 | 旧碧海郡大浜町 | 1879年-1963年 |
| 浜劇 | 旧碧海郡新川町 | 1958年-1962年 | |
| 三栄座 | 旧碧海郡棚尾町 | 1897年-1978年 | |
| 新川キネマ | 旧碧海郡新川町 | 1929年-1978年 |
脚注
編集参考文献
編集- 加藤良平（編著）、鈴木宗雄ほか（監修）『碧南の劇場 キネマ行進曲』自費出版, 1988年
外部リンク
編集- 大浜本町通り トボトボ歩く 碧南市
- 碧南市・高浜市の映画館 消えた映画館の記憶
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