室井慎次 生き続ける者
『室井慎次 生き続ける者』(むろいしんじ いきつづけるもの、英題: STAY ALIVE)は、『踊る大捜査線』シリーズのスピンオフ映画。2024年11月8日から11月10日まで先行上映が行われ、11月15日に『THE ODORU LEGEND CONTINUES』として公開された。
室井慎次 生き続ける者 | |
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監督 | 本広克行 |
脚本 | 君塚良一 |
製作 |
亀山千広 矢延隆生 小川泰 市川南 |
製作総指揮 | 臼井裕詞 |
出演者 |
柳葉敏郎 福本莉子 齋藤潤 松下洸平 矢本悠馬 丹生明里 松本岳 西村直人 飯島直子 小沢仁志 木場勝己 加藤浩次 稲森いずみ いしだあゆみ 真矢ミキ 筧利夫 小泉今日子 |
音楽 |
武部聡志 松本晃彦(シリーズ音楽) |
撮影 | 川越一成 |
編集 | 岸野由佳子 |
製作会社 |
フジテレビジョン BSフジ 東宝 |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 117分 |
製作国 |
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言語 | 日本語 |
興行収入 | 17億円[1] |
前作 | 室井慎次 敗れざる者 |
次作 | 踊る大捜査線 N.E.W. |
概要
編集1997年から2012年にかけて制作されたフジテレビ系列のテレビドラマ及びその劇場版映画作品である『踊る大捜査線』シリーズで柳葉敏郎が演じる人気キャラクター・室井慎次を主人公に描く映画2部作の後編で、『室井慎次 敗れざる者』の続編[2][3][4]。
本作では小泉今日子演じる猟奇殺人犯・日向真奈美が2010年公開の『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』以来14年ぶりに登場する。
そしてエンドロール後のラストカットには、織田裕二演じる『踊る大捜査線』シリーズの主人公・青島俊作が『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来12年ぶりに登場(ノンクレジット)[5]。本作における青島の登場は当初その事実が伏せられており、公開10日後の11月25日に製作会社の東宝による公式発表で初めて明かされた[6]。
ストーリー
編集新城賢太郎に要請され、死体遺棄事件の捜査に協力することになった室井慎次。そんなある日、自分の家の車庫が火事にあい、自分が官僚時代に着ていた服も全焼してしまう。警察官の乃木真守や、石津百男、長部音松に被害届を出すように言われたが、室井は被害届を出さなかった。そして、捜査協力で北大仙署に訪れた室井は、火災当日の室井の家付近の防犯カメラの映像を桜章太郎に見せられると、そこには火をつける日向杏の姿が写っているのだった。
その頃、室井が面倒を見ている森貴仁(タカ)は、思いを寄せている大川紗耶香を自分の家に誘うが、自分の母親の事件を彼女の父親が知っており、断られてしまう。そして、柳町凛久(リク)は市毛商店で販売している大好きなチョコレートを万引きしようとし、店主である市毛きぬに止められてしまう。リクは迎えに来た室井に「杏姉ちゃんにお菓子取っていい。」と言われたと告白する。
ある日、杏は室井の暗証番号付き金庫に入っている猟銃を取り出そうとするが、室井に見つかってしまう。室井は怒ることなく、一緒に一発銃弾を放った。杏は衝撃で手が震えてしまうのだった。
一方、捜査本部は当時の犯人グループ内で仲間割れが起こり、瀬川吉雄を殺害したと見て捜査を進めていた。室井が捜査協力で訪れている時、犯人からの電話が入電する。その声から室井は、レインボーブリッジの事件の犯人グループにいた国見昇だと気付く。すぐに警察は国見のいるマンションに突入し、国見の身柄を確保する。
その後、室井が海の近くで佇んでいると、新城がやって来た。新城は、秋田県警から室井が目指した所轄と本庁の連携し、共に捜査を行うというモデルを作ることを室井に報告した。そして、室井は国見が自供していないということを聞くのだった。
室井は北大仙署を訪れ、桜と共に国見がいる取調室へ向かう。仁狩英明管理官に止められるも、桜は沖田仁美に電話をかけ、沖田は室井を取調室へ入れることを命令する。室井は国見に、恩田すみれと杏の話をした。すみれは、国見に撃たれた傷の後遺症で苦しみ、警察を退職していた。杏は、自分の実の母である日向真奈美の洗脳に苦しんでいるのだ。そして室井は「事件によって苦しむ家族がいる。」と国見に語りかけ、国見は自白するのだった。それを見た桜は、これらの事件は日向真奈美に洗脳された者たちが起こした事件ではないか、と室井に話した。
またある日、リクの父・柳町明楽が室井の元を尋ねてきた。そして、室井にリクを引き取らせて欲しいと頼むのだった。児童相談所の松本敬子、端野則次は、リクを明楽の元に戻すという判断をし、室井にリク達家族に二度と会わないと誓わせる。しかし、室井は明楽に接触し、リクに二度と暴力を振るわないと約束させる。そのことをタカと杏に伝え、最後の一日で温泉や外食といった楽しい時間を過ごし、リクを明楽の元へ帰すのだった。
タカは大好きな小説を売り、東京大学の参考書を買い、勉強に明け暮れる。リクが室井たち家族の元を去り、寂しい日々が続く。そんな日の晩、杏は皿を割ってしまう。その時、室井に車庫に火をつけたことを告白した。そんな杏を室井は優しく抱きしめた。その時、リクが傷だらけで室井の家に帰宅し、倒れてしまうのだった。
次の日、明楽がリクを追って室井の家を尋ねてくる。明楽は室井にまたリクを殴ってしまったことを告白するも、室井はリクを明楽の元へ戻すことを拒んだ。明楽は逆上し、室井達の飼い犬であるシンペイを野に放ち、家にあったナタを振り回し、室井を殺害しようとする。それを見た杏は猟銃の入った金庫の暗証番号を思い出し、猟銃を取り出した。そして、明楽のすぐ上の天井へ向かって放った。そして、明楽が室井の家に歩いていくのを目撃していた乃木が到着し、明楽を確保した。その後、室井はシンペイを探しに行くが、雪崩に巻き込まれて死亡する。
3人の子供たちは、室井が酔っ払っていた時に話していた夢を実現するため、それぞれの道を歩んでいった。
月日が流れ、青島俊作が室井の家を訪れた。しかし、青島は呼び出しをくらい、渋々室井の家を後にするのだった。
登場人物
編集警察での役職は公式HP、劇場パンフレット等にて確認されているものについてのみ記す。
- 室井家
- 里子達に関わる人物
- 街の人々
- その他
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- 医師:高橋ピロリ[10]
- 看護師:畠山みなみ[10]
- 古本屋の店主:木村優太[10]
- レポーター :佐藤愛純(秋田テレビアナウンサー)[15]
- ラジオパーソナリティの声 :相場詩織(フリーアナウンサー)[16]
- ラジオパーソナリティの声、商店の客 :シャバ駄馬男[17]
- ラジオパーソナリティの声、商店の客 :バリトン伊藤[17]
- ラジオパーソナリティの声 :笠井信輔[18]
- んだッチ(秋田県の観光PRマスコットキャラクター)[19]
- まるびちゃん(大仙市マスコットキャラクター)[20]
- 明石幸男(警視庁捜査資料管理センター):赤ペン瀧川(クレジットなし、前編のハイライト・ライブラリ出演)
- 刑務官 :錦笑亭満堂(クレジットなし、前編のハイライト・ライブラリ出演)
- 恩田すみれ :深津絵里(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 真下雪乃 :水野美紀(クレジットなし、ライブラリ出演)
- 高橋健三 :入江雅人(クレジットなし、写真出演)
- 三島龍也 :森下能幸(クレジットなし、写真出演)
- 中島高志 :木村靖司(クレジットなし、写真出演)
- 瀬川吉雄 :三宅弘城(クレジットなし、写真出演)
- 捜索無線の声 :亀山千広(内部エキストラ)、小野賢章、新井笙子、兼政郁人、菊池通武、中西正樹、吉岡琳吾 [21]
- 役名不詳 :杉山湧哉、石澤友規、守敦也、森本竜馬、曽我一耀、細井桃果、福岡梨央、高橋優衣、小林凛花、藤枝梨沙
- ポストクレジット
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- 青島俊作(警視庁刑事部捜査支援分析センター):織田裕二(クレジットなし)[22]
スタッフ
編集- 監督:本広克行
- 脚本:君塚良一
- 製作:亀山千広、矢延隆生、小川泰、市川南
- 製作総指揮:臼井裕詞
- プロデューサー:根本圭、上原寿一、古郡真也
- 音楽:武部聡志
- シリーズ音楽:松本晃彦
- 撮影:川越一成
- 照明:加瀬弘行、木村伸
- 録音:武進
- 美術:相馬直樹、吉本幸人
- 編集:岸野由佳子
- 美術プロデューサー:福田のり
- 装飾:田中宏
- 衣裳統括:岡田敦之
- ヘアメイク:丸谷亜由美
- VFXスーパーバイザー:高栁優斗
- 記録:赤星元子
- 選曲:藤村義孝
- 音響効果:大河原将
- 宣伝プロデューサー:江上智彦
- アソシエイトプロデューサー:大坪加奈
- 監督補:三橋利行
- 助監督:尾﨑隼樹
- 制作担当:武田旭弘
- 製作:フジテレビジョン、BSフジ、東宝
- 制作プロダクション:FILM
- 配給:東宝
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “2024年(令和6年)全国映画概況” (pdf). 一般社団法人 日本映画製作者連盟 公式サイト. 日本映画製作者連盟 (2025年1月29日). 2025年1月29日閲覧。
- ^ “「踊る大捜査線」再始動の新作映画は2部作!「室井慎次 敗れざる者」10月11日、「室井慎次 生き続ける者」11月15日公開 最新映像披露”. 映画.com (2024年4月30日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ “「踊る」新作は「室井慎次 敗れざる者」「室井慎次 生き続ける者」、二部作で公開”. 映画ナタリー (2024年4月30日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ “「踊る大捜査線」新作映画2作目『室井慎次 生き続ける者』柳葉敏郎演じる室井慎次が主人公に”. ファッションプレス (2024年10月7日). 2024年10月10日閲覧。
- ^ “織田裕二、「室井慎次 生き続ける者」にサプライズ出演”. シネマトゥデイ. 2024年12月6日閲覧。
- ^ “室井慎次 生き続ける者:“青島俊作”織田裕二がサプライズ出演 入場者プレゼントの配布も決定”. MANTANWEB (2024年11月25日). 2024年11月25日閲覧。
- ^ “映画「室井慎次」福本莉子が猟奇殺人犯・日向真奈美の娘役、予告や新ビジュアル解禁”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年7月24日). 2024年7月24日閲覧。
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 19.
- ^ a b “事件が室井慎次を追いかける、2部作の新予告解禁 松下洸平や真矢ミキも出演”. 映画ナタリー. ナターシャ (2024年9月11日). 2024年9月11日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m シナリオ・ガイドブック, p. 81.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 81,112.
- ^ 「日向坂46丹生明里:「踊る大捜査線」新作に! 「マジか!」「ピッタリ」と話題に 生駒里奈との共演に期待の声も」『MANTAN WEB』MANTAN、2024年6月26日。2024年8月11日閲覧。
- ^ “映画『室井慎次 敗れざる者』登場人物&キャスト【まとめ】”. シネマトゥデイ (2024年9月30日). 2024年10月10日閲覧。“『室井慎次』日向坂46・丹生明里、起用のきっかけは「有吉ぃぃeeeee!」 「踊る大捜査線」本広監督が“逸材”と絶賛”. シネマトゥデイ (2024年10月6日). 2024年10月11日閲覧。
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 81,133.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 81,106.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 93,124.
- ^ a b シナリオ・ガイドブック, p. 114,135.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 113.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 100,119,123.
- ^ シナリオ・ガイドブック, p. 118.
- ^ “『室井慎次』無線パートに隠された秘話とは?狙いとお約束があった”. シネマトゥデイ (2024年12月11日). 2025年1月19日閲覧。
- ^ “織田裕二、「室井慎次 生き続ける者」にサプライズ出演”. シネマトゥデイ. 2024年11月10日閲覧。
参考資料
編集シナリオガイドブックシリーズ
- 登場人物についての公式の人物設定などが収録されている。
- 『敗れざる者/生き続ける者シナリオ・ガイドブック』キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、2024年12月13日。ISBN 978-4-87376-886-1。
外部リンク
編集- オフィシャルサイト
- 室井慎次 生き続ける者 - allcinema
- 室井慎次 生き続ける者 - KINENOTE
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