孫 甜甜(スン・ティエンティエン、ピン音Sun Tiantian, 1981年10月12日 - )は、中華人民共和国河南省鄭州市出身の女子プロテニス選手。同僚の李婷とペアを組み、2004年アテネ五輪で女子ダブルスの金メダルを獲得した選手である。2008年全豪オープン混合ダブルスで優勝し、4大大会でも優勝経験を持つ。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。身長175cm、体重65kg。WTAツアーでシングルス1勝、ダブルスでアテネ五輪を含む12勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス77位、ダブルス16位。

孫甜甜
Sun Tiantian
基本情報
国籍 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
出身地 河南省鄭州市
生年月日 (1981-10-12) 1981年10月12日(43歳)
身長 175cm
体重 65kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 1999年
引退年 2009年
ツアー通算 13勝
シングルス 1勝
ダブルス 12勝
生涯通算成績 485勝310敗
シングルス 217勝156敗
ダブルス 268勝154敗
生涯獲得賞金 $1,019,657
4大大会最高成績・シングルス
全豪 1回戦(2006・07)
全仏 2回戦(2006)
全英 2回戦(2004・06)
全米 2回戦(2005)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2007)
全仏 ベスト8(2005)
全英 ベスト8(2007)
全米 3回戦(2005)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全豪 優勝(2005)
全仏 ベスト4(2007)
全英 3回戦(2004・07)
全米 2回戦(2006)
優勝回数 1(豪1)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 77位(2007年5月19日)
ダブルス 16位(2007年10月22日)
獲得メダル
女子 テニス
オリンピック
2004 アテネ ダブルス

来歴

編集

8歳からテニスを始め、2001年から女子テニス国別対抗戦・フェドカップ中国代表選手となる。2004年アテネ五輪でテニスの中国代表選手に選ばれた時、女子ダブルスには孫甜甜&李婷の組と、鄭潔晏紫組の2組を送り出した。孫甜甜&李婷のペアは、1回戦から強敵との戦いの連続だった。1回戦でアメリカビーナス・ウィリアムズ&チャンダ・ルビン組)、2回戦でイタリアシルビア・ファリナ・エリア&フランチェスカ・スキアボーネ組)、準々決勝ではオーストラリアアリシア・モリク&レネ・スタブス組)、準決勝ではアルゼンチンパオラ・スアレス&パトリシア・タラビーニ組)を破って決勝に進出する。8月22日の女子ダブルス決勝戦で、2人のペアはスペイン代表のコンチタ・マルティネス&ビルヒニア・ルアノ・パスクアル組を 6-3, 6-3 のストレートで圧倒し、中国に初めてのテニス金メダルをもたらした。

その後も孫甜甜は李婷とのペアでダブルスの好成績を出し続け、2006年度は女子ツアーのダブルスで3勝を記録した。2007年10月、孫は晏紫とペアを組み、日本ジャパン・オープンタイバンコク大会でダブルス2週連続優勝を達成した。

アテネ五輪の女子ダブルス金メダルから4年後、孫は2008年全豪オープン混合ダブルスでネナド・ジモニッチセルビア)と組んで優勝し、4大大会でも初優勝を果たした。孫とジモニッチは、決勝でインドペアのマヘシュ・ブパシ&サニア・ミルザ組を 7-6, 6-4 のストレートで破って優勝した。

孫甜甜はダブルス・パートナーの李婷に比べると、シングルスにも強く、全豪オープンを除く4大大会で女子シングルス2回戦に進出している。2005年のチャイナ・オープン2回戦ではセリーナ・ウィリアムズを 6-2, 7-6(7) で破る番狂わせを起こした。2006年10月8日、孫はウズベキスタンタシュケント大会の決勝で地元選手のイロダ・ツルヤガノワを 6-2, 6-4 で破り、女子テニスツアー大会でシングルス初優勝を果たした。

孫甜甜は2009年9月の広州国際女子オープンではクルム伊達公子と組みダブルスで準優勝した。10月のチャイナ・オープンダブルスの1回戦で敗退した試合が最後の出場となった。11月にテニス指導者の張鵬と結婚した[1]

WTAツアー決勝進出結果

編集

シングルス: 1回 (1勝0敗)

編集
大会グレード
グランドスラム (0–0)
ティア I (0–0)
ティア II (0–0)
ティア III (0–0)
ティア IV & V (1–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2006年10月8日   タシケント ハード   イロダ・ツルヤガノワ 6–2, 6–4

ダブルス: 22回 (12勝10敗)

編集
大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
オリンピック (1-0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–1) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (1-1) プレミア (0–0)
ティア III (6-4) インターナショナル (0–1)
ティア IV & V (4-3)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2003年6月14日   ウィーン クレー   李婷   晏紫
  鄭潔
6–3, 6–4
準優勝 1. 2003年10月12日   タシケント ハード   李婷   ユリア・ベイゲルジマー
  タチアナ・ポウチェク
3–6, 6–7(0)
優勝 2. 2003年11月2日   ケベックシティ ハード(室内)   李婷   エルス・カレンズ
  メイレン・ツー
6–3, 6–3
優勝 3. 2003年11月9日   パタヤ ハード   李婷   ウィニー・プラクシャ
  アンジェリク・ウィジャヤ
6–4, 6–3
準優勝 2. 2004年2月22日   ハイデラバード ハード   李婷   リーゼル・フーバー
  サニア・ミルザ
6–7(1), 4–6
優勝 4. 2004年8月22日   アテネ五輪 ハード   李婷   コンチタ・マルティネス
  ビルヒニア・ルアノ・パスクアル
6–3, 6–3
優勝 5. 2004年10月3日   広州 ハード   李婷   楊舒静
  于瑩
6–4, 6–1
準優勝 3. 2005年2月12日   ハイデラバード ハード   李婷   晏紫
  鄭潔
4–6, 1–6
優勝 6. 2005年5月1日   エストリル クレー   李婷   ミハエラ・クライチェク
  ヘンリエッタ・ナギョワ
6–3, 6–1
優勝 7. 2006年2月12日   パタヤ ハード   李婷   晏紫
  鄭潔
3–6, 6–1, 7–6(5)
準優勝 4. 2006年3月4日   ドーハ ハード   李婷   ダニエラ・ハンチュコバ
  杉山愛
4–6, 3–6
優勝 8. 2006年5月7日   エストリル クレー   李婷   ヒセラ・ドゥルコ
  マリア・サンチェス・ロレンツォ
6–2, 6–2
優勝 9. 2006年10月1日   広州 ハード   李婷   バニア・キング
  エレナ・コスタニッチ
6–4, 2–6, 7–5
準優勝 5. 2007年4月15日   チャールストン ハード   彭帥   晏紫
  鄭潔
5–7, 0–6
準優勝 6. 2007年5月26日   ストラスブール クレー   アリシア・モリク   晏紫
  鄭潔
3–6, 4–6
準優勝 7. 2007年6月17日   バーミンガム   メイレン・ツー   詹詠然
  荘佳容
6-7(3), 3-6
準優勝 8. 2007年10月19日   広州 ハード   バニア・キング   彭帥
  晏紫
3–6, 4–6
優勝 10. 2007年10月7日   東京 ハード   晏紫   荘佳容
  バニア・キング
1–6, 6–2, [10–6]
優勝 11. 2007年10月14日   バンコク ハード   晏紫   森田あゆみ
  波形純理
不戦勝
優勝 12. 2008年3月9日   バンガロール ハード   彭帥   詹詠然
  荘佳容
6–4 5–7, [10–8]
準優勝 9. 2008年9月21日   広州 ハード   晏紫   マリヤ・コリツェワ
  タチアナ・ポウチェク
4–6, 6–4, [8–10]
準優勝 10. 2009年9月20日   広州 ハード   クルム伊達公子   オリガ・ゴボツォワ
  タチアナ・ポウチェク
6–3, 2–6, [8–10]

4大大会シングルス成績

編集
略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2003 2004 2005 2006 2007 2008 通算成績
全豪オープン A LQ LQ 1R 1R A 0–2
全仏オープン A A LQ 2R 1R A 1–2
ウィンブルドン A 2R A 2R 1R LQ 2–3
全米オープン 1R A 2R 1R LQ A 1–3

脚注

編集

外部リンク

編集