大相撲平成26年11月場所(おおずもうへいせい26ねん11がつばしょ)は、2014年11月9日から11月23日までまでの15日間、福岡国際センターで開催された大相撲本場所である。

大相撲平成26年11月場所
福岡国際センター
基本情報
会場 福岡国際センター
番付発表 2014年10月27日[1]
開催期間 2014年11月9日 - 11月23日(15日間)
各段優勝・三賞
幕内最高優勝 白鵬翔(14勝1敗)
十両優勝 時天空慶晃(12勝3敗)
幕下優勝 肥後嵐悠太(7戦全勝)
三段目優勝 篠原開(7戦全勝)
序二段優勝 竜電剛至(7戦全勝)
序ノ口優勝 佐藤貴信(7戦全勝)
殊勲賞 髙安晃(2回目)
敢闘賞 栃ノ心剛(4回目)
旭天鵬勝(7回目)
技能賞 該当者なし
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幕内最高優勝は、横綱白鵬翔(14勝1敗・4場所連続32回目)。

場所前の話題など

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前場所で31度目の幕内最高優勝を果たした横綱白鵬は、この場所で優勝すれば大鵬の持つ最多記録に並ぶ32回目の幕内最高優勝となるため、白鵬が大鵬の記録に肩を並べられるのか注目された[1]

新三役の逸ノ城は、幕下15枚目格付出での初土俵から6場所目で関脇に昇進した[2]。所要5場所での三役昇進は史上最速で、新入幕翌場所での関脇昇進は史上初の記録だった[2]。逸ノ城は場所前に行われた秋巡業中、「どこに行っても周りは黒山の人だかりで、食事もろくにできない状況」だったという[3]

番付・星取表

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幕内

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
幕内最高優勝 14勝1敗 白鵬 横綱 鶴竜 12勝3敗
11勝4敗 日馬富士 横綱
6勝9敗 琴奨菊 大関 稀勢の里 11勝4敗
大関 豪栄道 5勝10敗
新関脇 8勝7敗 碧山 関脇 逸ノ城 8勝7敗 新関脇
2勝13敗 豪風 小結 6勝9敗 新小結
8勝7敗 栃煌山 前頭1 安美錦 6勝9敗
8勝7敗 宝富士 前頭2 豊響 5勝10敗
殊勲賞 10勝5敗 髙安 前頭3 照ノ富士 8勝7敗
7勝8敗 魁聖 前頭4 嘉風 4勝8敗3休
6勝9敗 千代鳳 前頭5 大砂嵐 4勝6敗5休
8勝7敗 豊ノ島 前頭6 常幸龍 8勝7敗
8勝7敗 隠岐の海 前頭7 佐田の海 7勝8敗
再入幕
敢闘賞
11勝4敗 栃ノ心 前頭8 遠藤 10勝5敗
9勝6敗 千代大龍 前頭9 德勝龍 4勝11敗 再入幕
7勝8敗 松鳳山 前頭10 玉鷲 8勝7敗
9勝6敗 妙義龍 前頭11 旭天鵬 10勝5敗 敢闘賞
3勝12敗 北太樹 前頭12 誉富士 8勝7敗 再入幕
3勝12敗 貴ノ岩 前頭13 荒鷲 8勝7敗
新入幕 5勝10敗 阿夢露 前頭14 蒼国来 9勝6敗
3勝12敗 栃乃若 前頭15 旭秀鵬 9勝6敗
再入幕 8勝7敗 琴勇輝 前頭16 千代丸 8勝7敗

十両

東方 番付 西方
備考 成績 力士名 力士名 成績 備考
12勝3敗 時天空 十両1 鏡桜 9勝6敗
10勝5敗 佐田の富士 十両2 千代皇 3勝5敗7休
5勝10敗 里山 十両3 青狼 4勝11敗
7勝8敗 翔天狼 十両4 双大竜 4勝11敗
9勝6敗 土佐豊 十両5 臥牙丸 8勝7敗
8勝7敗 旭日松 十両6 若の里 9勝6敗
7勝8敗 富士東 十両7 朝赤龍 9勝6敗
9勝6敗 大道 十両8 玉飛鳥 8勝7敗
9勝6敗 北磻磨 十両9 豊真将 0勝1敗14休
6勝9敗 東龍 十両10 德真鵬 6勝9敗
新十両 7勝5敗3休 英乃海 十両11 大栄翔 6勝9敗
新十両 5勝10敗 琴恵光 十両12 6勝9敗
再十両 10勝5敗 天鎧鵬 十両13 栃飛龍 7勝8敗 再十両
新十両 5勝8敗2休 出羽疾風 十両14 10勝5敗 新十両

赤文字は優勝力士の成績。

優勝争い

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中日終了時点で全勝は鶴竜のみ[4]。1敗で白鵬、稀勢の里、旭天鵬の3人が追いかける展開となった後半戦に突入した[4]

9日目は全勝・1敗の4人は揃って白星[5][6]

10日目、全勝鶴竜と1敗白鵬は勝利したが、旭天鵬と稀勢の里は敗れて2敗に後退した[7]。鶴竜を追う1敗勢は白鵬だけになった[7]

11日目、全勝の鶴竜は2敗の稀勢の里に敗れて1敗に後退[8]。白鵬は1敗を守った[8]。これにより、両横綱が1敗で並走して2敗で稀勢の里と栃ノ心が追いかける展開に変わった[8]

12日目、1敗の白鵬と2敗の稀勢の里が対戦して白鵬が勝利[9]。1敗鶴竜と2敗栃ノ心も勝利した。

13日目、2敗栃ノ心は逸ノ城に敗れて3敗に後退[10]。1敗鶴竜も日馬富士に敗れて2敗に後退し、1敗を守った白鵬が単独で優勝争いの先頭に立った[10]

14日目、1敗白鵬と2敗鶴竜は揃って勝利し、千秋楽は両横綱の直接対決が組まれた[11]。白鵬は勝てば優勝決定、鶴竜は勝てば優勝決定戦に持ち込める逆転のチャンスであったが、白鵬が勝利して4場所連続32度目の幕内最高優勝を果たした[12]

トピック

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三賞は、白鵬・日馬富士の2横綱から金星を獲得した髙安が殊勲賞を獲得[13]。再入幕で2桁白星を挙げた栃ノ心は無条件で敢闘賞の受賞が決定[13]。昭和以降幕内では最年長となる40歳2か月で勝ち越しを果たした旭天鵬は、千秋楽の取組に勝った場合との条件付きで敢闘賞受賞と発表され[14]、旭天鵬は千秋楽の取組に勝ったため敢闘賞を受賞した[13]。40歳での三賞受賞は史上最年長記録である[13]。技能賞は該当者がいなかった[13]

3日目、横綱日馬富士は髙安戦で勇み足をしたため敗北し、金星を配給した[15]。横綱が勇み足で負けるのは1996年5月場所8日目の(対戦相手は関脇貴闘力)以来だが、平幕力士相手に勇み足をし金星を配給した事例は、1972年3月場所7日目の北の富士(対戦相手は貴ノ花)以来、42年ぶり4例目だった[15]

6日目、横綱白鵬は髙安に敗れて金星を配給した[16]。白鵬は対平幕戦連勝記録が史上1位の82まで伸びていたが、この敗北によりストップ[16]。中日勝ち越しの連続記録も史上1位となっていたが10場所で止まった[16]

中日、白鵬の8年連続8回目の年間最多勝が決定[4]。白鵬は最終的に81勝まで星を伸ばした[17]

40歳2か月の旭天鵬は、1935年5月場所能代潟の記録を抜く、昭和以降最年長での幕内の勝ち越しを9日目に決めた[6]

琴奨菊、豪栄道の両大関は15日間皆勤して負け越した[18]。複数の大関が皆勤負け越しとなるのは2000年7月場所雅山武双山以来14年ぶり[18]。2人とも次の場所は角番になる[18]

脚注

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  1. ^ a b 逸ノ城、最速の新関脇 碧山も関脇、勢は小結」『スポーツニッポン』2014年10月27日。2021年12月5日閲覧。
  2. ^ a b 逸ノ城 新入幕から最速新三役に「まだ夢の中にいるよう」」『スポーツニッポン』2014年10月27日。2021年12月5日閲覧。
  3. ^ 「平成26年九州場所レビュー」『相撲』2014年12月号、ベースボール・マガジン社、54頁。 
  4. ^ a b c 鶴竜が全勝ターン 白鵬は年間最多勝確定」『スポーツニッポン』2014年11月16日。2021年12月5日閲覧。
  5. ^ 鶴竜、ただ一人9戦全勝 白鵬、稀勢ら1敗追走」『スポーツニッポン』2014年11月17日。2021年12月5日閲覧。
  6. ^ a b 旭天鵬 最年長の給金直し「たまたまだろ」」『スポーツニッポン』2014年11月17日。2021年12月5日閲覧。
  7. ^ a b 鶴竜、初の無傷10連勝も昇進後初Vへ慎重「まだまだこれから」」『スポーツニッポン』2014年11月19日。2021年12月5日閲覧。
  8. ^ a b c 鶴竜 初黒星喫し白鵬と並ぶ、1差で稀勢と栃ノ心 逸ノ城は6勝目」『スポーツニッポン』2014年11月19日。2021年12月5日閲覧。
  9. ^ 白鵬と鶴竜、譲らず1敗で首位守る 稀勢3敗目、豪栄かど番へ」『スポーツニッポン』2014年11月20日。2021年12月5日閲覧。
  10. ^ a b 白鵬1敗守り22日にも32度目V 鶴竜は2敗目喫す」『スポーツニッポン』2014年11月21日。2021年12月5日閲覧。
  11. ^ 白鵬、1敗キープで大鵬に並ぶ歴代最多32回目のVに王手」『スポーツニッポン』2014年11月22日。2021年12月5日閲覧。
  12. ^ 白鵬、大鵬に並ぶ大記録達成!歴代最多32回目の優勝決めた」『スポーツニッポン』2014年11月23日。2021年12月5日閲覧。
  13. ^ a b c d e 旭天鵬、敢闘で最年長三賞 高安が殊勲、栃心も敢闘」『スポーツニッポン』2014年11月23日。2021年12月5日閲覧。
  14. ^ 2横綱撃破の高安が殊勲賞、敢闘賞は再入幕の栃ノ心」『スポーツニッポン』2014年11月23日。2021年12月5日閲覧。
  15. ^ a b 42年ぶり珍事「勇み足」協会も認定戸惑う」『日刊スポーツ』2014年11月12日。2021年12月5日閲覧。
  16. ^ a b c 白鵬、668日ぶり金星配給 平幕連勝記録も82でストップ」『スポーツニッポン』2014年11月15日。2021年12月5日閲覧。
  17. ^ 年間最多勝の照ノ富士は77勝 70勝超えは2014年の白鵬以来」『サンケイスポーツ』2021年11月28日。2021年12月5日閲覧。
  18. ^ a b c 「琴奨菊、豪栄道と皆勤2大関が負け越し」『相撲』2014年12月号、ベースボール・マガジン社、77頁。