多賀山地
阿武隈高地の南部にある丘陵
多賀山地(たがさんち)とは、茨城県北東部に広がる阿武隈高地の南部の名称である。
多賀山地 | |
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高鈴山(2016年2月撮影) | |
所在地 | 日本 茨城県 |
位置 | |
上位山系 | 阿武隈高地 |
最高峰 | 栄蔵室(881.6 m) |
延長 | 50 km |
幅 | 30 km |
プロジェクト 山 |
概要
編集阿武隈高地の南部に位置し、平均標高約300mの低山性山地(丘陵)である。南北に細長く伸びており、北に行くほど標高が高くなる。
地形・地質
編集多賀山地の標高の平均は約300mで、山稜を連ねるときは波状の平坦な面となり、高原状の地形となっている。この平坦面は、浸食作用の結果生じた準平原である。地質は、この多賀山地は、花崗岩類、片磨岩類、結晶片岩類及び秩父古生層などから成り、最近、日本最古と推定される岩石が発見された。その東西両側は、第三紀層や第四紀層が分布している。
気候
編集多賀山地は太平洋側気候に位置するため、夏は雨が多く、冬は晴れた日が多い。そのため、積雪することはまれである。
植生
編集温暖帯に属する多賀山地では、常緑広葉樹林と暖帯落葉樹林が混合している。山地の東面・南面ではヤブツバキ、シロダモ、ヒサカキ、ベニシダ、ヤブコウジなどが、北面では、イヌシデ、クリ、イロハモミジ、ケヤキ、モミなどが生育している。また、高鈴山、神峰山付近では、ヤシャブシ、リョウブ、オオバヤシャブシなどが見られ、多くの植物が生育している。
動物
編集市街地と後背地の山稜と人為的影響を受けて、本州中部の平均的動物相となっている。動物地理分布では、暖帯性動物群と温帯性動物群の漸移地帯に位置し、両者の動物相が混交しているのが特に昆虫などにみられる。
川
編集- 大沼川
- 金沢川
- 大川
- 桜川
- 鮎川
- 宮田川系
- 宮田川(本流)
- 数沢川
- 北川
- 東連津川
- 折笠川
- 十王川
- 小石川
- 花貫川
- 関根川
- 塩田川
- 沢尻川
- 大北川系
- 江戸上川
- 里根川
属する主な山
編集標高順に記載する。
山の名称 | 標高 |
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栄蔵室 | 881.6m |
和尚山 | 804.0m |
花園山 | 798m |
竪破山 | 658m |
高鈴山 | 623.3m |
神峰山 | 598m |
土岳 | 559.7m |
鷹巣山 | 559.4m |
御岩山 | 515m |
高帽山 | 431m |
大室山 | 427m |
羽黒山 | 490.8m |
横根山 | 389.4m |
石尊山 | 386.3m |
大白峰 | 360m |
四ツ峰 | 311m |
真弓山 | 279.8m |
風神山 | 241.9m |
自然公園
編集- 風神山自然公園
- 高鈴県立自然公園
山地を通る建造物
編集道路
編集- 常磐自動車道(ほぼ南北に縦断)
- 茨城県道36号日立山方線(多賀山地中部を横断)
- 茨城県道37号日立常陸太田線(多賀山地中部を横断)
- 茨城県道61号日立笠間線(現在は車通行不可能。バイパス完成後は多賀山地南部を横断)
娯楽施設
編集団地
編集- みかの原団地
- 台原団地
- 金沢団地
- 塙山団地
- 中丸団地
- 諏訪団地
- 成沢団地
- 高鈴団地
- 田尻団地
工場・採石場
編集その他
編集- 諏訪梅林
- 諏訪の水穴
- 大久保の風穴
関連項目
編集外部リンク
編集- 日立アルプスの紹介(多賀山地を日立アルプスと命名) - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
- 環境いばらき・高鈴県立自然公園