地蔵寺古墳
地蔵寺古墳(じぞうじこふん)は、兵庫県加古川市平荘町池尻にある古墳。形状は円墳と推定される。史跡指定はされていない。
地蔵寺古墳 | |
---|---|
石室開口部 | |
所在地 |
兵庫県加古川市平荘町池尻 (地蔵寺境内) |
位置 | 北緯34度47分24.10秒 東経134度51分40.35秒 / 北緯34.7900278度 東経134.8612083度座標: 北緯34度47分24.10秒 東経134度51分40.35秒 / 北緯34.7900278度 東経134.8612083度 |
形状 | (推定)円墳 |
規模 | 直径20m |
埋葬施設 | 両袖式横穴式石室 |
築造時期 | 7世紀後半 |
史跡 | なし |
地図 |
概要
編集兵庫県南部、加古川下流域西岸の地蔵寺山の南麓(標高15メートル)に築造された単独古墳である。墳丘上には地蔵寺の関連建物が所在しており、墳丘の旧状は損なわれている[1]。
墳形は円形と推定され、直径20メートル程度と見積もられる[1]。埋葬施設は両袖式の横穴式石室で、南南東方向に開口する。竜山石の切石を用いた整美な石室であり、奥壁・天井石には巨石が使用され、側壁は不定形の石の組み合わせによって構築される。石室内の副葬品は詳らかでない。築造時期は古墳時代終末期の7世紀後半頃と推定される[1]。
なお、地蔵寺境内には中世に竜山石製石棺を転用した石棺石仏2基が遺存している。使用古墳は不明であるが、1基は石棺→板碑→石仏と転用の変遷が認められており、加古川市指定有形文化財に指定されている[2]。
埋葬施設
編集埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されており、南南東方向に開口する。石室の規模は次の通り[1]。
- 石室全長:現存6.15メートル
- 玄室:長さ3.62-3.68メートル、幅1.785-1.925メートル、高さ約1.90メートル
- 羨道:不明
羨道部は破壊され、後世の積み直しが認められるため、石室の全体像は明らかでない。石室の石材は竜山石の切石。玄室は平面長方形で、長さ対幅は2対1である(唐尺の12尺対6尺か)。奥壁はほぼ垂直に立ち上がり、天井近くまで巨石1石で、その上に小石を積む。側壁は不定形な石の組み合わせによって構築されており、東側壁は3段、西側壁は2段積みである。石の表面にはノミの加工痕が認められるが、石の隙間では認められないことから、積み上げたのちに加工したと推測される。床面には直径10センチメートルの円礫が敷かれるが、築造当時のものかは明らかでない。天井石は2石で、最奥以外は巨石1枚とする[1]。
現在は石室内に小石仏が祀られる。
-
石室俯瞰図
-
玄室(奥壁方向)
-
玄室(羨道方向)
-
羨道(開口部方向)
-
羨道(玄室方向)
-
地蔵寺境内の石棺仏(参考画像)
右の石棺仏は加古川市指定有形文化財。
脚注
編集- ^ a b c d e 地蔵寺古墳(加古川市史 第4巻 史料編I) 1996.
- ^ 地蔵寺の大日種子板碑(加古川市教育委員会)。
参考文献
編集外部リンク
編集- ウィキメディア・コモンズには、地蔵寺古墳に関するカテゴリがあります。