名港潮見インターチェンジ
名港潮見インターチェンジ(めいこうしおみインターチェンジ)は、愛知県名古屋市港区にある、伊勢湾岸自動車道・伊勢湾岸道路(国道302号有料道路区間)のインターチェンジである。
名港潮見インターチェンジ | |
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![]() インターは名古屋市道潮見町第1号線(臨港道路)と直結。
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所属路線 |
E1A 伊勢湾岸自動車道![]() |
IC番号 | 8 |
料金所番号 | 01-250 |
本線標識の表記 | 名港潮見 |
起点からの距離 | 32.4 km(豊田東JCT起点) |
(2.4 km) 名港中央IC► | |
接続する一般道 | 愛知県道225号名古屋東港線[注釈 1] |
供用開始日 | 1998年(平成10年)3月30日 |
通行台数 | x台/日 |
所在地 |
〒455-0028 愛知県名古屋市港区潮見町37-56 |
概要
編集名古屋港潮見ふ頭に設けられたインターチェンジである[1]。名港トリトンと称される3大斜張橋の内、名港中央大橋と名港東大橋の結節点に位置する。インター形式はトランペット型で[2]、双方向式のフルインターチェンジ(豊田、四日市方面の双方向へアクセス可)である[3]。計画段階では9号地インターチェンジと仮称されていた[4]。
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インターは8の字型を構成。フルセットタイプである。
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複雑に入り組むランプウェイ。
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上り線出口付近。名港中央大橋と名港東大橋の結節点に当該ICを配置する。
歴史
編集画像:『国土交通省「国土画像情報(カラー空中写真)」(配布元:国土地理院地図・空中写真閲覧サービス)』、企業位置の典拠:『第26回 技術報告会資料 道路編』昭和52年7月、建設省中部地方建設局、79頁、『名古屋港要覧2016』名古屋港管理組合(画像は2007年だが企業位置は2016年の資料によった)。
名古屋環状2号線の専用部(自動車専用道路)設置が検討された1965年頃は9号地インターの計画はなく、名古屋港エリアとしては東海ICと金城IC(現・名港中央IC)、西2区IC(現・飛島IC)が計画されるのみであった[5]。この状況は1970年に至っても変わらなかったが[6]、1973年度の建設省(現・国土交通省)における名古屋港横断道路の大規模特殊調査が開始されて以降は9号地ICの設置が検討された[7]。
当初案は名港中央大橋と名港東大橋が吊り橋式であったことから、その間に挟まれる9号地ICはハーフインターチェンジとされた[8](のちに東大橋は斜張橋式に変更されたが中央大橋は吊り橋案が継続された)。しかし、ハーフインターチェンジでは9号地アクセスの利便性が損なわれることから双方向アクセス化が望まれ、さらには建設コストが高い吊り橋方式は有料道路事業における採算性に難点があること[9]、および吊り橋に必要なアンカレイジを支える強固な地盤が9号地にはないことが問題化した[8]。このため、内港航路(現・北航路)を移動のうえ橋長を短縮、併せて斜張橋式に変更することで、9号地ICも双方向式に転換することとした[10][3]。なお、計画時点のインターは現構造よりもシンプルで、本線直下をループして臨港道路の東側に取り付く構造で[11]、豊田方面への入口と同方面からの出口のみ設置、四日市方面とはアクセス不可であった[12]。この当初案は防災面でも問題があるとされ、構造変更を後押しする要因の一つとなった[9]。
潮見ふ頭(旧称・9号地[13])は石油工場、モータープール、油脂工場、火力発電所等が所在する工業地帯であり、この地にインターを設置するにあたっては地元施設として整備することになり、建設費用については愛知県と名古屋市が負担した[1]。特に当該ICは民間企業が稼働中の場所に設置されることになったため、企業の移転が必要とされた[1]。これについては国、県と立地企業4社で交渉の結果、出光興産が名古屋港の南四区(現・南浜ふ頭[13])へ移転のうえ、その跡地にリノール油脂(現・日清オイリオグループ)、藤木海運(現・フジトランスコーポレーション)に代替地として提供することで合意を見ている[14]。その後、石油貯蔵施設の移設工事に2年の歳月を要し[15]、1990年3月に出光興産の土地を取得してインター整備を行った[16]。なお、インターの施工主体は日本道路公団ではなく、名古屋港管理組合である[17]。
年表
編集周辺
編集- 新名古屋火力発電所
- 名古屋港ワイルドフラワーガーデン ブルーボネット
- 日産自動車 中部サービスセンター・東海部品センター
- 名古屋市営バス 名港潮見インター停留所
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名港潮見インター停留所。奥はインターのランプ。
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インター付近はモータープールや自動車輸送船、穀物運搬船の桟橋がある。
接続する道路
編集- 直接接続
- 間接接続
料金所
編集レーン運用は、時間帯やメンテナンスなどの事情によって変更される場合がある[25]。
入口
編集- レーン数:2[25]
- ETC専用:1
- ETC/一般:1
出口
編集- レーン数:2[25]
- ETC専用:1
- 一般:1
隣
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 名古屋市道潮見町第1号線を介して間接接続する。
出典
編集- ^ a b c 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, pp. 340–344.
- ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 7.
- ^ a b c “名古屋高速1号 2.8キロをトンネル化 都市計画変更の知事案を発表 場所により幅員拡大 伊勢湾岸道路”. 中日新聞朝刊: p. 18. (1991年4月27日)
- ^ 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 342.
- ^ 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会 1967, pp. 25–26.
- ^ 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会 1970, pp. 2–3.
- ^ 山本邦夫・久賀英男・和田実 1974, pp. 25–26.
- ^ a b 建設省中部地方建設局 名四国道工事事務所 1989, p. 301.
- ^ a b 松本章 1985, p. 57.
- ^ 建設省中部地方建設局 名四国道工事事務所 1989, p. 385.
- ^ a b 『愛知県公報』第404号、愛知県告示第785号、1991年8月28日、831頁。関係図書は現在も愛知県庁(都市計画課)にて閲覧可。
- ^ 建設省中部地方建設局 1987, p. 418.
- ^ a b 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 335.
- ^ a b “伊勢湾岸道用地 名港9号地の交渉大筋合意 中央・東大橋の結節点”. 中日新聞朝刊: p. 1. (1987年6月16日)
- ^ 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 343.
- ^ a b 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 318.
- ^ 伊勢湾岸道路編集委員会 1998, p. 21.
- ^ “名港中央・東大橋に事業許可 72年度開通目指す”. 中日新聞朝刊: p. 1. (1987年11月21日)
- ^ “伊勢湾岸道が着工”. 中日新聞夕刊: p. 1. (1990年4月4日)
- ^ 名古屋港開港90周年記念事業実行委員会 1997, p. 247.
- ^ “「名港トリトン」が直結 名古屋南-飛島 開通パレード”. 朝日新聞(名古屋)夕刊. (1998年3月30日)
- ^ 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, p. 114.
- ^ 名古屋港開港百年史編さん委員会 2008, pp. 318–319.
- ^ 山田隆昭 1998, p. 63.
- ^ a b c “料金所ナビまっぷ 伊勢湾岸道” (PDF). NEXCO中日本. 2016年1月17日閲覧。
参考文献
編集- 『技術報告会資料』は愛知県図書館で閲覧可(閉架)
- 山本邦夫・久賀英男・和田実「伊勢湾岸道路計画について」『第23回 技術報告会資料 道路編』、建設省中部地方建設局、1974年8月、25-39頁。
- 松本章「名港中央大橋桁下空間の変更について」『第34回 技術報告会資料 道路編』、建設省中部地方建設局、1985年8月、57-64頁。
- 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会による以下の3資料は3冊を1冊にまとめた合冊製本である(愛知県図書館蔵)。
- 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし』1967年。
- 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし 昭和44年6月』1969年。
- 名古屋環状二号線整備促進期成同盟委員会『名古屋環状2号線のあらまし 昭和45年5月』1970年。
- 『伊勢湾岸道路工事誌』・『伊勢湾岸道路写真集』は三重県立図書館、飛島村図書館で閲覧可
- 伊勢湾岸道路編集委員会『伊勢湾岸道路工事誌』日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所、1998年3月。
- 伊勢湾岸道路編集委員会(写真集)『伊勢湾岸道路写真集』日本道路公団名古屋建設局 伊勢湾岸道路工事事務所、1998年3月。
- 建設省中部地方建設局 名四国道工事事務所『三十年のあゆみ』名四国道工事事務所、1989年10月。
- 建設省中部地方建設局『35年のあゆみ』名古屋国道工事事務所、1987年12月。
- 名港西大橋編集委員会『名港西大橋工事誌』日本道路公団名古屋建設局、1986年。
- 名港西大橋編集委員会(写真集)『名港西大橋写真集』日本道路公団名古屋建設局、1985年。
- 名古屋港開港90周年記念事業実行委員会『名古屋港90年のあゆみ』名古屋港管理組合、1997年11月10日。
- 名古屋港開港百年史編さん委員会『名古屋港開港100年史』名古屋港管理組合、2008年3月。
- 名古屋港管理組合三十年史編集会議『名古屋港管理組合三十年史』名古屋港管理組合、1984年。
- 山田隆昭「JH名古屋建設局の事業トピックス 名港三大橋のネーミング(名港トリトン)など」『高速道路と自動車』第41巻第7号、公益財団法人高速道路調査会、1998年7月1日、60-63頁。
関連項目
編集外部リンク
編集- ウィキメディア・コモンズには、名港潮見インターチェンジに関するカテゴリがあります。