加藤和宏 (NAR)
加藤 和宏(かとう かずひろ、1953年11月13日 - )は、群馬県出身の元騎手(地方・高崎所属)、現調教師(地方・高崎→金沢所属)。
加藤和宏 | |
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基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 群馬県 |
生年月日 | 1953年11月13日(71歳) |
騎手情報 | |
所属団体 | 高崎競馬場 |
初免許年 | 1970年4月19日 |
免許区分 | 平地 |
騎手引退日 | 2000年3月26日 |
通算勝利 | 16000戦2910勝 |
経歴 | |
所属 | 澁谷武久(高崎) |
経歴
編集父・四郎が高崎の調教師であったため、生まれた時から馬が側におり、先に4つ年上の兄・光司が騎手になったことから、自身も自然と騎手になった[1]。
1970年4月19日の高崎第1競走・マリモジユニヤーで初騎乗初勝利を記録するが[2] 、兄が同馬を回してくれた[1]。デビュー当時の競馬場の周囲にはほとんど何も無く、高崎駅の東口からスタンドがよく見えた[1]。
その後は乗り鞍に恵まれず、兄に負けたくないという気持ちから来る焦りで思うように勝てなくなってしまうが、5~6年が経つと、「レースでは馬が頑張ってくれるんだ、自分が躍起になるほどうまくいかない、頑張ってくれている馬を上手に“誘導”してやればいいんだ」と思うようになり、勝てるようになる[1]。
勝てるようになると、今度は周囲のマークがきつくなり、スタートが上手い方ではなかった加藤は先輩騎手から包まれたり前を塞がれたりされたが、その時は慌てずに外に出していくようにした[1]。
1987年の水沢・ダービーグランプリ[3]からはカツノコバンと当時地方馬が出走できる全ての全国交流(招待制)レースを行脚し、全国の猛者相手に互角のポテンシャルを発揮[4]させた。
1988年には大井の帝王賞で11番人気ながらイナリワンや中央勢4頭を抑えて他地区勢最先着となる6着[5]、中央・新潟の芝で行われたオールカマーでは15頭中15番人気ながらスズパレード・ランニングフリーに次ぐと同時にマックスビューティ・マティリアルを抑えての5着[6]、笠松の全日本サラブレッドカップではフェートノーザン・イナリワンに次ぐ4着[7]と健闘。
1988年にはアーテイシヤーク、1989年にはレツドセイリユウ、1990年にはカツノイットーで三才優駿を3連覇し、1993年にはビクトリーシーザーで同レース4勝目を挙げる[8]。
ビクトリーシーザーでは1994年に高崎皐月賞・高崎ダービーを制し[9]、中央との全国交流重賞になった群馬記念では地元最先着の5着[10]に入った。
1996年には高崎大賞典を2年前の勝ち馬で3年連続出走[11]のグランドツアラーで制し、自身はカツノコバンで1987年・1988年に連覇して以来の3勝目を挙げる[12]。
1997年には名古屋の東海菊花賞では12頭中11番人気のグランドツアラーに騎乗し、トーヨーシアトル・キョウトシチーに次ぐと同時に地方勢最先着の4着に入った[13] [14]。高崎大賞典ではケイシュウトライに騎乗し[1]、4年連続出走[11]となったグランドツアラーの連覇を阻み、自身が連覇を達成[12]。
1998年にはリキアイフルパワーで宇都宮記念をブライアンズロマンの3着とし、初出走の高崎大賞典では人気に応えて見事に優勝[15] [16]。1999年は初戦の天馬特別でブライアンズロマンに初めて後塵浴びせたが、他馬を進路妨害してしまい痛恨の9着降着[17] [16]。中央遠征の日経賞ではセイウンスカイ、ステイゴールドなど重賞勝ち馬相手に6着と健闘し、大いに称賛された[16]。この後から脚部不安が顕著になり、常に脚元と相談のレースが続くことになるが、高崎大賞典では2着以下を大きく引き離してレコードでの連覇を達成[18] [16]。自身は4連覇、同レース6勝目となった[1] [12]。
中央では11度騎乗しているが、その内の2鞍で同姓同名の加藤和宏(JRA)と同時に騎乗し、2鞍共にJRAの加藤が先着している[19]。前述の日経賞では、同一競走かつ重賞競走で2人の「加藤和宏」が騎乗するという非常に珍しい記録となったため、一部の競馬専門誌の騎手欄ではJRAの加藤和宏を「加藤和」、NARの加藤和宏を「加藤宏」と表記して対応した。
2000年3月21日には高崎第1競走C4普通・インペリアルクロス[20]が最後の勝利[21]、同26日の開設記念・ケーオーボーイ(11頭中7着)が最後の騎乗[22]となり[2]、同年限りで現役を引退[2]。
引退後は厩舎を開業し、2000年5月4日の高崎第5競走4歳普通・クリエイティブ(8頭中6着)[23]で初出走、同馬を出走させた7月1日の高崎第3競走[24]で初勝利を挙げた[25]。
開業1年目は11勝[26]、2年目の2001年は12勝[27]、3年目の2002年は13勝[28]をマークするが、その後は11勝[29]→10勝[30]に終わる。
2004年の廃止に伴い、2005年からは金沢へ移籍[31]。
2006年12月25日の金沢第5競走C4 3・テンザンイカヅチ[32]で100勝、2020年12月17日の金沢第7競走冬なのに‥虫むしフェスタ賞・モズフォーナイン[33]で500勝を達成[34]。
近年は勝ち星を多く量産し、2023年には自身初となる金沢のリーディングトレーナーを獲得[31]。
2024年8月11日には金沢第11競走かがやく美味しさ加賀野菜賞・タイクーンで通算900勝に到達したが、同日は同レースを含む4勝の固め打ちで一気に勝ち星を量産しての達成となった[31]。
通算成績
編集- 16000戦2910勝 勝率18.2%、連対率33.1%
- 主な騎乗馬
- アーテイシヤーク(1988年三才優駿)
- レツドセイリユウ(1989年三才優駿)
- カツノイットー(1990年三才優駿)
- ビクトリーシーザー(1993年三才優駿、1994年高崎皐月賞・高崎ダービー)
- グランドツアラー(1996年高崎大賞典)
- ケイシュウトライ(1997年高崎大賞典)
- リキアイフルパワー(1998年, 1999年高崎大賞典)
主な管理馬
編集- エムザックライアン(2007年兼六園ジュニアカップ)
- ビッグドン(2007年白山大賞典、2010年金沢スプリングカップ)
- キヌガサダイヤ(2008年金沢ヤングチャンピオン)
- タートルベイ(2010年北國王冠・中日杯)
- サノサマー(2020年利家盃)
- ノブノビスケッツ(2022年兼六園ジュニアカップ、2023年北日本新聞杯・MRO金賞)
脚注
編集出典
編集- ^ a b c d e f g “矢野吉彦のあの地方競馬場はいま|web Furlong”. www.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c “加藤和宏騎手の出走予定・成績まとめ|地方競馬ならオッズパーク競馬”. oddspark.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “9R ダービーGP|1987年11月22日(日) 10回 水沢 5日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “思い出の名馬 カツノコバン”. 2004年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月29日閲覧。
- ^ “10R 帝王賞|1988年4月13日(水) 1回 大井 4日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “11R オールカマー|1988年9月18日(日) 3回 新潟 4日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “10R 全日本サラブレッドC|1988年11月23日(水) 14回 笠松 4日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “二歳優駿 歴代優勝馬”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “全競走成績|競走成績|ビクトリーシーザー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “9R 群馬記念|1995年5月5日(金) 2回 高崎 6日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月28日閲覧。
- ^ a b “全競走成績|競走成績|グランドツアラー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c “高崎大賞典 歴代優勝馬”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “9R 東海菊花賞(中央交流)|1997年11月3日(月) 17回 名古屋 6日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月30日閲覧。
- ^ “思い出の名馬 グランドツアラー”. 2004年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月30日閲覧。
- ^ “全競走成績|競走成績|リキアイフルパワー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c d “思い出の名馬 リキアイフルパワー”. 2004年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月29日閲覧。
- ^ “10R 天馬特別|1999年2月4日(木) 15回 宇都宮 6日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “9R 高崎大賞典|1999年12月31日(金) 13回 高崎 3日|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “調教師と騎手が同姓同名。タッグが早く見たい! 2月10日(土)の放送予定|中央競馬実況中継|競馬|ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “C4 普通 レース結果”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “加藤和宏 の成績 - 競馬データベース”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “加藤和宏の近走成績”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “4才 普通 レース結果”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “4才 普通 レース結果”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “加藤和宏|地方競馬ならオッズパーク競馬”. oddspark.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “2000高崎調教師リーディング”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “2001高崎調教師リーディング”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “2002高崎調教師リーディング”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “2003高崎調教師リーディング”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “2004高崎調教師リーディング”. www2.keiba.go.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ a b c “加藤和宏調教師、900勝到達!”. ameblo.jp. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “C43 レース結果”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “冬なのに・・虫むしフ レース結果”. netkeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
- ^ “調教師情報”. www.kanazawakeiba.com. 2024年8月29日閲覧。
外部リンク
編集- 騎手登録情報 - 地方競馬情報サイト