全日本相撲選手権大会(ぜんにほんすもうせんしゅけんたいかい)は、アマチュア相撲の日本一を決定する大会である。広く相撲実践の機会を与え、相撲技能の向上とアマチュアスポーツ精神の高揚をはかることを目的に、公益財団法人日本相撲連盟によって、例年12月上旬に開催される。会場は国技館(蔵前両国)だが、1984年度は蔵前国技館閉鎖・両国国技館開場の移行期だったため靖国神社で行われた。

大会の競技方法

編集

社会人、大学生、高校生を対象に当該年度のアマチュア相撲大会成績優秀選手の出場者を決定する。そして、予選3回戦を行い2勝者以上の選手によって優秀32選手を選出し、予選4回戦で成績優秀16選手を選出する。最後に優秀16選手による決勝トーナメント方式により、優勝者を決定する。

アマチュア横綱

編集

大会の優勝者には、天皇杯内閣総理大臣杯文部科学大臣杯、日本相撲連盟会長杯、NHK杯、選手権章、優勝メダルなどが授与されるとともに、日本相撲連盟からアマチュア横綱の称号が贈られる。

また、個人戦で準々決勝(ベスト8)まで勝ち抜いた選手は幕下最下位格付出、ベスト16まで勝ち抜いた選手は、三段目最下位格付出の資格を取得できる。

ただし、いずれの資格も該当する成績を修めた日から1年以内が期限とされる。

アマチュア横綱を得た主な大相撲力士

編集

大会成績

編集
回(年) 優勝 準優勝 3位
第1回(1952年 影山信雄 福岡県 坂元政美 福岡県 左官一郎 兵庫県 平聖一 兵庫県
第2回(1953年 江熊仁 福岡県 影山信雄 福岡県 川島卯太郎 日本医科大 福田芳郎 東農大
第3回(1954年 高須晃 東京都 井上孝 大阪府 日比野満二 兵庫県 北条巌 明大
第4回(1955年 平聖一 兵庫県 山口敏之 同志社大 高須晃 東京都 浅野初太郎 東京都
第5回(1956年 平聖一 兵庫県 日比野満二 兵庫県 北条巌 東京都 中川源一 大阪府
第6回(1957年 田畑外志雄 立命館大 平聖一 兵庫県 坂元政美 福岡県 大森茂雄 兵庫県
第7回(1958年 福田芳郎 大阪府 田畑外志雄 立命館大 浜野之 中大 大森茂雄 兵庫県
第8回(1959年 布目豊 東京都 大森茂雄 兵庫県 中尾三郎 東京都 坂元政美 福岡県
第9回(1960年 平聖一 兵庫県 石黒馨 東京都 坂元政美 福岡県 高岡邦汎 明大
第10回(1961年 平聖一 兵庫県 野見典展 和歌山県 高松卓司 熊本県 荒木孝 大阪府
第11回(1962年 大森茂雄 兵庫県 高見利彦 拓大 田中文三 東京都 今倉清保 福岡県
第12回(1963年 布目豊 東京都 野見典展 和歌山県 臼井陽昌 拓大 田畑外志雄 立命館大
第13回(1964年 布目豊 東京都 田畑外志雄 京都府 野見典展 和歌山県 横山之 兵庫県
第14回(1965年 野見典展 和歌山県 成田一成 東京都 田中文三 東京都 秋山修 山梨県
第15回(1966年 野見典展 和歌山県 堀口圭一 立教大 横山之 兵庫県 成田一成 東京都
第16回(1967年 野見典展 和歌山県 田中英寿 日大 横山啓一 東農大 岩本春樹 中京大
第17回(1968年 横山啓一 高知県 野見典展 和歌山県 臼井陽昌 神奈川県 村田甚之助 福岡県
第18回(1969年 田中英寿 東京都 長浜広光 東農大 平野照 長崎県 高瀬武治 中大
第19回(1970年 田中英寿 東京都 高見利彦 埼玉県 臼井陽昌 神奈川県 荒瀬英生 日大
第20回(1971年 舘岡儀秋 駒大 南野忠昭 和歌山県 田中英寿 東京都 上野一義 中大
第21回(1972年 堀口圭一 東京都 福田耕治 中大 臼井陽昌 神奈川県 竹内晋作 東京都
第22回(1973年 石川孝志 日大 田中英寿 東京都 平野照 長崎県 舘岡儀秋 東京都
第23回(1974年 田中英寿 東京都 松下宏 福岡県 尾形静雄 駒大 井手雅視 和歌山県
第24回(1975年 中山国久 高知県 小笠原武則 青森県 武田登 青森県 舘岡儀秋 東京都
第25回(1976年 長岡末弘 近大3年 福田耕治 兵庫県 武田登 青森県 高瀬武治 和歌山県
第26回(1977年 長岡末弘 近大4年 田中英寿 東京都 武田登 青森県 中山国久 東京都
第27回(1978年 小笠原武則 青森県 田中英寿 東京都 江橋弘一 専大 福田耕治 兵庫県
第28回(1979年 永岡栄一 宮崎県 舘岡儀秋 東京都 田中英寿 東京都 冨田忠典 日大
第29回(1980年 冨田忠典 和歌山県庁 安井和男 東農大 葛西二三彦 青森県 山崎幸一 近大
第30回(1981年 服部祐児 同志社大3年 関沢俊文 和歌山県 市ノ渡三四四 東農大4年 平舘秀伸 東京都
第31回(1982年 服部祐児 同志社大4年 平舘秀伸 東京都 冨田忠輝 和歌山県庁 山崎幸一 群馬県
第32回(1983年 久嶋啓太 新宮高3年 江口末広 奈良県 長谷川正勝 日大 安井和男 東京都
第33回(1984年 久嶋啓太 日大1年 柳原清龍 日大 伊東勝人 近大 井上喜博 東京都
第34回(1985年 竹川裕司 山梨県 平舘秀伸 東京都 安井和男 東京都 斎藤一雄 明大中野高
第35回(1986年 安井和男 東京都 久嶋啓太 日大3年 柳原清龍 和歌山県庁 山崎直樹 日大2年
第36回(1987年 山崎直樹 日大3年 井上喜博 東京都 安井和男 東京都 高田亨司 日体大
第37回(1988年 斎藤一雄 日体大 伊東勝人 大阪府 林正人 近大3年 山崎直樹 日大4年
第38回(1989年 成松伸哉 山口県 斎藤一雄 日体大 浜洲圭志 日大2年 林正人 近大4年
第39回(1990年 栗本剛 中大2年 戸田歩 専大 西田崇晃 日大 安井和男 東農大職
第40回(1991年 伊東勝人 近大職 斎藤一雄 日体大職 小松勝彦 東農大 柳原清龍 和歌山県庁
第41回(1992年 尾曽武人 専大3年 禧久昭広 奄美高 出島武春 中大1年 斎藤一雄 日体大職
第42回(1993年 禧久昭広 奄美高教 鶴賀文仁 日大4年 山本敏生 同志社大4年 矢須直 和歌山県庁
第43回(1994年 吉橋宏之 日本通運 田宮啓司 鳥取城北高3年 齋藤剛 同志社大4年 本田浩二 熊本工高
第44回(1995年 禧久昭広 奄美高教 後藤泰一 拓大4年 出島武春 中大4年 田宮啓司 日大1年
第45回(1996年 田宮啓司 日大2年 齊籐直飛人 日大3年 平伸一 日大4年 安本栄来 明大4年
第46回(1997年 田宮啓司 日大3年 小山内貴久 日大4年 竹内雅人 明大2年 田中英一 鳥羽高
第47回(1998年 加藤精彦 日大4年 霜鳥典雄 東農大3年 五百崎剛 東洋大4年 工藤幸穂 青森県スポーツ振興
第48回(1999年 小山内貴久 青森県スポーツ振興 松本司和 丸果石川中央青果 霜鳥典雄 東農大4年 加藤耕市 目黒学院高
第49回(2000年 内田水 日大2年 小山内貴久 青森県スポーツ振興 成田旭 中大 小松勝彦 東京都
第50回(2001年 三好正人 近大4年 小山内貴久 青森県スポーツ振興 田中英一 鳥羽高教 片山伸次 専大4年
第51回(2002年 大西雅継 日体大3年 下田圭将 日大1年 渋谷悟 中大3年 山上慈明 金沢東高
第52回(2003年 加藤耕市 焼津水産高 小笠原史男 青い森みらい創造財団 石前辰徳 日大4年 下田圭将 日大2年
第53回(2004年 栂木崇行 日本通運 森友樹 日大2年 森下祐哉 東農大2年 澤井豪太郎 埼玉栄高3年
第54回(2005年 吉田勝雄 日大4年 市原孝行 日大3年 加藤耕市 焼津市役所 下田圭将 日大4年
第55回(2006年 市原孝行 日大3年 深尾光彦 日大3年 増田龍二 近大4年 森下祐哉 東農大4年
第56回(2007年 姫野孝 宇佐産科高 石前辰徳 鳥取県体育協会 坂本昭文 佐伯豊南高 田中大陽 摂津倉庫
第57回(2008年 松永六十四 猶興館高 姫野孝 宇佐産科高教 山口雅弘 日大1年 明月院秀政 日体大2年
第58回(2009年 冨田元輝 日大4年 伊東良 タカノ 荒木関賢悟 東洋大職 田中大陽 摂津倉庫
第59回(2010年 澁谷悟 日本通運 荒木関賢悟 東洋大職 山口雅弘 日大3年 明月院秀政 日体大4年
第60回(2011年 松永六十四 猶興館高教 丹野圭功 秋田県体育協会 滝田真 日体大2年 中村優太 豊浦総合支援学校
第61回(2012年 遠藤聖大 日大4年 正代直也 東農大3年 大道久司 東洋大2年 中村大輝 日体大2年
第62回(2013年 川端翔伍 日大4年 工藤豪人 日大4年 トゥルボルト 日大1年 野口清之 猶興館高教
第63回(2014年 大道久司 東洋大4年 黒川宗一郎 アイシン軽金属 田中達也 佐世保特別支援学校 宮下治也 拓大3年
第64回(2015年 トゥルボルト 日大3年 黒川宗一郎 アイシン軽金属 石橋広暉 近大4年 黒川宏次朗 拓大2年
第65回(2016年 矢後太規 中大4年 深井拓斗 東洋大1年 黒川宗一郎 アイシン軽金属 荒木関賢悟 東洋大職
第66回(2017年 西郷智博 鳥取県庁 三輪隼斗 糸魚川市体協職 木﨑伸之助 日大4年 古川貴博 日大4年
第67回(2018年 黒川宏次朗 拓大職 重松龍大 東洋大3年 西郷智博 鳥取県庁 沢田日出夫 和歌山県庁
第68回(2019年 谷岡倖志郎 近大4年 イェルシン 日大3年 勝呂歩紀 拓大4年 由留部圭祐 西予市役所
第69回(2020年 花田秀虎 日体大1年 山口怜央 近大4年 松園大成 日体大4年 川渕一意 日大1年
第70回(2021年 中村泰輝 日体大3年 神﨑大河 近大4年 オドフー 東洋大3年 松園大成 日体大職
第71回(2022年 中村泰輝 日体大4年 松園大成 日体大職 石崎涼馬 日体大4年 三上大輝 東洋大2年
第72回(2023年 池田俊 金沢学院大4年 ブフチョローン 日体大3年 石崎涼馬 長浜養護学校 草野直哉 日大4年
第73回(2024年 池田俊 ソディック ブフチョローン 日体大4年 バヤルボルド 日体大 五島雅治 拓大

テレビ中継

編集

決勝トーナメントがNHK総合テレビで生中継されている。2006年はドーハアジア大会と日程が重複したため同日深夜(正確には翌日未明)に録画放送となった。

関連項目

編集

外部リンク

編集