休聞抄
『休聞抄』(きゅうもんしょう)とは、『源氏物語』の注釈書。
概要
編集室町時代の連歌師里村昌休(俗名は弥次郎尭景、号は指雪斎、1510年(永正7年) - (天文21年11月5日(1552年11月20日)) の作。『休聞抄』という書名は「昌休の聞書」を意味すると考えられており、『源氏物語聞書』と題した伝本も存在している。この『休聞抄』には宗牧の説の引用が多く、里村昌休が宗牧に多くを学んだことが推察されるものとなっている。本書の内容は、連歌師による注釈書として、「歌作に役立つこと」を強く意識したものとなっている。
本文
編集本書の本文は大きく成立当初の形態を残すとされる陽明文庫本系と整理増補された内容を持つとされる内閣文庫本系とに分かれる[1]。
翻刻
編集- 里村昌休, 井爪康之『休聞抄』第22巻、おうふう〈源氏物語古注集成〉、1995年。ISBN 4273028239。 NCID BN12501439。
- 『正宗敦夫収集善本叢書』武蔵野書院、2010年。 NCID BB01331762。
- ノートルダム清心女子大学蔵の複製
参考文献
編集- 波多野真理子「『休聞抄』と『花鳥余情』 : 九州大学附属図書館蔵『花鳥余情』を資料にして」『語文研究』第78号、九州大学国語国文学会、1994年12月、22-30頁、doi:10.15017/9430、ISSN 04360982、NAID 120000985033。
- 波多野真理子「「薄雲女院」に見る源氏物語注釈」『語文研究』第84号、九州大学国語国文学会、1997年12月、16-27頁、doi:10.15017/9401、ISSN 04360982、NAID 120000984992。
- 伊井春樹, 紫式部『源氏物語注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年。ISBN 9784490105919。 NCID BA53790947 。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 波多野真理子「引歌より見た『源氏物語』とその注釈 : 『休聞抄』を中心に」『文學研究』第98巻、九州大学大学院人文科学研究院、2001年3月、85-104頁、doi:10.15017/1174、ISSN 03872823、NAID 110006257970。