伊号第二百三潜水艦

日本の潜水艦

伊号第二百三潜水艦[注釈 3](いごうだいにひゃくさんせんすいかん)は、日本海軍の潜水艦伊二百一型潜水艦の3番艦。太平洋戦争末期に竣工したが訓練に終始し、戦後アメリカに引き渡された。

伊号第二百三潜水艦
戦後の伊203
(1945年12月17日、日本近海)
基本情報
建造所 呉海軍工廠
運用者  大日本帝国海軍
艦種 一等潜水艦
級名 伊二百一型潜水艦
建造費 12,325,000円[1]
艦歴
計画 マル戦計画
起工 1944年6月1日
進水 1944年10月20日[注釈 1]
竣工 1945年6月25日[注釈 2]
除籍 1945年11月30日
その後 1946年、海没処分
要目
基準排水量 1,070トン
常備排水量 1,291トン
水中排水量 1,450トン
全長 79.0m
垂線間長 76.0m[2]
最大幅 5.80m
深さ 6.70m[2]
吃水 5.46m
機関 マ式1号8型過給機付内火機械x2基[3]
特E型1,250馬力電動機x4基[3][4]
推進 2軸
出力 水上:2,750bhp
水中:5,000shp
速力 水上:15.8kt
水中:19.0kt
燃料 重油:146トン[3][4]
航続距離 水上:14ktで5,800海里
水中:3ktで135海里
潜航深度 安全潜航深度:110m
乗員 定員36名[5]
特修兵教員最大29名[6]
兵装 九六式25mm単装機銃x2挺
九五式53cm魚雷発射管x4門(艦首4門)/九五式魚雷x10本
レーダー 22号電探x1基
電池:特D型x2,088基[4]
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艦歴

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マル戦計画の潜水艦高、第4501号艦型の3番艦、仮称艦名第4503号艦として計画。

1944年6月1日、呉海軍工廠で起工。8月25日、伊号第二百三潜水艦と命名されて伊二百一型潜水艦の3番艦に定められ、本籍を呉鎮守府と仮定[7]。10月20日進水し、本籍を呉鎮守府に定められる[8][注釈 1]

1945年1月10日、艤装員事務所を呉海軍工廠内に設置し事務を開始[9]。6月25日竣工し、艤装員事務所を撤去[10][注釈 2]第六艦隊第十一潜水戦隊に編入され、消磁と自差修正ののち、同日から伊予灘で訓練に従事。29日、病人発生のためへ回航。同日、再び伊予灘で訓練に従事[11]

終戦時は内海西部に所在[12]。11月30日、海軍省の廃止に伴い除籍。

1946年1月12日、ハワイへ向け佐世保を出港。ハワイでアメリカ海軍により調査され、調査終了後に海没処分された[3]

潜水艦長

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艤装員長
  1. 上杉一秋 少佐:1945年1月5日[13] - 1945年6月25日[14]
潜水艦長
  1. 上杉一秋 少佐:1945年6月25日[14] - 1945年11月25日[15]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 本艦の進水日は呉鎮守府戦時日誌による。丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 46では「(昭和)19年9月20日」としているが、呉鎮守府戦時日誌の昭和19年9月20日欄に記録は無く、同日付で法令の施行も無い。
  2. ^ a b 本艦の竣工日は伊號第二〇三潜水艦戦時日誌、第十一潜水戦隊戦時日誌、同日付施行の各法令、人事発令による。伊號第二〇三潜水艦戦時日誌は昭和20年6月25日から始まっており、6月25日の経過摘要欄で「0900 竣工引渡」と明記している。竣工日は丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 45では「(昭和)20.6.20」としている。丸スペシャル『日本の潜水艦I』p. 46、世界の艦船『日本潜水艦史』(1993)p. 86、世界の艦船『日本潜水艦史』(2013)p. 103、福井静夫『写真 日本海軍全艦艇史』資料篇p. 艦歴表21、明治百年史叢書『昭和造船史 第1巻』p. 826ではいずれも「(昭和)20年5月29日」としている。
  3. ^ 本来の艦名表記は伊號第二百三潛水艦。

出典

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  1. ^ 戦史叢書『海軍軍戦備(2)』p. 95。
  2. ^ a b 丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 19。
  3. ^ a b c d 世界の艦船『日本潜水艦史』(2013)pp. 103-105。
  4. ^ a b c 世界の艦船『日本潜水艦史』(1993)pp. 136-137。
  5. ^ 昭和19年10月20日付 内令員第2090号。
  6. ^ 昭和19年10月20日付 内令員第2091号。
  7. ^ 昭和19年8月25日付 達第279号、内令第992号、内令第1000号。
  8. ^ 昭和19年10月20日付 内令第1194号。
  9. ^ 昭和20年1月19日付 秘海軍公報 第4907号。
  10. ^ 昭和20年7月24日付 秘海軍公報 第5078号。
  11. ^ 伊號第二〇三潜水艦戦時日誌(昭和20年6月25日-30日)。
  12. ^ 丸スペシャル『日本の潜水艦III』p. 45。
  13. ^ 昭和20年1月10日付 秘海軍辞令公報 甲 第1689号。
  14. ^ a b 昭和20年7月16日付 秘海軍辞令公報 甲 第1858号。
  15. ^ 昭和20年12月4日付 第二復員省辞令公報 甲 第3号。

参考文献

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  • 海軍省第二復員省
    • 昭和19年6月20日付 内令員第1062号。
    • 昭和19年8月25日付 達第279号、内令第992号、内令第1000号、内令員第1573号。
    • 昭和19年10月20日付 内令第1194号、内令員第2090号、内令員第2091号、内令員第2092号。
    • 昭和20年6月25日付 内令員第1221号。
    • 昭和20年1月19日付 秘海軍公報 第4907号。
    • 昭和20年7月24日付 秘海軍公報 第5078号。
    • 昭和20年1月10日付 秘海軍辞令公報 甲 第1689号。
    • 昭和20年7月16日付 秘海軍辞令公報 甲 第1858号。
    • 昭和20年12月4日付 第二復員省辞令公報 甲 第3号。
    • 呉鎮守府戦時日誌。
    • 第十一潜水戦隊戦時日誌。
    • 伊號第二〇三潜水艦戦時日誌。
  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
  • 世界の艦船 No. 469 増刊第37集 『日本潜水艦史』、海人社、1993年。
  • 世界の艦船 No. 791 増刊第114集 『日本潜水艦史』、海人社、2013年。
  • 福井静夫 『写真 日本海軍全艦艇史』、ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
  • 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 43 日本海軍艦艇シリーズ『日本の潜水艦III』、潮書房、1980年。
  • 丸スペシャル No. 132 日本海軍艦艇発達史『日本の潜水艦I』、潮書房、1988年。
  • 明治百年史叢書 第207巻 『昭和造船史 第1巻(戦前・戦時編)』、原書房、1977年。