中谷巳次郎
日本の実業家 (1869-1936)
中谷 巳次郎(なかや みじろう、1869年(明治2年)[1] - 1936年(昭和11年)[1])は、大分県由布市の由布院温泉で油屋熊八とともに旅館亀の井別荘を開いた実業家。
概要
編集加賀国片山津(現在の石川県加賀市)出身。実家は裕福な十村庄屋加賀・中谷家の分家筋であったが、巳次郎は資産を蕩尽した挙げ句、別府市に流れ着く。実家の骨董品を並べて不老町で骨董屋を開き、そこで、亀の井旅館(のちの亀の井ホテル)の経営者で別府温泉の観光開発に尽力した油屋熊八に出会い、意気投合し、その片腕となる。1921年(大正10年)、熊八が大阪の資産家に話を持ち掛けて買わせた由布院温泉の金鱗湖畔の土地に、賓客をもてなすための草庵が建てられ、巳次郎はそれを託される[2][3]。これが、今日の亀の井別荘の礎である。
1924年(大正13年)には、由布院を訪れた林学者の本多静六の講演を聴き、由布院をドイツに倣った滞在型保養温泉とすることを目指した。
家族・親族
編集脚注
編集参考文献
編集- 『大分県歴史人物事典』大分合同新聞社、1996年。
- 『由布院に吹く風』 中谷健太郎、岩波書店、2006年2月、ISBN 978-4000023559
- 『二列目の人生 隠れた異才たち』 池内紀、集英社(集英社文庫)、2008年9月、ISBN 978-4087463521