三つ編み
三つ編み(みつあみ)には、以下に示す3種類の語義がある。
本項ではこれら3つの用語のそれぞれを節に分けて解説する。
三つ編み(組み紐)
編集組み紐の一種としての三つ編みは、3本の紐状のものを右図のようなやりかたで編み、1本の太い束にしたもの。あるいは、その手法を指す。
トルコ編み(トルコあみ)とも言う。ブレイド(英語: braid)とも言うが、ブレイドは広義には3つ以外のものも含む。
概説
編集三つ編みを編むには、3本の紐を横一列に並べ、片方の端を固定し、もう片方の端で、右と真ん中の2本、左と真ん中の2本を交代で交換する。その際、端から真ん中に移る紐を常に同じ側(常に手前、あるいは常に奥)になるように交換する。
3本の代わりに、4本以上の紐を編んで「四つ編み(よつあみ)」等を作ることもできる。しかし、2本では編むことができず、編める本数は3本が最小である。
きちんと締まった三つ編みの断面は、円形や正三角形等の3回(120度)回転対称図形ではなく、平らにつぶれている。これは、三つ編みを編む際の紐の初期位置が、正三角形の頂点上ではなく横一列であることからもわかる。断面の平らさは三つ編みではそれほどはっきりしないが、本数が多くなると顕著に平らになり、シート状になる。
生産物としての三つ編み構造
編集この節の加筆が望まれています。 |
文化に根ざした三つ編み文様
編集この節の加筆が望まれています。 |
組み紐と三つ編み構造のギャラリー
編集組み紐としての三つ編み、三つ編み構造による生産物、および、文化としての三つ編み文様を見ていく。
-
ファクトリーオートメーション化された組み紐生産機械(1925年)
-
三つ編み構造をもつ革鞭 (stockwhip)。
三つ編み(髪型)
編集髪型の一種としての三つ編みは、長髪を装飾的に編み込んで作る代表的な髪型の一つ。
現代女性に広く一般的な髪型であるが、古代オリエント世界や地中海世界など古代世界においても女性に一般的なものであった。
また、北アメリカの平原部に居住していた、いわゆる狭義のインディアンの間では、男女を問わない髪型の一つである。20世紀前半まで満州民族の男性に伝統的な髪型であった辮髪も三つ編みである。
16世紀前後のヨーロッパで庶民に一般的であったポーリッシュ・プラット) は、髪の手入れに頓着しない当時の風潮に適うばかりでなく、健康を祈念する護符(アミュレット)としての役割もあり、王侯貴族にまで普及するに到った。この髪型で最もよく知られている人物はデンマーク王クリスチャン4世(1577 - 1648年)で、彼は頭の左側から三つ編みのお下げ髪を垂らし、その先を赤いリボンで飾っていた(なお、当時はリボンの使用にも男女の区別は無かった。)。
ブレイド(英語:braid)、プラット(英語:plait)などと呼ぶ。 また、とくにアフリカ系の(縮毛性の強い髪質の)人々の、細く畝を作るような編みこみを指して コーンロウ(英語:cornrow)と呼ぶ。
なお、三つ編みや四つ編みを含めて髪型は、基本的には人間がその身を飾るために行うものであるが、家畜等の動物を飾り付ける方法の一つとして彼らの体毛を髪の毛に見立てて、施される場合もある。馬はその一例であり、鬣(たてがみ)や尻尾の毛が編み込まれることがある。また、一部に飾り紐を交えながら編み込まれる場合も多い。
髪型のギャラリー
編集古今東西の様々な三つ編みとその類いを紹介する。
-
デンマーク王クリスチャン4世(1577-1648年)のポーリッシュ・プラット
-
油彩画『渇き』(1886年、ウィリアム・アドルフ・ブグロー)
-
三つ編みの女性(後ろ姿。2007年)
-
お下げ髪の女性(後ろ姿。2007年)
-
三つ編みの女性(後ろ姿。2013年)
-
同じく、馬の尻尾の毛に施されたプラット(フランス)
三つ編み(数学)
編集数学分野における三つ編みは、結び目理論で言う組み紐群の元であり、
と表すことができる(mは整数)。これは、 (1本目と2本目を右回りに交換する)と (2本目と3本目を左回りに交換する)を交互に繰り返すということを表している。
脚注
編集注釈
編集出典
編集関連項目
編集- 組み紐
- コーンロウ
- ヘリンボーン (模様)(ヘリンボーン編み)