ヴィオラ・ダモーレviola d'amore)は、バロック時代、特に17世紀の終わりから18世紀の前半に用いられた、6ないし7弦の演奏弦と同数の共鳴弦を持つ擦弦楽器である。

構造と音

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ヴィオラ・ダモーレ(1770年

ヴィオラ・ダ・ガンバの類縁の楽器とされるが[1]ヴィオラ・ダ・ブラッチョヴァイオリンと同じように肩の上に乗せて演奏する。ヴィオラ・ダモーレはヴァイオリンより演奏弦が多く、裏板は平面であり指板フレットが存在しない。また、ヴァイオリンでいうf字孔の部分の形状が異なっている。

イタリア語で「愛のヴィオラ」を意味する名前のように甘美で温かい音色が生じるのは、演奏弦の下に金属製の共鳴弦があるためである。レオポルト・モーツァルトは、自著『Versuch einer gründlichen Violinschule』に「夜の静けさには、特に魅力的な音だ」と記している。

ヴィオラ奏者が演奏することが多い。

標準的な調弦は、低いほうから A - d - a - d' - f#' - a' - d''

ヴィオラ・ダモーレと同様に共鳴弦を持った楽器に、バリトン(baryton)がある。ノルウェーの民族楽器ハーディングフェーレ(ハルダンゲルヴァイオリン)は、ヴィオラ・ダモーレから派生したものだといわれている。

関連する作曲家

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脚注

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  1. ^ 音楽之友社『音楽中辞典』(旧版)では「ヴィオル属の一種」としている。

外部リンク

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