ローラン・ド・ブリュノフ
ローラン・ド・ブリュノフ(Laurent de Brunhoff、1925年8月30日 - 2024年3月22日)またはローラント・ディ・ブランホフは、フランス生まれのフランス・アメリカ両国の国籍を持つ絵本作家で、『ぞうのババール』絵本シリーズの作家として広く知られている。
概要
編集ローラン・ド・ブリュノフは画家の父ジャン・ド・ブリュノフ(Jean de Brunhoff)とセシルとの間に1925年にパリで生まれた。父の影響を受けてグランド・ショミエール芸術学校(Académie de la Grande Chaumière)で学び、モンパルナスでしばし画家生活したが、その後父が始めた『ぞうのババール』絵本シリーズを続けた。
ローラン・ド・ブリュノフは1951年にマリー=クロード・ブロック(Marie-Claude Bloch)と結婚して2児があるが、1985年に別居し、1990年に離婚している。彼は1985年にアメリカへ移住して、1990年に当時ウェズリアン大学教授のフィリス・ローズ(Phyllis Rose)と結婚して、両者は現在ニューヨーク市とフロリダ州キーウェストを住み分けている。
『ぞうのババール』絵本シリーズ
編集ド・ブリュノフ父子の絵本シリーズの始まりは、もともとローランの母セシルが話したもので、子供たちにせがまれて父ジャンが1931年出版の『ぞうのババール、こどものころのおはなし』(仏語題名:L'Histoire de Babar, le petit éléphant、英語題名:The Story of Babar, the Little Elephant)[2] 他全部で5冊の本を出版している。父が若くして結核で亡くなると、ローランは残された原稿をもとに2冊の本『ババールの家族』(Babar en famille、1938年)と『ババールとサンタクロース』(Babar et le Père Noël、1941年)を完成・出版している。
その後ローランは自身で、1946年の21歳の時に『ババールといたずらアルチュール』(仏文:Babar et ce coquin d’Arthur、英文:Babar's Cousin, That Rascal Arthur)を出版したのを手始めに、これまで約50冊のシリーズを書いてきた。このシリーズは各国語にも翻訳されて、世界の子供たちに親しまれている。
最近のインタビューでは、ババール・シリーズのテキストは妻のフィリスが書いてきており [3] 、2017年出版の『ババールのパリ・ガイド』(仮題、英語原題:Babar's Guide to Paris)[4] )がババール・シリーズの最後になる、といっている[5]。例えば、最新作の英語版Babar's Guide to Paris(下記)が2017年2月に出てから、半年以上経ってからフランス語版Babar à Parisが2017年11月出ている。
作品
編集『ぞうのババール』シリーズ
- Babar et ce coquin d'Arthur (1946) - 『ババールといたずらアルチュール』
- Pique-nique chez Babar, (1949) - 『ババールのキャンピング』
- Babar dans l'île aux oiseaux (1952) - 『ババールとりのしまへ』
- La fête de Célesteville (1954)
- Babar et le professeur Grifaton (1956)
- Le Château de Babar (1961)
- Babar en Amérique (1965)
- Babar à New York (1966)
- L'anniversaire de Babar (1972)
- Babar sur la planète molle (1974)
- Les Vacances de Zéphir (1976) - 『さるのゼフィール―なつやすみのぼうけん』
- Babar et le Wouly-Wouly (1977)
- Babar et les quatre voleurs (1979)
- Babar et le fantôme (1981)
- Babar et sa fille Isabelle (1988)
- La victoire de Babar (1992)
- Babar et la cité perdue (1995)
- Coup de foudre aux Jeux de Célesteville (2011)
- L'île du Paradis (2014)
- Babar à Paris (2017年11月、英語版Babar's Guide to Parisは2017年2月)
脚注
編集- ^ “Laurent de Brunhoff, Artist Who Made Babar Famous, Dies at 98”. The New York Times (2024年3月22日). 2024年3月23日閲覧。
- ^ 『 ぞうのババール 』 ~ 王様の権威と必要性を理解させる児童向け作品
- ^ 10 Royal Facts About Babar the Elephant
- ^ Babar's Guide to Paris
- ^ ウォールストリート・ジャーナル:「Babar the Elephant Takes His Final Bow」2017年11月24日付け、インターネット:同名
参照項目
編集- 『ぞうのババール』絵本シリーズ