ロケット・マン (エルトン・ジョンの曲)
「ロケット・マン」(Rocket Man (I Think It's Going to Be a Long, Long Time))は、エルトン・ジョンが1972年に発表した楽曲。全英シングルチャートで2位を記録した。
「ロケット・マン」 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
エルトン・ジョン の シングル | ||||||||
初出アルバム『ホンキー・シャトー』 | ||||||||
B面 |
ホリデイ・インのやすらぎ、グッドバイ[1] スージィ[2] | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
録音 | フランス、エルヴィル城、ストロベリー・スタジオ(1972年1月) | |||||||
ジャンル | ソフト・ロック[3] | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル |
DJMレコード Uniレコード | |||||||
作詞・作曲 |
バーニー・トーピン(作詞) エルトン・ジョン(作曲) | |||||||
プロデュース | ガス・ダッジョン | |||||||
ゴールドディスク | ||||||||
ゴールドディスク | ||||||||
チャート最高順位 | ||||||||
| ||||||||
エルトン・ジョン シングル 年表 | ||||||||
| ||||||||
|
概要
編集レイ・ブラッドベリの短編集『刺青の男』(1951年)に収録された短編「The Rocket Man」に影響を受けて書かれたと言われる。アメリカのサイケデリック・フォーク・グループ、パールズ・ビフォー・スワイン(Pearls Before Swine)が1970年に発表したアルバム『The Use of Ashes』に、ブラッドベリの短編を元にした「Rocket Man」という曲が収められており[6]、バーニー・トーピンはこの曲からも直接的な影響を受けたとビルボード誌のインタビューで答えている。また詞の内容は、ガス・ダッジョンがプロデュースしたデヴィッド・ボウイの1969年のシングル「スペイス・オディティ」のテーマとも呼応している。
火星に向けて一人で旅立った宇宙飛行士の複雑な心境が吐露されており、「火星は子供を育てるようなところじゃない/実際すさまじく寒いところだし/子供を育てようなんて考える者はここにはいない/科学を全部分かっているわけじゃないが/これが僕の仕事なんだ/週に5日の仕事/僕はロケット・マンさ/たった一人、宇宙でいつか燃え尽きてしまう」と歌われている。
シングル盤は、1972年3月3日に発売され、7月15日付のBillboard Hot 100で最高6位を記録し[4]、同誌の1974年の年間チャート40位を記録した[7]。イギリスでは2位[5]、カナダでは8位、アイルランドでは6位[8]を記録した。
本作は、エルトンのライブの定番曲となっている。1974年11月28日にニューヨーク市のマディソン・スクエア・ガーデンで開催されたライブ音源が、1976年に発売されたライブ・アルバム『ヒア・アンド・ゼア〜ライブ・イン・ロンドン&N.Y.』に収録されている。
「ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500」においては、2004年版で242位[9]、2010年版で245位[10]、2021年版で149位にランクされている[11]。
米国盤のシングル収録曲
編集本国盤と米国盤のB面は異なる。
全作詞: バーニー・トーピン、全作曲: エルトン・ジョン。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「ロケット・マン」(Rocket Man) | |
2. | 「スージィ」(Suzie (Dramas)) | |
合計時間: |
2003年よりユニバーサル ミュージック グループより12インチシングル盤(プロモーション用)とマキシシングルがリリースされた。
- A:「Rocket Man (KDME remix)」
- B1:「Rocket Man 03」
- B2:「Rocket Man (Royal Garden's Radio mix)」
パーソネル
編集- エルトン・ジョン - ピアノ、リード・ボーカル
- デイヴィー・ジョンストン - スライドギター、アコースティック・ギター、バッキング・ボーカル
- ディー・マレイ - ベース、バッキング・ボーカル
- ナイジェル・オルソン - ドラムス、バッキング・ボーカル
- デヴィッド・ヘンツェル - シンセサイザー(ARP製)
カバー版
編集「ロケット・マン」は、多数のアーティストによってカバーされている。
- 1991年にケイト・ブッシュによるカバー・バージョンが「キャンドル・イン・ザ・ウインド」との両A面シングルとしてリリースされた。全英シングルチャートで12位[5]、ビルボード誌が発表したオルタナティヴ・ソングスで11位を獲得した。
- ミー・ファースト・アンド・ザ・ギミー・ギミーズは、1997年に発売したデビュー・アルバム『Have a Ball』において、パンク・ロック調にカバーした音源を収録している。
- ダフネ・ルービン=ヴェガは2003年にダンス・バージョンを発表し、クラブプレイチャート入りを果たした[12]。
- ヤング・サグが2018年に発売したEP『On the Rvn』に収録の「High」において、本作をサンプリングしている。ヤング・サグのファンであるエルトンはこの曲を認めている[13]。
- 2019年に公開されたエルトンの伝記映画『ロケットマン』では、タロン・エガートンによるカバー・バージョンが使用された。
メディアでの使用
編集「ロケット・マン」は、多数の映画作品で使用されている。
- 『ザ・ロック』(1996年)
- 『ロケットマン』(1997年)
- 『ラスト・リミッツ 栄光なきアスリート』(1998年)
- 『光の旅人 K-PAX』(2001年)
- 『庭から昇ったロケット雲』(2006年)
- 『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017年)
- 『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(2017年)
- 『ロケットマン』(2019年、タロン・エガートン歌唱バージョン)
脚注
編集- ^ 45cat - Elton John - Rocket Man - DJM - UK
- ^ 45cat - Elton John - Rocket Man / Suzie (Dramas) - Uni - USA - 55328
- ^ “The top 50 greatest covers as voted by you”. 2013年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月13日閲覧。. The Observer.
- ^ a b “Elton John Chart History”. Billboard. 2019年10月13日閲覧。
- ^ a b c “rocket man|full Official Chart History”. Official Charts Company. 2019年10月13日閲覧。
- ^ Rosenthal, Elizabeth. His Song: The Musical Journey of Elton John, Billboard Books, 2001. ISBN 0-8230-8892-8/
- ^ “Top 100 Hits of 1972/Top 100 Songs of 1972”. Musicoutfitters.com. 2019年10月13日閲覧。
- ^ “irishcharts.ie search results”. 2019年10月13日閲覧。
- ^ Rolling Stone Magazine's Top 500 Song (2004)
- ^ “Elton John, 'Rocket Man'|500 Greatest Songs of All Time”. Rolling Stone (Penske Media Corporation). (2011年4月7日) 2019年10月13日閲覧。
- ^ “Elton John, 'Rocket Man'”. Rolling Stone. The 500 Greatest Songs of All Time (2021). 2021年9月20日閲覧。
- ^ “Daphne Rubin-Vega - Chart history”. Billboard (2003年10月7日). 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月13日閲覧。
- ^ “How the Young Thug and Elton John song "High" actually happened”. The FADER. The FADER Inc.. 2019年10月13日閲覧。