ザ・ロック (映画)
『ザ・ロック』(原題:The Rock)は、1996年のアメリカ映画。ドン・シンプソン/ジェリー・ブラッカイマー製作、マイケル・ベイ監督によるアクション映画。
ザ・ロック | |
---|---|
The Rock | |
監督 | マイケル・ベイ |
脚本 |
デヴィッド・ウェイスバーグ ダグラス・S・クック マーク・ロスナー |
原案 |
デヴィッド・ウェイスバーグ ダグラス・S・クック |
製作 |
ドン・シンプソン ジェリー・ブラッカイマー |
製作総指揮 |
ウィリアム・スチュアート ショーン・コネリー ルイス・A・ストローラー |
出演者 |
ショーン・コネリー ニコラス・ケイジ エド・ハリス マイケル・ビーン ウィリアム・フォーサイス デヴィッド・モース ジョン・スペンサー |
音楽 |
ハンス・ジマー ニック・グレニー=スミス ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ |
撮影 | ジョン・シュワルツマン |
編集 | リチャード・フランシス=ブルース |
製作会社 |
ハリウッド・ピクチャーズ ドン・シンプソン・ジェリー・ブラッカイマー・フィルム |
配給 |
ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン) |
公開 |
1996年6月7日 1996年9月14日 |
上映時間 | 135分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $75,000,000[1] |
興行収入 |
$134,069,511[1] $335,062,621[1] |
配給収入 | 14億円[2] |
“ザ・ロック”ことアルカトラズ島を占拠してVXガスをサンフランシスコに撃ち込むとアメリカ政府を脅迫するアメリカ海兵隊の英雄の将軍が率いるテロリストと、それを阻止しようとする元SAS隊員にして元MI6部員の英国人、FBIの化学兵器スペシャリスト、特殊部隊Navy SEALsとの攻防を描いた作品。主演はショーン・コネリー、ニコラス・ケイジ、エド・ハリス。
あらすじ
編集アメリカ海兵隊の特殊部隊を指揮するハメル准将は、多数の非合法作戦に従事してきたが、幾度となく政府に部隊を見捨てられて部下を失ったのみならず、アメリカ政府が部下及び遺族への補償を無視し続けてきた現状に激しい憤りを感じていた。何の補償もされずに戦死した部下たちに報いるため、ハメルは反乱を画策、嘗て共に作戦に従事した海兵隊員の部下たちを率いて兵器庫より化学兵器VXガスを奪取、ザ・ロックと呼ばれるかつての刑務所、アルカトラズ島に観光客を人質に立てこもり、遺族へ渡す補償金として政府に1億ドルを要求した。要求が吞まれない場合はVXガスを搭載したミサイルをサンフランシスコに撃ち込むと、ハメルたちはアメリカ政府を脅迫する。VXガスを無力化可能なテルミッド・プラズマ弾がまだ実験段階であり、政府側が有効な対抗策を打ちだせないと見切っての脅迫であった。
ハメルからの犯行声明を直電で受けたFBI長官ウォマックは、アメリカ海軍特殊部隊Navy SEALsの派遣を要請、神経ガス弾を用いたテロ計画対応のため、化学兵器のスペシャリストであるFBI特別捜査官グッドスピードを召集、また、当局に幽閉中の元SAS隊員でMI6の伝説的スパイ、メイソンの仮釈放も命じた。脱獄不可能と言わたアルカトラズ刑務所から唯一脱獄に成功した凄腕のメイソンだが、仮釈放と同時に逃走してしまう。しかしサンフランシスコに住む娘のジェイドと対面を果たしたメイソンは、大規模な追跡劇の末、娘を守るため、テロ阻止への協力を承諾する。メイソンの仮釈放はテロ阻止のためのアルカトラズ島上陸にあたり、彼の嘗ての脱出経路を活用するためで、因縁あるメイソンの再びの逃走を阻止したいウォマックは地図だけで脱出経路を思い出すよう厳命するが、海軍特殊部隊を率いるアンダーソン中佐たちも、現地でのメイソンの先導なくしては、アルカトラズ島での円滑な作戦行動が不可能と判断、メイソンも連れてのアルカトラズ上陸作戦遂行が決定した。技官であり、格闘等実戦とは本来無縁のグッドスピードも、現地でのガス弾現物の無力化作業のため、アルカトラズ同行を命じられた。
作戦が決行され、Navy SEALsは水中からの潜入に成功したものの、ハメルたち海兵隊員の待伏せ・包囲に遭遇、SEALsも自身たちと同様、国家に翻弄されていると感じたハメルは交戦を避けようと、SEALsを率いるアンダーソンに繰り返し降伏を迫る。しかしハメルを尊敬しつつ、彼の国家への叛逆行為を容認できないアンダーソンが降伏を拒否したため、銃撃戦の末SEALs隊員は全滅してしまう。生き残ったグットスピードとメイソンは、たった2人で海兵隊員と戦いながらVXガスの無効化に挑むことになる。
潜入部隊が全滅したと判断したウォマックは、アルカトラズ島への空爆を大統領に要請する。多くの人質を殺すことになるが、サンフランシスコを守るため、大統領は苦渋の選択の末、空爆を許可する。一方、空爆が近づいていると悟った海兵隊員たちはVXガスミサイルの発射をハメルに迫るが、もとより一般人を殺すつもりはなかったハメルはミサイルを発射したものの、海に着弾させる。事ここに至り、強硬派のフライとダロウはあくまで金目当てであり、ハメルが部下たちと信念を共有できていなかったことが露呈、犯行グループの内部崩壊が明らかとなり、海兵隊員たちは同士討ちの銃撃戦に突入、ハメルは部下に撃ち殺されてしまう。
メイソンとグッドスピードは死闘の末、残った海兵隊員全員を倒しミサイル全基の無効化にも成功するが、自らVXガスを浴び拮抗剤のアトロピンを注射したグッドスピードが薄れ行く意識の中で点火した中止要請の発煙筒は観測が遅れ、空母から発艦したF/A-18戦闘機の焼夷弾投下に指令が間に合わず、一発が爆発。グッドスピードは爆風で吹き飛ばされた。
救助部隊が人質を解放し、メイソンがグッドスピードを救助、メイソンは感謝と信頼の証として、かつて自身が盗み出し逮捕・収監の原因となったJFK暗殺の証拠など国家機密を収めたマイクロフィルムの隠し場所をグッドスピードに教え、姿を消す。後日新婚旅行に出たグッドスピードは、カンザス州フォート・ウォルトンの聖ミカエル教会で回収したマイクロフィルムを狂喜とともに凝視するのだった。
主な登場人物
編集本項では主要な登場人物について記述する。
- ジョン・パトリック・メイソン[注 1]
- 演 - ショーン・コネリー
- 本作の主人公の一人。元イギリス情報局秘密情報部部員・兼SASの大尉で、アルカトラズ刑務所からの脱獄に成功した唯一の人物。1960年代にアメリカの機密情報の収められたマイクロフィルムを奪取しイギリスに逃亡する直前にFBIに捕まり、イギリス政府も事実を隠蔽した為身分も国籍もない消された存在となっている。裁判も無しに刑務所に幽閉されてしまったため、その経緯に関わったウォマックとはその頃から互いに憎み合っている。ジェイド・アンジェルはメイソンの実の娘にあたる。アルカトラズの人質救出作戦の際にはどさくさに紛れて逃走を図るなど初めは非協力的だったが、グッドスピードに事実を伝えられ協力的になる。
- BD版の特典映像のジェリー・ブラッカイマーのインタビューによると、メイソンの元イギリス情報局秘密情報部員という設定や、ラストのケネディ暗殺の真相を記したマイクロフィルムの件は、ショーン・コネリーのアイデアによる。なお、コネリーは映画界を代表するイギリスの諜報員、すなわちジェームズ・ボンドを演じた俳優の一人として知られている。
- “スタン”スタンリー・グッドスピード
- 演 - ニコラス・ケイジ
- 本作の主人公の一人。FBI特別捜査官だが、専門は化学兵器のスペシャリストで射撃は訓練校時代に経験した程度のため実戦には不向き。子を身篭った恋人・カーラがいる。コロンビア大学卒、ジョンズ・ホプキンス大学で修士号・博士号を取得。FBIでも折り紙付きの化学研究員で、その才能を見込まれてアルカトラズに持ち込まれたVXガス弾無力化の為にメイソンとSEALs部隊と同行してアルカトラズに向かうことになった。実戦に向かわねばならないと突然知らされ、激しく動揺して嘔吐するなど、決して胆の据わった男ではないが、不得手である筈のメイソンの追跡劇の際には状況判断の冴え、思い切った行動力も垣間見せており、アルカトラズ上陸後、決死の働きを見せていく。メイソンを追う多くの人々を見て取り乱したジェイドを落ち着かせるなど、気配りもできる。
- ビートルマニアであり、作中でもレアなビートルズのLP(『ミート・ザ・ビートルズ』)を購入している他、エルトン・ジョンの曲に言及するシーンもある。ベージュのボルボに乗っている。
- “フランク”フランシス・X・ハメル准将
- 演 - エド・ハリス
- 現在の階級は海兵隊准将。ベトナム戦争で最高の指揮官と称えられ、名誉勲章を生きて受章した数少ない人物。ベトナム戦争後、カンボジア内戦や湾岸戦争の他、公にされていない非合法の軍事作戦の指揮に当たるも、人格者としても知られたその性格もあって、戦場で幾度となく部下を見殺しにする国家の姿勢を到底看過できず、決起を図るに至った。愛妻家でもあったようで、妻が亡くなり、妻を巻添えにしてしまう憂いがなくなったことも、決起に踏み切る一因となった。臨時査察と称して海軍兵器庫から15基のVXガスミサイルを奪取し、部下を率いてアルカトラズ島を占拠して、計画を進めていく。観光客とガイド計81名を人質に、アメリカ政府に対し戦死した部下の遺族への賠償金として1億ドルを要求。受け入れられない場合はサンフランシスコにVXガスを撃ち込むと脅迫して、政府の譲歩を引き出そうとしたが受け入れられず、強硬派のフライとダロウに押し切られミサイルを発射する。しかし最初から民間人を殺す意図はなかったためミサイルを海に着弾させた。これが原因でフライとダロウに反乱を起こされ、フライに至近距離から銃撃されてしまう。最期は自身の行いを悔やみ、グッドスピードに残りのミサイルの場所を伝えて息を引き取った。戦慄を覚える大量殺戮計画の首謀者であり、紛れもない悪役なのだが、計画の背景には彼なりの信念が色濃く、私欲のみに走る類の悪役とは一線を画した、悲劇性濃い人物としてその死まで存在感を放った。
- ジェームズ・ウォマックFBI長官
- 演 - ジョン・スペンサー
- FBI長官。メイソンとは彼がアルカトラズに収監される頃から関わりがあり、メイソンの存在を知っている数少ない人物。長年の因縁からメイソンとは憎みあっており、彼の仮釈放にも状況から渋々応じたにすぎないため、メイソンが署名した特赦状を(公文書であるにも拘らず)あっさり破り捨て、作戦の成否に関わらず、メイソンを自由の身にするつもりはさらさらなかった。このように険悪な関係から、メイソンが仮釈放後、逃亡を図った際には、ビルの高層階から投げ落とされそうになっている。但し、突入部隊がグッドスピードとメイソンだけとなってしまっても「メイソンならやってくれる」とメイソンの実力については、少なからず信頼を置いている。メイソン自身、ウォマックが自分を釈放する気はないと見抜いており、グッドスピードにも特赦状を破ったのを見られていたため、作戦成功後、メイソンの死体を直々に確認するべく、アルカトラズのグッドスピードのもとにウォマックがやってきた際にも、メイソンは既に姿を消しており、グッドスピードとパクストンから「メイソンは爆弾で海に吹き飛ばされて蒸発した」と報告を受けており、「人間が身体ごと蒸発するなどあり得ん」と食い下がったものの、情報はそれ以上得られず、以降メイソンの消息を辿ることはできなかった模様。
- アーネスト・パクストン
- 演 - ウィリアム・フォーサイス
- FBIサンフランシスコ支局長。グッドスピードの頼りなさを感じながらも励まし、作戦本部からの無線サポートでグッドスピードを支援、逃亡を図ったメイソンを止めるよう、無線でグッドスピードに喝をいれたりと、サンフランシスコを守るため作戦支援に徹する。メイソンの情報についても聞かされており、作戦成功後、アルカトラズにいるグッドスピードのもとを訪れた際、「メイソンは爆弾で海に吹き飛ばされて蒸発した」との報告を受け、メイソンの生存を確信しながらも、敢えて「可哀想に」と答えており、作戦に際してのメイソンの功に報いる意向を示していた。
- トム・バクスター少佐
- 演 - デヴィッド・モース
- ハメルの右腕的存在で部隊のナンバー2。階級は海兵隊少佐。1968年のテト攻勢の頃からハメルの部下として働いている。発射されたミサイルの軌道をハメルが意図的に逸らした際は彼に対し一度は激昂したものの、先述のテト攻勢からの長い付き合いであることもあって、フライ達が反乱を起こした時も、ハメルに銃口を向ける振りをしてダロウに発砲したが、弾丸はダロウの左腕に当り、逆にダロウに撃たれて死亡する。最後までハメルとその信念への敬意を失うことはなかった。
- チャールズ・アンダーソン中佐
- 演 - マイケル・ビーン
- SEALsの指揮官で階級は海軍中佐。国家への忠誠心が厚く、ハメル達の決起には猛反発している。ハメルの降伏命令を頑なに拒否したが、頭上から狙われているという極度の緊張状態の中、落下してきたブロックに反応してしまい、シャワールームで海兵隊員たちとの銃撃戦の末、チーム全員と共に壮絶な最期を遂げた。
- 演じたマイケル・ビーンは、『ネイビー・シールズ』他、複数作品でSEALsの隊員役として出演している。
キャスト
編集役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
---|---|---|---|---|
ソフト版 | 日本テレビ版 | テレビ朝日版 | ||
ジョン・パトリック・メイソン | ショーン・コネリー | 若山弦蔵 | 坂口芳貞 | |
スタンリー・グッドスピード | ニコラス・ケイジ | 大塚明夫 | 小山力也 | 山寺宏一 |
フランシス・X・ハメル准将 | エド・ハリス | 柴田秀勝 | 津嘉山正種 | 小川真司 |
ジェームズ・ウォマックFBI長官 | ジョン・スペンサー | 中村正 | 橋本功 | 小島敏彦 |
トム・バクスター少佐 | デヴィッド・モース | 石丸博也 | 内田直哉 | 石塚運昇 |
アーネスト・パクストンFBIサンフランシスコ支局長 | ウィリアム・フォーサイス | 糸博 | 池田勝 | 麦人 |
チャールズ・アンダーソン中佐[注 2] | マイケル・ビーン | 田中正彦 | 大塚明夫 | 内田直哉 |
ヘンドリックス大尉 | ジョン・C・マッギンリー | 水野龍司 | 平田広明 | 田原アルノ |
フライ大尉 | グレゴリー・スポールダー | 島田敏 | 茶風林 | 仲野裕 |
ダロウ大尉 | トニー・トッド | 天田益男 | 菅原正志 | 楠見尚己 |
クリスプ軍曹 | ボキーム・ウッドバイン | 平田広明 | 大川透 | |
マッコイ二等兵 | スティーヴ・ハリス | 石井康嗣 | 楠大典 | 樫井笙人 |
コックス二等兵 | ブレンダン・ケリー | 小野英昭 | 乃村健次 | 塩屋浩三 |
シェパード(シェプ)中尉[注 3] | ダニー・ヌッチ | 平田広明 | 石田彰 | 高木渉 |
カーラ | ヴァネッサ・マーシル | 井上喜久子 | 日野由利加 | 渡辺美佐[注 4] |
ジェイド・アンジェルー | クレア・フォーラニ | 林佳代子 | 高森奈緒 | 渕崎ゆり子 |
床屋のパウロ[注 5] | アンソニー・クラーク | 室園丈裕 | 岩崎ひろし | 田原アルノ |
マービン | トッド・ルイーゾ | 大黒和広 | 樫井笙人 | 青山穣 |
ラリー・ヘンダーソン | サム・ホイップル | 室園丈裕 | 水野龍司 | 小形満 |
リン博士 | デヴィッド・ボウ | 楠大典 | 大川透 | |
ピーターソン将軍 | ジョン・ラフリン | 石波義人 | 安井邦彦 | 田原アルノ |
F/A-18パイロット | ジェームズ・カヴィーゼル | 松本大 | 星野充昭 | |
ロンナー | ザンダー・バークレー (クレジットなし) |
中村秀利 | 小島敏彦 | 内田直哉 |
ロジャース軍曹 | レイモンド・クルス (クレジットなし) |
大黒和広 | 後藤敦 | 楠大典 |
シンクレア大統領補佐官 | デヴィッド・グラント (クレジットなし) |
伊藤和晃 | 岩崎ひろし | 山野井仁 |
連邦最高裁長官 | フィリップ・ベイカー・ホール (クレジットなし) |
川久保潔 | 藤本譲 | 村松康雄 |
スター | ドワイト・ヒックス | 水野龍司 | 松本大 | 星野充昭 |
ハント | ラルフ・ペテュード | 中村秀利 | 小島敏彦 | 大川透 |
バイクの若者 | ショーン・スケルトン | 平田広明 | 加瀬康之 | 樫井笙人 |
海兵隊員 | インゴ・ノイハウス | 石井康嗣 | 茶風林 | |
レイガート隊員 | マーシャル・R・ティーグ | 小野英昭[注 6] | 楠見尚己 | 中多和宏 |
大統領 | スタンリー・アンダーソン (クレジットなし) |
川久保潔 | 内藤安彦 | 村松康雄 |
アル・クレイマー大将 | スチュアート・ウィルソン (クレジットなし) |
塚田正昭 | 福田信昭 | 石波義人 |
リンストロム補佐官 | ハワード・プラット | 加藤精三 | 小島敏彦 | 水野龍司 |
提督 | ハリー・ハンフリーズ | 辻親八 | ||
ツアーガイド | レオナルド・マクマハン | 宝亀克寿 | 稲葉実 | |
役不明又はその他 | — | 定岡小百合 石井隆夫 |
園田恵子 清水敏孝 重松朋 |
斎藤恵理 |
日本語版制作スタッフ | ||||
演出 | 中野洋志 | 佐藤敏夫 | 伊達康将 | |
翻訳 | 戸田奈津子(字幕翻訳) | 栗原とみ子 | 木原たけし | 平田勝茂 |
効果 | サウンドボックス | |||
調整 | 高久孝雄 | 荒井孝 | ||
録音・調整 | 金谷和美 | |||
担当 | 稲毛弘之 | |||
監修 | 青木謙知 | |||
技術協力 | ビーライン | |||
スタジオ | オムニバス・ジャパン | |||
プロデューサー | 大塚恭司 垂水保貴 |
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プロデューサー補 | 小林三紀子 | |||
監修 | 岡本企美子 | |||
制作 | ACクリエイト DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC. |
東北新社 | ||
初回放送 | 2012年5月30日 『水曜プレミアシネマ』 |
1999年6月25日 『金曜ロードショー』 ※正味約131分 (本編ノーカット) |
2000年10月8日 『日曜洋画劇場』 ※正味約122分 |
吹き替えに関して
編集- 長年ショーン・コネリーを持ち役にしていた若山弦蔵は最も好きなコネリーの吹替に本作のソフト版(1997年4月VHS版初発売)を挙げており、また演出した中野洋志について「(皆反論しない中で)僕が直したのをさらに元に戻せなんて言う奴も[注 7]。中野洋志なんてそうですよ(中略)でもそういう風に遠慮なく言ってくれなきゃダメなんですよ」とクオリティ追求のためベテランの自分相手にも遠慮なくダメ出しする中野の姿勢を高く評価していた[3][4]。また中野も今まで演出した中で思い出深い作品に本作を挙げている[5]。
- 本作のソフト版吹替の収録の際には、技術的な環境が整って完全個別収録(別録り)が可能になっており、同吹替以降、若山は出演依頼があった際は、必ず個別収録を条件にしていたという。
- 複数の作品でニコラス・ケイジを担当している小山力也は吹き替えを担当した中でも思い入れ深い現場に本作の日本テレビ版を挙げている。小山にとって本作は初めてのゴールデンタイムの洋画番組の主役であり、本作のソフト版をはじめ多数の作品でニコラスを専属(フィックス)で担当している大塚明夫は脇役のマイケル・ビーンに回ったものの、その大塚からは「リキ(力也)!頼むぜ!!」と激励を受けたことに感激したといい、「自分がいざ、逆の立場に立った時、明夫さんのように声を掛ける事が出来るかどうか、笑顔で、その人を励ませるかどうか、正直、自信がありません。大塚明夫という役者は、それほどの器です」と大塚に敬意を表しているという[6]。
地上波放送履歴
編集回数 | テレビ局 | 番組名 | 放送日 | 吹替版 |
---|---|---|---|---|
初回 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 1999年6月25日 | 日本テレビ版 |
2回目 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 2000年10月8日 | テレビ朝日版 |
3回目 | 2002年5月26日 | |||
4回目 | フジテレビ | プレミアムステージ | 2005年3月5日 | 日本テレビ版 |
5回目 | 土曜プレミアム | 2007年6月16日 | ||
6回目 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 2009年2月22日 | テレビ朝日版 |
7回目 | TBS | 水曜プレミアシネマ | 2012年5月30日 | ソフト版 |
8回目 | テレビ東京 | 午後のロードショー | 2017年11月24日[7] | |
9回目 | 2019年7月3日[8] | |||
10回目 | 2021年3月25日[9] | |||
11回目 | 2023年5月12日[10] |
スタッフ
編集- 監督:マイケル・ベイ
- 脚本:デヴィッド・ウェイスバーグ、ダグラス・S・クック、マーク・ロスナー、クエンティン・タランティーノ(リライトクレジットなし)
- 製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
- 製作総指揮 = ウィリアム・スチュアート、ショーン・コネリー、ルイス・A・ストローラー
- 音楽:ハンス・ジマー、ニック・グレニー=スミス、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
- 撮影:ジョン・シュワルツマン
- 編集:リチャード・フランシス=ブルース
ジョナサン・ヘンズリーが脚本の執筆に参加した。
評価
編集レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは69件のレビューで支持率は68%、平均点は6.70/10となった[11]。Metacriticでは24件のレビューを基に加重平均値が58/100となった[12]。
その他
編集- 実在のアルカトラズ刑務所での撮影は、アメリカ政府が許可しなかったため、外観や独房部屋など一部のシーンを除いて、大半がセットか他の場所での撮影である。そのため、シャワー室の様相などは現実とはかなり違う。
- 劇中でテロリストが奪ったVXガスについてのペンタゴン高官の説明の内容に関しては一部が誇張されている。また、日本版では字幕・吹替共に「神経ガス弾」と訳されている。
- ドン・シンプソンは公開前の1996年1月、ドラッグの過剰摂取によるとみられる心臓麻痺で死亡し、本作がジェリー・ブラッカイマーと共同で製作した最後の作品となった。映画のラストには、「この映画をドン・シンプソンの思い出に捧ぐ」という賛辞がクレジットされている。
- 脚本の書き直しをクエンティン・タランティーノが務めたが、クレジットはされていない。
- 本作でアメリカ大統領役を演じたスタンリー・アンダーソンは、1998年公開の『アルマゲドン』でも大統領役を演じている(監督も同じマイケル・ベイ)。
- アーノルド・シュワルツェネッガーは、オファーを断ったことを後悔している映画として、本作を挙げている[13]。また、オファーされた役がハメル准将役であったとされる情報が多いが、実際にはグッドスピード役のオファーであった。[14]
- ミリタリーゲーム業界における本作の影響は非常に大きく『メタルギアソリッド』では本作の孤島を占拠したテロリスト、海中からの潜入といったシチュエーションがオマージュされ、『BLACK』『Rainbow Six 3』『Battlefield:Hardline』では一部のステージで本作のシャワー室のオマージュがなされている。また、『Call of Duty: Modern Warfare 2』ではシャワー室の他にグッドスピードが二本のフレアで戦闘機の爆撃の中止を行おうとするシーンやNavy SEALsの隊員の装備、強制収容所に収監されていたプライスの格好等、豊富なオマージュがなされており、音楽も本作と同じハンス・ジマーが担当している。また、その関係か次回作の『Call of Duty:Black Ops』では主人公の名前にメイソンの名が使われたり、冒頭のVXガスでハメルの部下が死亡するシーンがNova6でディミトリ・ペトリェンコが死亡するシーンにオマージュされている他、本作でハメル准将を演じたエド・ハリスが異名が「ロック」であるジェイソン・ハドソン役で出演している。
- また、2021年に公開された韓国映画『白頭山大噴火』では本作のグッドスピードとメイソンの設定がオマージュされている。
関連商品
編集ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメントよりBlu-ray Disc/DVD/UMDの3フォーマットでリリース(各1枚組)。
DVD版は当初パイオニアLDCより発売されていたため、ディズニー版は『ザ・ロック 特別版』として発売。
関連項目
編集- フェラーリ・F355
- ハマー (H1)
- フェアモント・サンフランシスコ
- イギリス国籍法
- 准将 (Brigadier general)
- M55ロケット
- テルミット・プラズマ(Thermite)
- F/A-18 ホーネット
- ケネディ大統領暗殺事件
- マウイ島
- フォートウォルトン(カンザス州)
- 中国人民解放軍空軍 - 空軍のプロモーション動画にザ・ロックの映像が使用され話題となる[15]。
脚注
編集注釈
編集- ^ テレビ朝日での翻訳ではメイスン。
- ^ メイソンを「Mr.メイソン」、グッドスピードを「Dr.グッドスピード」と呼んでいるが、吹き替えではメイソンをソフト版では出撃の際にのみ「メイソン氏」、日本テレビ版では一貫して「Mr.メイソン」、テレビ朝日版では全てのシーンで呼び捨て、グッドスピードのことは全吹き替えで呼び捨てとなっている。
- ^ 吹き替えではソフト版では「シェプ」と呼ばれず、一貫して「シェパード」と呼ばれている。
- ^ 『日曜洋画劇場』2009年2月22日放送分においてはグッドスピードの夜の営みとカーラの登場シーンはカットされている。渡辺美佐は『ビバリーヒルズ青春白書』でもヴァネッサ・マーシルを吹替えた。
- ^ ソフト版の日本語字幕では口調は普通の男性だが全吹き替えではオカマキャラになっている。
- ^ プリズムを解除するシーンでシェパードと間違われて平田広明に吹き替えられている。
- ^ 通例では、吹替台本は翻訳家が書いた後、演出家が最終確認したうえで収録される。収録の際、声優によっては、作品上、文法面で違和感を感じた台詞等を、声優自らが更に直して収録することも珍しくないというが、この例の場合は、中野が確認した後の台詞に、若山が更に改訂案を出した際、中野が異を唱えた、という状況だったと思われる。
出典
編集- ^ a b c “The Rock (1996)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年9月25日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)554頁
- ^ とり・みき『とり・みきの映画吹替王』洋泉社〈別冊映画秘宝 Vol.3〉、2004年。ISBN 4-89691-837-1。
- ^ @plinivs (2021年3月26日). "『プリニウス』公式ツイッターのツイート". X(旧Twitter)より2022年12月13日閲覧。
- ^ ペイジロウ [@payjiro] (2021年3月24日). "前職の大先輩である、音響監督の中野洋志さんの訃報が届きました…". X(旧Twitter)より2023年7月1日閲覧。
- ^ 小山力也 (2007年10月25日). “力也の気持ち。-対決シリーズ第6弾〜〜因果の鎖〜〜”. livedoor Blog. LINE. 2017年12月20日閲覧。
- ^ 午後ロード「ザ・ロック」秋のスペシャル!金曜は“ニコラス・ケイジ”!!(外部リンク)
- ^ 午後エンタ 午後ロード「ザ・ロック」S・コネリー×N・ケイジ豪華競演!(外部リンク)
- ^ 午後エンタ 午後ロード「ザ・ロック」3月の木曜日はニコラス・ケイジ!(外部リンク)
- ^ 午後エンタ 午後ロード「ザ・ロック」S・コネリーほか豪華競演の超大作!(外部リンク)
- ^ “The Rock”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年6月10日閲覧。
- ^ “The Rock Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2022年6月10日閲覧。
- ^ https://www.reddit.com/r/IAmA/comments/16mq0g/iamarnold_ask_me_anything/
- ^ (日本語) Arnold Schwarzenegger Interview / 22.01.13 / (San) Part 2 2022年6月6日閲覧。
- ^ 中国空軍、PR動画に米国映画のシーン挿入 SNSで「総攻撃」受ける 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News