ルテティア (小惑星)
メインベルトの小惑星
ルテティア[1] (21 Lutetia) は、太陽系に存在する比較的大きな小惑星の1つであり、火星と木星の間の軌道を公転している。1852年に、ドイツ人天文学者のヘルマン・ゴルトシュミットによって発見された。比較的早い時期に軌道も確定され、与えられた小惑星番号は「21」である。
ルテティア 21 Lutetia | |||||||
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ロゼッタが撮影したルテティア
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分類 | 小惑星 | ||||||
軌道の種類 | 小惑星帯 | ||||||
発見 | |||||||
発見日 | 1852年11月15日 | ||||||
発見者 | H. ゴルトシュミット | ||||||
軌道要素と性質 元期:2008年11月30日 (JD 2,454,800.5) | |||||||
軌道長半径 (a) | 2.435 AU | ||||||
近日点距離 (q) | 2.039 AU | ||||||
遠日点距離 (Q) | 2.832 AU | ||||||
離心率 (e) | 0.163 | ||||||
公転周期 (P) | 3.80 年 | ||||||
軌道傾斜角 (i) | 3.06 度 | ||||||
近日点引数 (ω) | 250.03 度 | ||||||
昇交点黄経 (Ω) | 80.91 度 | ||||||
平均近点角 (M) | 78.68 度 | ||||||
物理的性質 | |||||||
三軸径 | 120 × 100 × 80 km | ||||||
直径 | 95.76 km | ||||||
質量 | 9.2 ×1017 kg | ||||||
平均密度 | 2.0? g/cm3 | ||||||
表面重力 | 0.0268 m/s2 | ||||||
脱出速度 | 0.0506 km/s | ||||||
自転周期 | 8.1655 時間 | ||||||
スペクトル分類 | M / Xk | ||||||
絶対等級 (H) | 7.35 | ||||||
アルベド(反射能) | 0.2212 | ||||||
表面温度 |
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色指数 (B-V) | 0.686 | ||||||
色指数 (U-B) | 0.189 | ||||||
■Template (■ノート ■解説) ■Project |
探査
編集ヨーロッパの彗星探査機のロゼッタがチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星へと向かう途中、2010年7月10日18時10分(CEST)に、ルテティアまで3162 kmに接近した。このフライバイの際に、ルテティアを撮影した。これがM型小惑星に対して、人類が初めて近接探査を行った事例である。
地形
編集2011年3月に、国際天文学連合の惑星システム命名ワーキンググループ (WGPSN) により正式にルテティアの地形が命名された。命名の由来となったルテティアは古代ローマ時代の都市であるため、クレーターにはローマ帝国及びその周辺の当時の地名が、領域 (Region) には発見者ゴルトシュミット及びローマ帝国時代の属州の名が、そして他の地形にはローマ帝国及びその周辺地域の川の当時の名が付けると決定された。
クレーターにはローマ、ルグドゥヌム、マッサリア、ボンナなどが命名されている。
クレーター
編集ルテティアのクレーターの名は、ローマ帝国と周辺の地名に由来する。
地名 | 由来 |
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バガクム (Bagacum) | バヴェ |
バシリア (Basilia) | バーゼル |
ボンナ (Bonna) | ボン |
ブルディガラ (Burdigala) | ボルドー |
フロレンティア(Florentia) | フィレンツェ |
ガウディアコ (Gaudiaco) | ジュエ=レ=トゥール |
ゲヌア (Genua) | ジェノヴァ |
ゲルンダ (Gerunda) | ジローナ |
ラウリアクム (Lauriacum) | エンス |
ルグドゥヌム (Lugdunum) | リヨン |
マスシリア (Massilia) | マルセイユ |
ニカエア (Nicaea) | ニース |
パタヴィウム (Patavium) | パドヴァ |
ローマ (Roma) | ローマ |
サロマクス (Salomacus) | サレス |
ソロナ (Salona) | ソリン |
シラクサエ (Syracusae) | シラクサ |
トレトゥム (Toletum) | トレド |
トゥリクム (Turicum) | チューリッヒ |
尾根
編集ルテティアの尾根の名は、ローマ帝国の川に由来する。
地名 | 由来 |
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ティキヌム尾根 (Ticinum Dorsum) | ティチーノ川 |
地溝帯
編集ルテティアの地溝帯の名は、ローマ帝国の川に由来する。
地名 | 由来 |
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ヒベルス地溝帯 (Hiberus Fossa) | エブロ川 |
セクアナ地溝帯 (Sequana Fossa) | セーヌ川 |
谷
編集ルテティアの谷の名は、ローマ帝国の川に由来する。
地名 | 由来 |
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ロダヌス谷 (Rhodanus Rimae) | ローヌ川 |
ティベリス谷 (Tiberis Rimae) | テヴェレ川 |
地すべり地形
編集ルテティアの地すべり地形の名は、ローマ帝国の川に由来する。
地名 | 由来 |
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ダヌヴィウス地すべり地形 (Danuvius Labes) | ドナウ川 |
ガルリクム地すべり地形 (Gallicum Labes) | ガリェゴ川 |
サルヌス地すべり地形 (Sarnus Labes) | サルノ川 |
断崖
編集ルテティアの断崖の名は、ローマ帝国の川に由来する。
地名 | 由来 |
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グラナ断崖 (Glana Rupes) | グロン川 |
レヌス断崖 (Rhenus Rupes) | ライン川 |
地域
編集ルテティアの地域の名は、ローマ帝国の属州に由来する(ゴルトシュミット地域のみ発見者にちなむ)。
地名 | 由来 |
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アチャイア地域 (Achaia Regio) | アカエア |
バエティカ地域 (Baetica Regio) | ヒスパニア・バエティカ |
エトルリア地域 (Etruria Regio) | エトルリア |
ゴルトシュミット地域 (Goldschmidt Regio) | ヘルマン・ゴルトシュミット |
ナルボネンシス地域 (Narbonensis Regio) | ガリア・ナルボネンシス |
ノリクム地域 (Noricum Regio) | ノリクム |
パンノニア地域 (Pannonia Regio) | パンノニア |
ラエティア地域 (Raetia Regio) | ラエティア |
出典
編集- ^ “小惑星日本語表記索引 : 1 - 50”. 日本惑星協会. 2019年3月9日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 21 Lutetiaの軌道(NASA・HPより 英語版)
- Rosetta triumphs at asteroid Lutetia(ESA・ロゼッタHPより)
- ルテティアの地名 - IAU
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