リンダはチキンがたべたい!
『リンダはチキンがたべたい!』(フランス語: Linda veut du poulet!)は、2023年のフランスのアニメーション映画。監督はキアラ・マルタ(英語: Chiara Malta)とセバスチャン・ローデンバック(英: Sébastien Laudenbach)[2]。
リンダはチキンがたべたい! | |
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Linda veut du poulet! | |
監督 | キアラ・マルタ、セバスチャン・ローデンバック |
公開 |
2023年5月20日 2024年4月12日 |
上映時間 | 73分 |
製作国 |
フランス イタリア |
言語 | フランス語 |
興行収入 | $683,968[1] |
あらすじ
編集ポレットは夫を亡くした母親で、娘のリンダがやってもいないことで彼女に理不尽な罰を与えてしまい、罪悪感を抱く。ポレットはリンダに、お詫びに何ができることがあるかと尋ねると、リンダは、生前の父親との数少ない思い出であるパプリカ・チキンを食べたいと答える。ポレットは、ゼネラル・ストライキで事実上閉鎖された街を舞台に、料理の仕方を知らないにもかかわらず、その料理を作るために鶏肉を買いに出かける[3]。
キャスト
編集- リンダ
- 声 : Melinée Leclerc(日本語版 : 落井実結子)
- 8歳の女の子。
- ポレット
- 声 : クロチルド・エム(日本語版 : 安藤サクラ)
- リンダのお母さん。
- アストリッド
- 声 : レティシア・ドッシュ(日本語版 : 寺崎裕香)
- リンダのおばさんでポレットの姉。
- カルメン
- 声 : Alenza Dus(日本語版 : 臼井美紗子)
- リンダの親友。
- アネット
- 声 : Scarlett Cholleton(日本語版 : 朝陽ましろ)
- リンダに新しいベレー帽を貸してあげる少女。
- アフィア
- 声 : Anaïs Weller(日本語版 : 永瀬アンナ)
- リンダの友達。
- セルジュ
- 声 : Estéban(日本語版 : 柳生拓哉)
- 新人警察官。
- ジャン=ミシェル
- 声 : Patrick Pineau(日本語版 : リリー・フランキー)
- トラック運転手。
- おばあさん
- 声 : Claudine Acs(日本語版 : 反町有里)
- ジャン=ミシェルのお母さん。
公開
編集この作品は第76回カンヌ国際映画祭のACID部門でプレミア上映された[4]。その後、2023年のアヌシー国際アニメーション映画祭で上映された[5]。
フランスでは2023年10月18日にゲベカ・フィルムズ(Gebeka Films)より劇場公開された[6]。北米ではGKIDSが配給計画を発表し、2024年4月5日から限定上映された[7][8]。日本ではアスミック・エースがライセンスを取得し、2024年4月12日より全国公開された[9]。
評価
編集レビュー収集サイトのRotten Tomatoesでは、17件のレビューで支持率94%を獲得し、平均評価は10点満点中7.1だった[10]。
Cineuropaのファビアン・ルメルシエ(Fabien Lemercier)記者は、この映画を「非常によく構成された長編映画であり、映画の最後に流れる歌で『楽園とは、あなたが住み、あなたが成長し、あなたが笑う場所であり、あなたの友人と呼ばれる幸運なすべてに人のための場所である』と歌われるように、健康的な混乱の創造者としての地位を子供時代に与えるものである。」と評している[6]。
バラエティのピーター・デブルージュ(Peter Debruge)記者は「(監督である)マルタとローデンバックは、子供向けの娯楽映画を作り上げた。その力は、筋書きよりも、その過程で明らかになる人間の行動に対する驚くべき洞察力にある。車の後部座席から観察される街灯の歪なぼやけ具合や、リンダのおばが教えるえんどう豆の殻むきなど、子供なら誰でも見覚えのあるような仕草や細部を、(実写ではなく)アニメーションで見事に捉えているのだからなおさらだ。」と述べている[2]。
スクリーン・デイリーのウェンディ・アイド(Wendy Ide)記者は「しかしながらこの映画の最初のインパクトは、その独特のビジュアル・スタイルから来るものであろう。(監督である)ローデンバックのキャラクターデザインは最小限のものであり、ほとんど抽象的だ。しかし、数行のざっくりとしたセリフと一塊の色(各キャラクターにはそれぞれ固有の色合いがある)が、ここでのように巧みに扱われれば、多くを語ることができる。その画風には心地よい質感があり、マルゴー・デュセニュール(Margaux Duseigneur)のハンサムな背景画の筆跡が、登場人物たちが静止しているときでも、動きや活力を感じさせる。」と述べている[5]。
受賞・ノミネート
編集映画賞 | 授賞式 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
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アニメーション・イズ・フィルム・フェスティバル | 2023年 | 観客賞 | リンダはチキンがたべたい! | 受賞 | [11] |
審査員賞 | 受賞 | ||||
アヌシー国際アニメーション映画祭 | 2023年 | 長編作品賞 | 受賞 | [12] | |
セザール賞 | 2024年2月23日 | 最優秀アニメーション作品賞 | 受賞 | [13] | |
シネキッド映画祭 | 2023年 | 審査員賞 | 受賞 | [14] | |
ヨーロッパ映画賞 | 2023年12月9日 | 長編アニメーション賞 | ノミネート | [15] | |
グアダラハラ国際映画祭 | 2023年 | 長編アニメーション賞 | 受賞 | ||
国際シネフィル協会 | 2024年2月11日 | アニメーション賞 | ノミネート | [16] | |
リュミエール映画祭 | 2024年1月22日 | アニメーション賞 | 受賞 | [17] | |
音楽賞 | セレメント・デュコール | ノミネート | [18] |
出典
編集- ^ “Chicken for Linda! (2023)” (英語). Box Office Mojo. 2024年5月17日閲覧。
- ^ a b Debruge, Peter (2023-08-03). “'Chicken for Linda!' Review: Gorgeous French Toon Gets Mother-Daughter Bonds Better Than Most Live-Action Movies” (英語). バラエティ. オリジナルの2024-01-02時点におけるアーカイブ。 2024年6月21日閲覧。.
- ^ Campbell, Kambole (2023-08-31). “'Chicken for Linda!' Directors Malta & Laudenbach Give Us the Recipe for Their Acclaimed Movie” (英語). アニメーション・マガジン. オリジナルの2024-01-23時点におけるアーカイブ。 2024年6月21日閲覧。.
- ^ Leffler, Rebecca (2023年4月25日). “Charades unveils busy Cannes slate including 'Little Girl Blue' starring Marion Cotillard” (英語). スクリーン・デイリー. 2023年4月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月8日閲覧。
- ^ a b Ide, Wendy (2023年6月13日). “'Chicken For Linda!': Annecy Review” (英語). スクリーン・デイリー. 2023年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月8日閲覧。
- ^ a b Lemercier, Fabien (2023年6月13日). “Review: Chicken for Linda!” (英語). Cineuropa. 2024年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月8日閲覧。
- ^ Croll, Ben (2023-06-14). “Gkids Scoops Up 'Chicken for Linda!' Which Focuses On The Madcap Melancholy of Childhood” (英語). バラエティ. オリジナルの2023-08-05時点におけるアーカイブ。 2024年6月21日閲覧。.
- ^ Cherian, Anisha (2024年2月29日). “GKIDS to Release César-Winning Animated Feature "Chicken for Linda!" in Select Theaters Nationwide” (英語). GKIDS. 2024年6月21日閲覧。
- ^ “映画『リンダはチキンがたべたい!』公式サイト”. アスミック・エース. 2024年6月21日閲覧。
- ^ “Chicken for Linda!” (英語). Rotten Tomatoes. 2024年6月7日閲覧。
- ^ Lang, Jamie (2023年10月26日). “'Chicken For Linda!' Sweeps Animation Is Film Awards” (英語). カートゥーン・ブリュー. 2023年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月27日閲覧。
- ^ Lang, Jamie (2023年6月17日). “'Chicken For Linda!,' 'Robot Dreams,' '27,' Take Top Honors At 2023 Annecy Festival” (英語). カートゥーン・ブリュー. 2023年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月27日閲覧。
- ^ Barat, Mathilde (2024年2月23日). “César 2024: Anatomie d'une chute sacré meilleur film. Le palmarès complet de la 49e cérémonie” (フランス語). ル・フィガロ 2024年2月24日閲覧。
- ^ Abbatescianni, Davide (2023年10月27日). “Chicken for Linda! wins the Cinekid Lion for Best Children's Film” (英語). Cineuropa. 2024年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月27日閲覧。
- ^ Lang, Jamie (2023年10月19日). “European Film Awards Unveil 2023 Short And Animated Feature Nominees” (英語). Cartoon Brew. 2023年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月27日閲覧。
- ^ Stevens, Beth (2024年2月11日). “2024 ICS Award Winners” (英語). 国際シネフィル協会. 2024年2月12日閲覧。
- ^ Keslassy, Elsa (2024-01-22). “'Anatomy of a Fall' Wins Best Film, Actress, Screenplay at France's Lumiere Awards” (英語). バラエティ. オリジナルの2024-01-22時点におけるアーカイブ。 2024年1月22日閲覧。.
- ^ Roxborough, Scott (2023-12-14). “'Anatomy of a Fall' Leads France's Lumiere Award Nominations” (英語). ハリウッド・リポーター. オリジナルの2023-12-17時点におけるアーカイブ。 2024年6月27日閲覧。.