ヤロスラワ・シュウェドワ

ヤロスラワ・ヴャチェスラヴナ・シュウェドワYaroslava Shvedova, ロシア語: Яросла́ва Вячесла́вовна Шве́дова, 1987年9月12日 - )は、ロシアモスクワ出身でカザフスタンの女子プロテニス選手。2010年ウィンブルドン全米オープンで、バニア・キングと組んだダブルスで優勝した。WTAツアーでシングルス1勝、ダブルス13勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス25位、ダブルス3位。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

ヤロスラワ・シュウェドワ
Yaroslava Shvedova
ヤロスラワ・シュウェドワ
基本情報
フルネーム Yaroslava Vyacheslavovna
Shvedova
国籍 ロシアの旗 ロシア (2002–2008)
カザフスタンの旗 カザフスタン (2008–現在)
出身地 ロシア・モスクワ
生年月日 (1987-09-12) 1987年9月12日(37歳)
身長 180cm
体重 68kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2005年
引退年 2021年
ツアー通算 14勝
シングルス 1勝
ダブルス 13勝
生涯通算成績 643勝465敗
シングルス 357勝278敗
ダブルス 286勝187敗
生涯獲得賞金 $6,717,224
4大大会最高成績・シングルス
全豪 3回戦(2015)
全仏 ベスト8(2010・12)
全英 ベスト8(2016)
全米 4回戦(2016)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2012)
全仏 準優勝(2015)
全英 優勝(2010)
全米 優勝(2010)
優勝回数 2(英1・米1)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全豪 ベスト4(2013)
全仏 準優勝(2010)
全英 ベスト4(2016)
全米 ベスト8(2015・16・21)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 25位(2012年10月29日)
ダブルス 3位(2016年2月23日)

来歴

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コーチの父親とプロランナーの母親の間に産まれたシュウェドワは、父親の手ほどきにより8歳でテニスを始め、2005年にプロに転向する[1]

2006年のウィンブルドン選手権で予選を勝ち抜き4大大会に初出場する。

2007年2月に行われたバンガロール・オープンの決勝でマラ・サンタンジェロを 6-4, 6-4 で破り女子ツアーでシングルス初優勝を果たした。全米オープンではステファニー・フォレッツ英語版と組んだ女子ダブルスでベスト8に進出している。

ロシアの女子テニス界は選手層が厚いため、2008年にシュウェドワはオリンピックの出場を目指してカザフスタン国籍を取得。フェドカップにカザフスタン代表として出場している。

2010年はシングルスでは全仏オープンで、2回戦の第8シードアグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)を 7-5, 6-3 、3回戦の第28シードアリサ・クレイバノワを 6-2, 4-6, 6-0 、4回戦ではヤルミラ・グロートを 6-4, 6-3 で破り、4大大会で初めてベスト8に進出した。準々決勝では第4シードのエレナ・ヤンコビッチに 5-7, 4-6 で敗れた。ダブルスではバニア・キングと組んでウィンブルドンエレーナ・ベスニナ&ベラ・ズボナレワ組に 7–6(6), 6–2、全米オープンリーゼル・フーバー&ナディア・ペトロワ組を 2-6, 6-4, 7–6(4) で破り優勝している。

2011年全米オープンではシングルスは予選で敗退したが、 ダブルスでは2年連続の決勝に進出した。決勝でリーゼル・フーバー&リサ・レイモンド組に 6–4, 6–7(5), 6–7(3) で競り負けて連覇を逃した。

シングルスは低迷が続き100位以下にまでランキングを落としていたが、2012年全仏オープンでは予選から勝ち上がり、4回戦で前年優勝の李娜を 3-6, 6-2, 6-0 で破りベスト8に進出した。準々決勝ではペトラ・クビトバに 6-3, 2-6, 4-6 で敗れた。続くウィンブルドンでは3回戦で全仏準優勝者のサラ・エラニを 6-0, 6-4 で破り4回戦に進出した。この試合の第1セットでは1ポイントも落とさず24ポイントを連取する「ゴールデン・セット」を4大大会で初めて達成した[2]。公式戦での「ゴールデン・セット」は1968年のオープン化以降女子では初めてとなり、男子を含めても1983年にビル・スカンロン英語版が達成して以来2人目である。4回戦では優勝したセリーナ・ウィリアムズに 1-6, 6-2, 5-7 で敗れた。7月のロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルスでは2回戦でドイツのザビーネ・リシキに 6-4, 3-6, 5-7 で敗れた。ガリナ・ボスコボワと組んだダブルスも2回戦でロシアのマリア・キリレンコ&ナディア・ペトロワ組に 3-6, 2-6 で敗退した。2012年10月29日付けのシングルスランキングで自己最高の25位を記録し、2012年度のWTAアワードカムバック賞を受賞している。

2016年ウィンブルドン選手権ではシングルスでは4大大会で4年ぶりのベスト8に進出した。準々決勝ではビーナス・ウィリアムズに 6-7(5), 2-6 で敗れた。ティメア・バボシュと組んだダブルスでは決勝に進出しセリーナ・ウィリアムズ&ビーナス・ウィリアムズ組に 3-6, 4-6 で敗れ準優勝となった。

シュウェドワは2017年全仏オープンを最後に公式戦出場から遠ざかり、2018年10月に双子を出産した。

2021年に34歳で現役を引退した[3]ビリー・ジーン・キング・カップカザフスタン代表の監督に就任している。

WTAツアー決勝進出結果

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シングルス: 1回 (1勝1敗)

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大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (0–0) プレミア (0–0)
ティア III (1–0) インターナショナル (0–1)
ティア IV & V (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2007年2月18日   バンガロール ハード   マラ・サンタンジェロ 6–4, 6–4
準優勝 1. 2015年4月19日   ボゴタ クレー   テリアナ・ペレイラ 6–7(2), 1–6

ダブルス: 28回 (13勝15敗)

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大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (2–4)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (1-1)
プレミア5 (1-2)
ティア II (0–0) プレミア (2–2)
ティア III (0–1) インターナショナル (7–5)
ティア IV & V (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2008年9月14日   シンシナティ ハード   謝淑薇   マリア・キリレンコ
  ナディア・ペトロワ
3–6, 6–4, [8–10]
優勝 1. 2009年2月15日   パタヤ ハード   タマリネ・タナスガーン   ユリア・ベイゲルジマー
  ビタリア・ディアチェンコ
6–3, 6–2
準優勝 2. 2010年4月11日   マルベーリャ クレー   マリア・コンドラチェワ   サラ・エラニ
  ロベルタ・ビンチ
4–6, 2–6
準優勝 3. 2010年6月19日   スヘルトーヘンボス   バニア・キング   アーラ・クドゥリャフツェワ
  アナスタシア・ロディオノワ
6–3, 3–6, [6–10]
優勝 2. 2010年7月3日   ウィンブルドン   バニア・キング   エレーナ・ベスニナ
  ベラ・ズボナレワ
7–6(6), 6–2
優勝 3. 2010年9月13日   全米オープン ハード   バニア・キング   リーゼル・フーバー
  ナディア・ペトロワ
2-6, 6-4, 7–6(4)
準優勝 4. 2011年5月15日   ローマ クレー   バニア・キング   彭帥
  鄭潔
2–6, 3–6
優勝 4. 2011年7月31日   ワシントンD.C. ハード   サニア・ミルザ   オリガ・ゴボツォワ
  アーラ・クドゥリャフツェワ
6–3, 6–3
優勝 5. 2011年8月20日   シンシナティ ハード   バニア・キング   ナタリー・グランディン
  ブラディミラ・ウーリロバ
6–4, 3–6, [11–9]
準優勝 5. 2011年9月11日   全米オープン ハード   バニア・キング   リーゼル・フーバー
  リサ・レイモンド
6–4, 6–7(5), 6–7(3)
準優勝 6. 2011年10月16日   大阪 ハード   バニア・キング   クルム伊達公子
  張帥
5–7, 6–3, [9–11]
優勝 6. 2011年10月22日   モスクワ ハード
(室内)
  バニア・キング   アナスタシア・ロディオノワ
  ガリナ・ボスコボワ
7–6(3), 6–3
準優勝 7. 2012年4月8日   チャールストン クレー   アナベル・メディナ・ガリゲス   アナスタシア・パブリュチェンコワ
  ルーシー・サファロバ
7–5, 4–6, [6–10]
準優勝 8. 2012年5月5日   エストリル クレー   ガリナ・ボスコボワ   荘佳容
  張帥
6-4, 1-6, [9-11]
準優勝 9. 2013年1月5日   オークランド ハード   ユリア・ゲルゲス   カーラ・ブラック
  アナスタシア・ロディオノワ
6–2, 2–6, [5–10]
優勝 7. 2013年3月1日   フロリアノーポリス ハード   アナベル・メディナ・ガリゲス   アン・キオザボング
  バレリア・サビニフ
6-0, 6-4
優勝 8. 2013年9月14日   タシケント ハード   ティメア・バボシュ   オリガ・ゴボツォワ
  マンディ・ミネラ
6–3, 6–3
優勝 9. 2014年2月28日   フロリアノーポリス ハード   アナベル・メディナ・ガリゲス   フランチェスカ・スキアボーネ
  シルビア・ソレル=エスピノサ
7–6(1), 2–6, [10–3]
優勝 10. 2014年4月6日   チャールストン クレー   アナベル・メディナ・ガリゲス   詹詠然
  詹皓晴
7–6(4), 6–2
優勝 11. 2015年5月9日   マドリード クレー   ケーシー・デラクア   ガルビネ・ムグルサ
  カルラ・スアレス・ナバロ
6–3, 6–7(4), [10–5]
準優勝 10. 2015年6月7日   全仏オープン クレー   ケーシー・デラクア   ベサニー・マテック=サンズ
  ルーシー・サファロバ
6–3, 4–6, 2–6
準優勝 11. 2015年8月23日   シンシナティ ハード   ケーシー・デラクア   詹皓晴
  詹詠然
4–6, 5–7
準優勝 12. 2015年9月13日   全米オープン ハード   ケーシー・デラクア   マルチナ・ヒンギス
  サニア・ミルザ
3–6, 3–6
優勝 12. 2015年10月18日   香港 ハード   アリーゼ・コルネ   ララ・アルアバレナ
  アンドレヤ・クレパーチ
7–5, 6–4
準優勝 13. 2016年4月3日   マイアミ ハード   ティメア・バボシュ   ベサニー・マテック=サンズ
  ルーシー・サファロバ
3-6, 4-6
優勝 13. 2016年6月12日   スヘルトーヘンボス   オクサナ・カラシニコワ   クセーニャ・クノル
  アレクサンドラ・クルニッチ
6–1, 6–1
準優勝 14. 2016年7月9日   ウィンブルドン   ティメア・バボシュ   セリーナ・ウィリアムズ
  ビーナス・ウィリアムズ
3-6, 4-6
準優勝 15. 2017年2月18日   ドーハ ハード   オリガ・サブチュク   アビゲイル・スピアーズ
  カタリナ・スレボトニク
3–6, 6–7(7)

4大大会ダブルス優勝

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全仏オープン女子ダブルス準優勝:2015年/年混合ダブルス準優勝:2010年)

4大大会シングルス成績

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略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 通算成績
全豪オープン A LQ 2R 1R 2R A LQ 1R 1R 3R 2R 1R A A A 1R 5–9
全仏オープン LQ 1R LQ 3R QF 1R QF 2R 2R 1R 1R 1R A A A A 12–10
ウィンブルドン 1R 1R LQ 2R 2R 1R 4R 2R 4R 1R QF A A A NH A 13–9
全米オープン LQ 1R 1R 3R 1R LQ 2R 3R 1R LQ 4R A A A A 1R 8–9

: 2013年ウィンブルドン2回戦の不戦敗は通算成績に含まない

脚注

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外部リンク

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受賞
先代
  ザビーネ・リシキ
WTAカムバック賞
2012
次代
  アリサ・クレイバノワ