ヤトハ
ヤトハ(ロシア語:Ят-ха, Ятха、英: Yat-Kha)は、メインヴォーカル/ギターのアルベルト・クベズィンを中心としたロックバンド。1992年、モスクワにて結成。バンド名はモンゴルの箏であるヤトガに由来しているが、トゥバ語で「貧乏兄ちゃん」であるヤドゥー・ハ(ядыы-ха)[1]という隠れた意味を持つ[2][3]。メンバーの変動を経て、2005年からはおおむね現在のユニット(クベズィン、モングシュ、シピオ、トカチョフ)で定着している。クベズィンはロシア連邦トゥバ共和国出身であるが、母方にハカス人(ハース)の血をひいている。そのことも起因して、彼らのロックには、トゥバやロシアの民謡以外に、トゥバ周辺民族の民謡や、世界のさまざまな音楽が消化されている。
北村龍平監督「ヒート・アフター・ダーク」(1996)では、全編ヤトハの音楽が使われている。
現在のメンバー
編集アルベルト・クベズィン Albert Kuvezin - ギター、ボーカル
ショルバン・モングシュ Sholban Mongush – イギル 、ボーカル
イェフゲーニ・トカチョフ Evgeny Tkachev aka Rasputin – ドラム、マンドリン、コーラス
テオドール・シピオTheodore Scipio – ベース
アルバム
編集- 1989 The Spectre of Coming Disaster(カセット版)(ロシア語版は1991 Priznak Gryadushchei Bedy(カセット版))
- 1992 Antropophagia(カセット版は別タイトル「Khanparty」)
- 1995 Yenisei Punk(日本語版は1997年P-Vine Recordsより、ボーナストラック付き)
- 1996 Tundra's Ghosts
- 1999 Dalai Beldiri
- 2000 Aldyn Dashka
- 2001 Bootleg (in Europe Live 2001)
- 2003 tuva.rock
- 2005 Re-Covers
- 2005 Bootleg 2005
- 2010 Poets and Lighthouses
- 2010 Ways of Nomad the Best
- 2011 Live at The Stray Dog
受賞
編集1991 - カザフスタンのアルマトゥでの『アジアの声』にて「ブライアン・イーノ賞」
1995 – アルバム「イェニセイ・パンク」がフランス RFI「東洋の発見賞」
1996 - ラジオ・フランス国際コンテスト『東洋のポップとロック』にて「審査員賞」
1997 – ヤトハのビデオ・ドキュメンタリー「ドゥングルダイ」(ゲルド・コンラッド監督)がフランス・カンヌの国際音楽著作権見本市の「低予算」部門にて1位
1999 – アルバム「ダライ・ベルディリ」が「1999年ドイツ批評家賞」
2002 - モスクワにて民族音楽における、ベスト・クラブ・パフォーマンス賞
2002 – BBCラジオ3 の「ワールド・ミュージック賞」(アジア・太平洋部門)
2007 – ロシア連邦シュシェンスコエ『サヤンの環』にて「金のイリア賞」(シベリアの民族音楽の伝説部門)
2009 - ロシア連邦アルタイ共和国『ワールド・ミュージック・フェスティバル・イン・アルタイ』にて「金のアルタイ賞」
その他
編集- iPhone 15 Pro - TVCM曲として、"Karangailyg Kara Hovaa (Dyngyldai)"が使われた。
参考文献
編集- ^ Тенишев, Э. Р. Тувинско-русский словарь, // М. Советская Энциклопедия, С. 458, 625.
- ^ 2012年11月・アルベルト・クベズィンへのインタビュー
- ^ http://www.harmony-fields.com/a-yatkha/biography.html