ヤクシニー (夜叉)
ヤクシニー (Yakṣinī) またはヤクシー (Yakṣī)[1]は、インド神話におけるヤクシャの女性の総称である。仏教では男女とも「夜叉」と表記されるが「薬叉女」と言う場合もある[1]。ヤクシニーをクベーラの妻とする場合もある[1]。ヤクシャ同様、ヤクシニーは森などに出現する精であったり財宝の神であったり豊穣の神であったりする[2]。
ヤクシャとヤクシニー、特にヤクシニーはガンダーラ美術の影響もあって「菩薩」化した。このため菩薩か女神のような像になっている[3]。
スリランカでヤクシャに相当するのは「ヤカー」と呼ばれる悪霊である。鈴木正崇によれば、ヤカーは元は土地の精霊であり、さらに遡るとサーンチーの仏塔の女夜叉像のような樹木の精霊であったと考えられる[5]。仏教におけるヤクシニーの代表は鬼子母神(ハーリーティー)である[要出典]。
- ヤクシニー像
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10世紀のヤクシニー像
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エローラ石窟群34番のジャイナ教のヤクシニー像
脚注
編集参考文献
編集- 菅沼晃編 編『インド神話伝説辞典』東京堂出版、1985年3月。ISBN 978-4-490-10191-1。 ※特に注記がなければページ番号は本文以降
- 永田郁「古代インドにおける蓮華手ヤクシャと観音菩薩の関係について - 『ヤクシャの菩薩化』をめぐる問題」『密教図像』第24号、密教図像学会、2005年12月、pp.16-30, 図巻頭p.1、NAID 40018851808。