モンクス・ミュージック
モンクス・ミュージック(英語: Monk’s Music)は、ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクが1957年に録音・発表したアルバム。編成は一部の曲を除いて、モンク、レイ・コープランド、ジジ・グライス、コールマン・ホーキンス、ジョン・コルトレーン、ウィルバー・ウェア、アート・ブレイキーによる4管のセプテットである。
『モンクス・ミュージック』 | |
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セロニアス・モンク の スタジオ・アルバム | |
リリース | |
録音 | 1957年6月25日-26日 |
ジャンル | ジャズ |
時間 | |
レーベル | リバーサイド・レコード |
プロデュース | オリン・キープニュース |
専門評論家によるレビュー | |
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レビュー・スコア | |
出典 | 評価 |
Allmusic | [1] |
Pitchfork | 9.1/10[2] |
The Rolling Stone Jazz Record Guide | [3] |
Encyclopedia of Popular Music | [4] |
解説
編集本作は4管+リズム・セクションのセロニアス・モンク・セプテット名義であるが、1曲目の「 アバイド・ウィズ・ミー 」 (セロニアス・モンクと同姓の19世紀の作曲家ウィリアム・ヘンリー・モンク の賛美歌) は、ホーン・セクションのみで[1]、3曲めの「 ルビー・マイ・ディア 」は、コールマン・ホーキンスとリズム・セクションのみで演奏されている。「ルビー・マイ・ディア」のアウトテイクは、『コンプリート1957リバーサイド・レコーディングス』に収録されている[5]。
また、Original Jazz Classics Remasters 版に含まれる「ブルース・フォー・トゥモロー」にもモンクは参加していないが、これは生産性の低かった初日のセッションにおいて、モンクが機嫌を損ね帰宅した後、利用可能な録音が欲しかったプロデューサーのオリン・キープニュースの頼みにより、残りのメンバーによって演奏されたものである[6]。
2曲めの「ウェル、ユー・ニードント」のコルトレーンのソロの直前で、モンクが「コルトレーン!コルトレーン!」と叫んでいるのを聴くことができる。
本作は、モンクにとってステレオとモノラルの両方で発売された初めてのアルバムで、ステレオ版LPはモノラル版LPの9か月後の、1958年8月にリリースされた[7]。両版に収録されている演奏自体は同じものだが、モノラル版はステレオ版よりも近くに設置されたマイクによる録音を使用している[8]。また、オリジナルのステレオ版には「クレパスキュール・ウィズ・ネリー」が含まれていなかった[9]。
評価
編集オールミュージックの専門家レビューは、本作に4.5/5の評価を与えている。評者のリンゼイ・プラナー (英語: Lindsay Planer) は、本作には「アンサンブルの素晴らしい相互作用」が含まれており、「エピストロフィー」はコルトレーンとモンクの最高の共演であると述べている[1]。
収録曲
編集特記がないかぎり、セロニアス・モンクの作曲。
オリジナルLP
編集A面
編集- 「アバイド・ウィズ・ミー (英語: Abide with Me)」(ヘンリー・フランシス・ライト 、ウィリアム・ヘンリー・モンク)
- 「ウェル、ユー・ニードント (英語: Well, You Needn’t)」
- 「ルビー、マイ・ディア (英語: Ruby, My Dear)」
B面
編集- 「オフ・マイナー (英語: Off Minor、テイク5)」
- 「エピストロフィー (英語: Epistrophy)」(モンク、ケニー・クラーク)
- 「クレパスキュール・ウィズ・ネリー (英語: Crepuscule with Nellie、テイク6)」[† 1]
1987年版CD
編集- 「アバイド・ウィズ・ミー」 (ライト、W・H・モンク) – 0:51
- 「ウェル、ユー・ニードント」– 11:24
- 「ルビー、マイ・ディア」– 5:26
- 「オフ・マイナー (テイク5)」– 5:07
- 「オフマイナー (テイク4)」[† 2][† 3] – 5:12
- 「エピストロフィー」 (モンク、クラーク) – 10:45
- 「クレパスキュール・ウィズ・ネリー (テイク6)」– 4:37
- 「クレパスキュール・ウィズ・ネリー (テイク4 & 5)」[† 2][† 3] – 4:43[10]
2011年版CD (Original Jazz Classics Remasters)
編集演奏メンバー
編集脚注
編集出典
編集- ^ a b c Planer, Lindsay. “Monk's Music - Thelonious Monk Septet, Thelonious Monk | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. 2021年1月7日閲覧。
- ^ “Monk's Music”. Pitchfork (12 March 2017). 2011年1月7日閲覧。
- ^ Swenson, J., ed (1985). The Rolling Stone Jazz Record Guide. USA: Random House/Rolling Stone. pp. 145. ISBN 0-394-72643-X
- ^ Larkin, Colin (2007). Encyclopedia of Popular Music (4th ed.). Oxford University Press. ISBN 978-0195313734
- ^ Jurek, Thom. “The Complete 1957 Riverside Recordings - Thelonious Monk | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. 2021年1月7日閲覧。
- ^ a b May, Chris (April 24, 2011). “Thelonious Monk: Monk's Music album review @ All About Jazz”. All About Jazz. 2021年1月7日閲覧。
- ^ Editorial Staff, Cash Box (August 9, 1958). “August Album Releases”. The Cash Box (New York: The Cash Box Publishing Co. Inc.) 2 May 2020閲覧。
- ^ “Thelonious Monk Monk’s Music (1957) Riverside”. LondonJazzCollector (2012年8月14日). 2020年12月1日閲覧。
- ^ “Thelonious Monk Septet - Monk's Music (1958, Vinyl)”. Discogs. 2020年12月1日閲覧。
- ^ “Thelonious Monk Septet - Monk's Music (1987, CD)”. Discogs. 2020年12月1日閲覧。
- ^ “Thelonious Monk - Monk's Music (2011, CD)”. Discogs. 2020年12月1日閲覧。