メゾチント
概要
編集1640年ころ、ドイツ人のL・ファン・ジーゲンが考案し、17世紀から18世紀にかけてイギリスにおいて発達した [1]。その後、1875年にイタリア人エドアルド・キヨッソーネが日本にメゾチントの技法を伝えた。
銅版などの金属凹版にロッカーという櫛のような刃がついた器具で版全体に無数の刻みを入れたり、ささくれ状態の線をつくったりする。さらにその上をバーニッシャーやスクレーパーという金属のヘラのような器具でささくれを削ったりならしたりして絵を描き、刷る際にはインクを細かな刻みに擦り込んだ後に、刻みのない部分からは拭い落とす。これにより、刻みが残っている部分はインクの色が濃く現れ、刻みが削られたりならされたりした部分は白く浮き出るという効果が得られ、微妙な明暗の加減を楽しむことが出来る。
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2つのサイズのロッカー
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ロッカーを使っている様子
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ヨハン・ピーター・ピヒラー作「巨大な洞窟の旅行者」1800年頃
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ジョン・エヴァレット・ミレー「洪水」1897
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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー「ミノタウロスの難破船」メゾチントに水彩で着色 1806年頃
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トマス・ゲインズバラ作「青衣の少年」のメゾチントによる複製