ムラサキサギゴケ(紫鷺苔、学名: Mazus miquelii)は、サギゴケ科[注 1]サギゴケ属多年草。植物分類学上の標準和名サギゴケ(鷺苔)で、その別名のひとつがムラサキサギゴケとしている[1]。ただし、本種の白花に限ってサギゴケということもある。和名「ムラサキサギゴケ」の由来は、花が紫色で、形がサギ(鷺)が飛んでいるようすに見立てて苔のように広がっていることから名付けられている[3]

ムラサキサギゴケ
ムラサキサギゴケ
2006年4月26日撮影(川崎市麻生区)
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: サギゴケ科 Mazaceae
: サギゴケ属 Mazus
: ムラサキサギゴケ M. miquelii
学名
Mazus miquelii Makino (1902)[1]
シノニム
和名
紫鷺苔、鷺苔
英名
Miquel's mazus

特徴

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日本本州四国九州に分布し、湿った野原や水田のあぜ道などの日当たりの良い場所に生える[3]

多年性の草本[3]匍匐茎で広がっていき[4]、群生していることが多い[3]

花期から初夏(4 - 6月)[3](たまに)で、上にめくれた小さな上唇と、3つに裂けた大きな下唇の花びらからできている唇形花で、花の基部は筒状である[5]。下唇の中央の黄褐色の目立つ斑紋があり、ここに細かいが生えている[3]。この斑紋の部分は、虫たちに蜜のありかを教える目印となり、虫が止まる足場の役目をしている[3]。花の小さな上唇は深裂するが、裂け目の角度が浅くわかりにくいことがある。

上唇の内側に、4本の雄蕊と1本の雌蕊があり、導かれたハナバチの頭や背中に確実に接触して受粉するように出来ている[3]柱頭は2つに分れ、触れると閉じる柱頭運動があり、送粉者に付着した花粉を積極的に取り込み受粉を促す役割をしていると考えられている。この動きを律動にたとえジョロウバナの別称があるが、漢字で女郎花と書くとこれはオミナエシをさす[6]

変種

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  • サギゴケ Mazus miquelii f. albiflorus (Makino) Makino
  • モモイロサギゴケ Mazus miquelii f. roseus (Honda) Nakai
  • ジャカゴソウ Mazus miquelii f. contractus (Makino) Sugim. ex T.Yamaz.

近縁種

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本種と似た同植物に一年生のトキワハゼがある。

脚注

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注釈

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  1. ^ 古い分類体系である新エングラー体系クロンキスト体系ではゴマノハグサ科 (Scrophulariaceae) であったが[1]、新分類のAPG体系からはハエドクソウ科 (Phrymaceae) に分類され、さらにサギゴケ科 (Mazaceae: APGIII) として独立した。

出典

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  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Mazus miquelii Makino サギゴケ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月15日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Mazus miquelii Makino var. stolonifer (Maxim.) Nakai サギゴケ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 亀田龍吉 2019, p. 20.
  4. ^ 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0 
  5. ^ 亀田龍吉 2019, pp. 20–21.
  6. ^ 稲垣栄洋三上修『身近な野の草 日本のこころ』筑摩書房ちくま文庫〉、2014年3月10日、111頁。ISBN 978-4480431387 

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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