ミルクティー同盟
ミルクティー同盟(ミルクティーどうめい)は、香港、台湾(中華民国)、タイ王国、ミャンマーで起こっているネット上での民主化連帯運動である[2]。もともとはインターネットミームであったが、SNSでの親中派の荒らしや中国の網軍ナショナリストの増加に伴い作成され[3] 、東南アジアの民主主義と人権を推進する国際的抗議運動に発展した。また、中国との国境紛争を抱えるインドでも支持が広がっている[4]。支持者のツイートでは「#MilkTeaAlliance」が用いられる。
経過
編集ミルクティー同盟という言葉は、初期の反北京的な用法から「東南アジア全体の変化を推進する抗議運動」へと変化した[5]。
『デイリー・テレグラフ』は、ミルクティー同盟を「地域の連帯の稀な瞬間」と評した[6]。Pallabi Munsiは『OZY』に寄稿し、五毛党と小粉紅に立ち向かうミルクティー同盟を「中国のインターネット・トロルに立ち向かうアジアの義勇兵」と評した[7]。
名前の由来
編集東南アジアの多くの国で歴史的にミルクティーを飲むのに対し、中国では、紅茶を飲む際にミルクを用いないため東南アジアの人々は反中国連帯の象徴と見なしている[8]。台湾、香港、タイ、ミャンマー、インドはそれぞれの国・地域がタピオカティー、香港式ミルクティー、チャーイェン、ラペイエ、チャイという独自のミルクティー文化を有している[9][4]。
背景
編集タイでは、中国の抑圧に抵抗している香港と軍事的、経済的な威圧を受けている台湾を支持することで、タイの多数の民主化運動グループが統合されて中国批判が反権威主義のプラットフォームとなり、香港と台湾のTwitterユーザーがタイのTwitterユーザーと合流した[9][10]。また、フィリピン、インド、マレーシア、インドネシア、ベラルーシ、イランでも影響力・支持を増している[11]。その背景としては、インドは中国と国境紛争、フィリピン及びマレーシアは中国と南シナ海における領有権問題を抱えており、また、中国はインドネシアのナトゥナ諸島近海の領有権を主張していることがある。その他、フィリピンではロドリゴ・ドゥテルテ(反テロ法など[11])、ベラルーシではルカシェンコによる強権政治、イランでは「独裁政治体制」が維持されている。
脚注
編集- ^ “【我們信靠奶茶】「泰幽默」擊退「小粉紅」 泰港台三地網民籲組「奶茶聯盟」齊抗中國網軍”. 立場新聞. (2020年4月16日). オリジナルの2020年8月20日時点におけるアーカイブ。 2020年9月13日閲覧。
- ^ “Junta to junta: As Milk Tea Alliance brews in Myanmar, how far can it go?” (英語). Southeast Asia Globe (2021年2月11日). 2021年2月12日閲覧。
- ^ Lau. “Why the Taiwanese are thinking more about their identity”. www.newstatesman.com. New Statesman. 2020年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月15日閲覧。
- ^ a b “15歳のニュース ミルクティー同盟 アジアの若者×デモ 「求む民主化」で連帯”. 毎日新聞. (2021年4月3日). オリジナルの2022年5月21日時点におけるアーカイブ。 2022年5月21日閲覧。
- ^ Chen. “Milk Tea Alliance: How A Meme Brought Activists From Taiwan, Hong Kong, and Thailand Together”. www.vice.com. 2020年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月18日閲覧。
- ^ Smith, Nicola (2020年5月3日). “#MilkTeaAlliance: New Asian youth movement battles Chinese trolls”. デイリー・テレグラフ. オリジナルの2020年7月2日時点におけるアーカイブ。
- ^ Munsi, Pallabi (2020年7月15日). “The Asian Volunteer Army Rising Against China’s Internet Trolls”. OZY. オリジナルの2020年7月29日時点におけるアーカイブ。
- ^ Deol. “‘We conquer, we kill’: Taiwan cartoon showing Lord Rama slay Chinese dragon goes viral”. theprint.in. The Print. 2020年6月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月18日閲覧。
- ^ a b Tanakasempipat. “Young Thais join 'Milk Tea Alliance' in online backlash that angers Beijing”. mobile.reuters.com. Reuters. 2020年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月18日閲覧。
- ^ Bunyavejchewin. “Will the ‘Milk Tea War’ Have a Lasting Impact on China-Thailand Relations?”. thediplomat.com. The Diplomat. 2020年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月4日閲覧。
- ^ a b “'Milk Tea Alliance' pushes for democracy vs China's authoritarianism”. ABS-CBN News. (2021年4月14日). オリジナルの2022年4月10日時点におけるアーカイブ。 2022年5月21日閲覧。