ミラクルレジェンド
ミラクルレジェンド (英: Miracle Legend) は日本の競走馬。主な勝ち鞍はレパードステークス、クイーン賞、レディスプレリュード、JBCレディスクラシック、マリーンカップ、エンプレス杯。馬名は父名の一部を英語にしたもの(キセキ→ミラクル)と母名の一部を合わせた造語。
ミラクルレジェンド | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
欧字表記 | Miracle Legend | ||||||||||||||||||||
品種 | サラブレッド | ||||||||||||||||||||
性別 | 牝 | ||||||||||||||||||||
毛色 | 栗毛 | ||||||||||||||||||||
生誕 | 2007年2月17日(17歳) | ||||||||||||||||||||
登録日 | 2009年7月30日 | ||||||||||||||||||||
抹消日 | 2013年3月2日[1] | ||||||||||||||||||||
父 | フジキセキ | ||||||||||||||||||||
母 | パーソナルレジェンド | ||||||||||||||||||||
母の父 | Awesome Again | ||||||||||||||||||||
生国 | 日本(北海道千歳市) | ||||||||||||||||||||
生産者 | 社台ファーム | ||||||||||||||||||||
馬主 | 吉田照哉 | ||||||||||||||||||||
調教師 | 藤原英昭(栗東) | ||||||||||||||||||||
厩務員 | 川那部由紀[2] | ||||||||||||||||||||
競走成績 | |||||||||||||||||||||
生涯成績 |
12戦5勝(中央競馬) 13戦7勝(地方競馬) | ||||||||||||||||||||
獲得賞金 | 9952万円(中央競馬)/2億3290万円(地方競馬) | ||||||||||||||||||||
|
戦績
編集2009年
編集デビュー戦は8月22日、札幌芝1500mの新馬戦。直線追い込むも6着だった。以後2戦は芝1600mを使うも3着、6着に敗れた。
2010年
編集4ヶ月半の休み明けで初ダート戦となる4月18日の阪神ダート1800mの未勝利戦で直線差しきって初勝利を飾った。続く京都のダート1800mの500万下戦も直線抜け出して勝利。1000万下のあおぎりステークスも差し切って3連勝となった。陣営は初重賞となるジャパンダートダービーは牡馬相手に4着に健闘した。そしてレパードステークスは最後の直線でグリッターウイングとの叩き合いを制し、重賞初勝利を飾った。12月8日船橋のクイーン賞では好位の4・5番手で競馬を進め、マイペースで逃げたザッハーマインを直線半ばで交して1馬身半差で勝利、重賞2連勝となった。
2011年
編集2月2日大井のTCK女王盃では好位追走から脚を伸ばし、直線でラヴェリータとの叩き合いになったが、クビ差で2着に敗れた。3月2日川崎のエンプレス杯は中団から追い込んでラヴェリータ、ブラボーデイジー、プレシャスジェムズとの激しい争いになるが3着。7月18日盛岡のマーキュリーカップでは2番手追走も直線で伸びを欠き5着に敗れる。8月6日新潟の関越ステークスでは好位から抜け出すとウインペンタゴンに1馬身3/4差をつけて勝利した。9月29日大井のレディスプレリュードでは好位6番手に控え、直線残り150m付近でラヴェリータを交わし、重賞3勝目となった。11月3日大井のJBCレディスクラシックでは好位追走から3コーナーで徐々に前へ進出すると直線でラヴェリータとの激しいデッドヒートを制し重賞4勝目、勝ちタイムは1980年にカツアールが記録したタイムを0.3秒更新するコースレコードだった[3]。12月4日のジャパンカップダートでは後方から追い上げてくるものの6着だった。
2012年
編集2月29日のエンプレス杯に出走予定だったが、降雪によって開催中止となる。4月4日のマリーンカップでは後方から差し切って1馬身半の差をつけて勝利した。5月19日の東海ステークスでは中団追走も直線で伸びを欠き5着に敗れる。6月27日の帝王賞は5着、連闘で挑んだスパーキングレディーカップは3着だった。秋のレディスプレリュードとJBCレディスクラシックはいずれも1番人気に応えて連覇を果たした。しかし暮れのジャパンカップダートは後方から追い上げるも6着だった。
2013年
編集1月20日の東海ステークスは後方から追い込むが6着。そして引退レースとなったエンプレス杯は1番人気に応えて勝利し、引退に花を添えた。3月2日で競走馬登録を抹消。引退後は生まれ故郷の社台ファームで繁殖生活に入る[4]。
エピソード
編集2011年3月11日に発生した東日本大震災当日、本馬は宮城県山元町の山元トレーニングセンターに滞在していた[5]。幸い、本馬を含めて滞在中の馬には被害がなかったものの、水道や電気の止まったために他の牧場へと避難した。栗東トレーニングセンターへ戻ったのち、同年11月のJBCレディスクラシックを勝利するなど活躍。管理する藤原英昭調教師は「震災を乗り越えて、重賞をいくつも勝ったんだからな。鉄の女や」と讃えている[5]。
競走成績
編集年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭数 | オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 [kg] |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2009. | 8.22札幌 | 2歳新馬 | 14 | 5.3 | (2人) | 6着 | 岩田康誠 | 54 | 芝1500m(良) | 1:31.4 (34.6) | 0.7 | ニシノモレッタ | |
10.31 | 京都 | 2歳未勝利 | 13 | 2.6 | (2人) | 3着 | 岩田康誠 | 54 | 芝1600m(良) | 1:35.1 (35.9) | 0.3 | カスクドール | |
11.29 | 京都 | 2歳未勝利 | 18 | 6.4 | (4人) | 6着 | 藤田伸二 | 54 | 芝1600m(良) | 1:35.8 (35.8) | 0.5 | シーキングフェイム | |
2010. | 4.18阪神 | 3歳未勝利 | 15 | 2.2 | (1人) | 1着 | 国分恭介 | 52 | ダ1800m(稍) | 1:54.9 (36.9) | -0.8 | (ヤマニンビサージュ) | |
5. 8 | 京都 | 3歳500万下 | 15 | 5.3 | (3人) | 1着 | 岩田康誠 | 54 | ダ1800m(稍) | 1:52.9 (36.5) | -0.2 | (タガノジンガロ) | |
6.13 | 京都 | あおぎりS | 1000万下 | 15 | 23.7 | (7人) | 1着 | 岩田康誠 | 54 | ダ1800m(良) | 1:51.2 (36.6) | -0.2 | (ナリタスプリング) |
7.14 | 大井 | ジャパンDダービー | JpnI | 12 | 9.3 | (4人) | 4着 | 岩田康誠 | 56 | ダ2000m(重) | 2:05.3 (37.2) | 0.1 | マグニフィカ |
8.22 | 新潟 | レパードS | 重賞 | 13 | 3.3 | (2人) | 1着 | 北村宏司 | 54 | ダ1800m(良) | 1:51.8 (37.2) | 0.0 | (グリッターウイング) |
12. 8 | 船橋 | クイーン賞 | JpnIII | 14 | 3.3 | (2人) | 1着 | 岩田康誠 | 55 | ダ1800m(重) | 1:52.5 (38.3) | -0.3 | (ザッハーマイン) |
2011. | 2. 2大井 | TCK女王盃 | JpnIII | 16 | 1.7 | (1人) | 2着 | 岩田康誠 | 55 | ダ1800m(良) | 1:52.4 (36.3) | 0.0 | ラヴェリータ |
3. 2 | 川崎 | エンプレス杯 | JpnII | 12 | 2.0 | (2人) | 3着 | C.デムーロ | 54 | ダ2100m(不) | 2:15.4 (36.8) | 0.1 | ラヴェリータ |
7.18 | 盛岡 | マーキュリーC | JpnIII | 8 | 3.1 | (2人) | 5着 | 岩田康誠 | 53 | ダ2000m(良) | 2:06.5 (38.0) | 2.3 | ゴルトブリッツ |
8. 6 | 新潟 | 関越S | OP | 13 | 4.5 | (2人) | 1着 | 北村宏司 | 55 | ダ1800m(良) | 1:50.0 (36.6) | -0.3 | (ウインペンタゴン) |
9.29 | 大井 | レディスプレリュード | 重賞 | 16 | 3.3 | (2人) | 1着 | 岩田康誠 | 56 | ダ1800m(良) | 1:50.8 (36.2) | -0.3 | (ラヴェリータ) |
11. 3 | 大井 | JBCレディスクラシック | 重賞 | 13 | 2.0 | (2人) | 1着 | 岩田康誠 | 55 | ダ1800m(良) | R1:49.6 (35.9) | -0.1 | (ラヴェリータ) |
12. 4 | 阪神 | ジャパンCダート | GI | 16 | 20.7 | (6人) | 6着 | 岩田康誠 | 55 | ダ1800m(良) | 1:51.1 (37.1) | 0.5 | トランセンド |
2012. | 2.29川崎 | エンプレス杯 | JpnII | 降雪により開催中止 | |||||||||
4. 4 | 船橋 | マリーンC | JpnIII | 13 | 1.6 | (1人) | 1着 | 岩田康誠 | 56 | ダ1600m(重) | 1:40.3 (37.8) | -0.2 | (クラーベセクレタ) |
5.19 | 京都 | 東海S | GII | 15 | 4.1 | (2人) | 5着 | C.ウィリアムズ | 54 | ダ1900m(良) | 1:56.6 (36.1) | 0.2 | ソリタリーキング |
6.27 | 大井 | 帝王賞 | JpnI | 13 | 12.0 | (5人) | 5着 | 内田博幸 | 55 | ダ2000m(良) | 2:04.3 (37.6) | 1.3 | ゴルトブリッツ |
7. 4 | 川崎 | スパーキングレディーC | JpnIII | 11 | 1.8 | (1人) | 3着 | 岩田康誠 | 56 | ダ1600m(重) | 1:39.6 (37.4) | 0.3 | スティールパス |
10. 4 | 大井 | レディスプレリュード | 重賞 | 13 | 1.4 | (1人) | 1着 | 岩田康誠 | 56 | ダ1800m(不) | 1:54.0 (37.3) | -0.3 | (プリンセスペスカ) |
11. 5 | 川崎 | JBCレディスクラシック | 重賞 | 12 | 1.4 | (1人) | 1着 | 岩田康誠 | 55 | ダ1600m(良) | 1:40.7 (38.3) | -0.2 | (クラーベセクレタ) |
12. 2 | 阪神 | ジャパンCダート | GI | 16 | 98.3 | (14人) | 6着 | 川田将雅 | 55 | ダ1800m(良) | 1:50.1 (36.8) | 1.3 | ニホンピロアワーズ |
2013. | 1.20中京 | 東海S | GII | 16 | 13.5 | (6人) | 6着 | 岩田康誠 | 54 | ダ1800m(良) | 1:51.6 (37.3) | 0.6 | グレープブランデー |
2.27 | 川崎 | エンプレス杯 | JpnII | 11 | 1.1 | (1人) | 1着 | 岩田康誠 | 55 | ダ2100m(稍) | 2:15.9 (38.5) | -0.3 | (エミーズパラダイス) |
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す。
繁殖成績
編集馬名 | 生年 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 厩舎 | 戦績 | 勝ち鞍 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | コンプリートベスト | 2014年 | 牝 | 鹿毛 | エンパイアメーカー | 吉田照哉 | 栗東・佐々木晶三 | 17戦3勝(引退) | [6] | |
2番仔 | グレートタイム | 2015年 | 牡 | 黒鹿毛 | キングカメハメハ | 金子真人ホールディングス(株) | 栗東・藤原英昭 | 31戦5勝(引退) | 2020年:夏至ステークス(3勝)[7] 2021年:ブラジルカップ[8](L) |
[9] |
3番仔 | エターナルディーバ | 2016年 | 牝 | 栗毛 | (有)社台レースホース | 栗東・清水久詞 | 15戦1勝(引退・繁殖) | [10] | ||
4番仔 | サトノアレックス | 2017年 | 牡 →騸 |
栗毛 | ヘニーヒューズ | (株)サトミホースカンパニー | 美浦・古賀慎明 →高知・打越勇児 |
46戦6勝(現役) | [11] | |
5番仔 | ラブオブマイライフ | 2018年 | 牝 | 栗毛 | キングカメハメハ | 吉田千津 | 栗東・長谷川浩大 →船橋・山下貴之 |
10戦3勝(引退・繁殖) | [12] | |
6番仔 | タヒチアンダンス | 2019年 | 牝 | 栗毛 | 吉田照哉 | 美浦・加藤征弘 | 9戦3勝(引退・繁殖) | [13] | ||
7番仔 | ミラクルティアラ | 2020年 | 牝 | 栗毛 | ヘニーヒューズ | (株)グリーンファーム | 美浦・加用正 | 16戦4勝(現役) | 2023年:大通公園特別(2勝) 2024年上総ステークス(3勝) |
[14] |
8番仔 | レジェンダイズ | 2022年 | 牡 | 栗毛 | マインドユアビスケッツ | (有)社台レースホース | 美浦・黒岩陽一 | 1戦0勝(現役) | [15] | |
10番仔 | 2023年 | 牝 | 栗毛 | ドレフォン | (デビュー前) | [16] | ||||
11番仔 | 2024年 | 牡 | 鹿毛 | マインドユアビスケッツ | [17] |
血統表
編集ミラクルレジェンドの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 フジキセキ 1992 青鹿毛 北海道千歳市 |
父の父 *サンデーサイレンスSunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
父の母 *ミルレーサーMillracer 1983 鹿毛 アメリカ |
Le Fabuleux | Wild Risk | ||
Anguar | ||||
Marston's Mill | In Reality | |||
Millicent | ||||
母 *パーソナルレジェンド Personal Legend 2000 栗毛 アメリカ |
Awesome Again 1994 鹿毛 |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | ||||
Primal Force | Blushing Groom | |||
Prime Prospect | ||||
母の母 Highland Legend 1991栗毛 |
Storm Bird | Northern Dancer | ||
South Ocean | ||||
Santella | Coastal | |||
Santa Quilla | ||||
母系(F-No.) | (FN:20) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 5・4(母内) | [§ 4] | ||
出典 |
- 母のパーソナルレジェンドはターンバックジアラームHの勝ち馬。
- 半弟に東京大賞典優勝馬ローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)がいる。
- 4代母のSanta Quillaの産駒にブルックリンH勝ち馬のSilver Supreme。孫に全欧古馬・全欧3歳牝馬チャンピオンのMiesque、曾孫にMiesqueの仔であるKingmamboとEast of the Moonがいる。
- 近親に香港マイルなどを勝ったGood Ba Baや阪神3歳牝馬ステークス2着のキュンティアとその仔でファンタジーステークスを勝ったオディールがいる。
注釈
編集- ^ “ミラクルレジェンド引退、繁殖生活へ”. ラジオNIKKEI. 2022年6月19日閲覧。
- ^ “【JCダート】“砂の女王”レジェンド ミラクル起こす”. スポーツニッポン. 2022年6月19日閲覧。
- ^ “【JBCレディスクラシック】(大井)~ミラクルレジェンド、レコードで初代女王に”. ラジオNIKKEI. (2011年11月3日) 2021年11月18日閲覧。
- ^ ミラクルレジェンド号が競走馬登録抹消 - 2013年3月1日JRA公式HP
- ^ a b 「【東日本大震災10年】山元トレセンを勇気づけたミラクルレジェンド砂の女王」『スポーツ報知』2021年3月11日。2021年3月11日閲覧。
- ^ “コンプリートベストの競走成績”. netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “夏至ステークス|2020年06月20日”. netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “ブラジルカップ|2021年10月24日”. netkeiba.com. 2021年12月18日閲覧。
- ^ “グレートタイム”. JBISサーチ. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “エターナルディーバ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “サトノアレックス”. JBISサーチ. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “ラブオブマイライフ”. JBISサーチ. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “タヒチアンダンス”. netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “ミラクルティアラ”. JBISサーチ. 2022年9月17日閲覧。
- ^ “レジェンダイズ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年10月6日閲覧。
- ^ “_________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2023年7月26日閲覧。
- ^ “__________________|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年10月6日閲覧。
- ^ “繁殖牝馬情報:牝系情報|ミラクルレジェンド”. JBISサーチ. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “ミラクルレジェンドの産駒成績”. netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|ミラクルレジェンド”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年11月18日閲覧。
- ^ “ミラクルレジェンドの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年11月18日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post