ミヤマトウバナ(深山塔花、学名:Clinopodium micranthum var. sachalinense)は、シソ科トウバナ属多年草イヌトウバナを基本種とする変種[3][4][5]

ミヤマトウバナ
福島県会津地方 2015年7月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: トウバナ属 Clinopodium
: イヌトウバナ
C. micranthum
変種 : ミヤマトウバナ
C. m var. sachalinense
学名
Clinopodium micranthum (Regel) H.Hara var. sachalinense (F.Schmidt) T.Yamaz. et Murata[1]
シノニム
  • Clinopodium sachalinense (F.Schmidt) Koidz.[2]
和名
ミヤマトウバナ(深山塔花)[3][4]

特徴

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は直立または斜めに立ち上がり、高さは30-70cmになり、茎はほとんど無毛かまばらに毛があり、ふつう上部で枝分かれする。は対生し、長さ1-2cmの葉柄がある。葉身は長卵形で、長さ2.5-6cm、幅1.5-4cm、葉先は鋭頭または鈍頭、基部はくさび形になり、縁には鋸歯がある。葉の両面にまばらに毛が生え、裏面の腺点は目立たない[3][4][5]

花期は7-9月。枝先や上部の葉腋に花穂をつけ、枝先の花穂は長さ3-10cmになる。花は数段、やや接してまばらに輪生し、花穂の軸には下向きに曲がった毛が生える。仮輪の下につく小苞葉は線形で、小花柄より短い。は筒状2唇形で、長さ約4mmになり、上唇は3裂、下唇は2裂し、ごく短い毛があって裂片は尾状にとがり、縁に開出毛が散生する。花冠は白色でわずかに紅紫色を帯び、長さ5-6mm、上唇は浅く2裂し、下唇は3裂する。雄蕊は4個のうち下側の2個は少し長い。果実は4個の分果で、長さは約0.7mmになる[3][4][5]

分布と生育環境

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日本では、北海道、本州の鳥取県氷ノ山以北に分布し、谷間の林内に生育する。世界では、千島列島サハリンに分布する[4][5]

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ ミヤマトウバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ ミヤマトウバナ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  3. ^ a b c d 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.430
  4. ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.649
  5. ^ a b c d 『日本の野生植物 草本III 合弁花類』p.86

参考文献

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