ミッドナイトビスー (Midnight Bisou[1]) はアメリカ合衆国競走馬繁殖牝馬

ミッドナイトビスー
2018年BCディスタフ出走時
欧字表記 Midnight Bisou[1]
品種 サラブレッド
性別 [2]
毛色 黒鹿毛[2]
生誕 2015年4月18日[2]
Midnight Lute[2]
Diva Delite[2]
母の父 Repent[2]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Woodford Thoroughbreds[2]
馬主 Bloom Racing Stable, LLC,
Madaket Stables LLC
& Allen Racing LLC.[2]
調教師 Bill Spawr(アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
Steven Asmussenアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競走成績
生涯成績 22戦13勝[1]
獲得賞金 $7,371,520[1]
勝ち鞍
GI サンタアニタオークス 2018年
GI コティリオンステークス 2018年
GI アップルブロッサムハンデキャップ 2019年
GI オグデンフィップスステークス 2019年
GI パーソナルエンスンステークス 2019年
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主な勝ち鞍は2018年サンタアニタオークス(GI)、コティリオンステークス(GI)、2019年のアップルブロッサムハンデキャップ(GI)、オグデンフィップスステークス(GI)、パーソナルエンスンステークス(GI)。この他、2020年のサウジカップ(格付けなし)も制している(当時は2着入線だったが、後述する理由で1着へ繰り上がり)。

戦績

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デビュー前

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2015年4月18日に誕生。2016年9月のキーンランド1歳馬セールに上場されたが、1万9000ドルしか値が付かずに主取となる。翌2017年4月のOBSスプリング2歳馬トレーニングセールで馬主エージェントのジェフリー・ブルーム(Jeffrey Bloom)によって8万ドルで落札された[1]

2歳(2017年)

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西海岸のビル・スパワー(Bill Spawr)厩舎に入厩し、2017年10月にサンタアニタ競馬場でデビュー。初戦から2戦連続でハナ差の2着となり、2歳時は未勝利で終える[1]

3歳(2018年)

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年明け初戦のサンタイネスステークスを快勝し、初勝利を重賞制覇で飾る。次戦のサンタイザベルステークスも制覇すると、ケンタッキーオークスの前哨戦サンタアニタオークスも2着に3馬身半差を付けて完勝し、G1初勝利を挙げた。本番のケンタッキーオークスでも1番人気に支持されたが、2番人気モノモイガールから4馬身1/4差の3着に敗れた。レース後、3歳牝馬の大レースが多く開催される東海岸への滞在を理由に、スパワー厩舎からスティーヴン・アスムッセン厩舎へ転厩した[3]

転厩初戦のマザーグースステークスを6馬身差で快勝し、CCAオークスでモノモイガールと再戦したが、3馬身差の2着に敗れる。アラバマステークス3着を挟み、コティリオンステークスで三度モノモイガールと対決したが、1位入選のモノモイガールには及ばず2位入選となった。しかし、モノモイガールの進路妨害が認められ、繰上げで2度目のG1制覇を果たした[4]

年内最終戦のブリーダーズカップ・ディスタフでは、宿敵モノモイガール、古馬代表格のエイベルタズマンに次ぐ3番人気で挑み、勝ち馬モノモイガールから1馬身半差の3着だった[2]

4歳(2019年)

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年明けからヒューストンレディースクラシックステークス、アゼリステークスを連勝して迎えたアップルブロッサムハンデキャップでハナ差の激闘を制し、G1・3勝目を挙げる。約2ヶ月後のオグデンフィップスステークスも2着に3馬身半差を付けて快勝する。次戦のモリーピッチャーステークスも勝利し、5連勝とした。続くパーソナルエンスンステークスではG1・2勝の実力馬イレイト(Elate)との叩き合いをハナ差下してG1・5勝目を挙げ、年始からの連勝を6に伸ばした[5]

9月4日、ブリーダーズカップ直後の11月4日に行われるファシグティプトン・ノベンバーセールへの上場予定が発表されたが[5]、11月2日のブリーダーズカップ・ディスタフ当日の朝に上場取り止めと翌年の現役続行が発表された[6]。大本命として迎えたブリーダーズカップ・ディスタフであったが、ブループライズの2着に敗れ、シーズン初の黒星を喫した[7]。そして、この年のエクリプス賞最優秀古牝馬を受賞した[8]

5歳(2020年)

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シーズン初戦はこの年に新設されたサウジカップに出走、最後方追走から追い込んでくるもマキシマムセキュリティの2着に惜敗するも、1位入線のマキシマムセキュリティが薬物違反により2024年8月1日に失格となったため、1着に繰り上げとなる[9]。帰国後、6月のフルールドリスステークスでは好位追走から直線で抜け出すと最後は後続馬に8馬身1/4差で圧勝する。連覇がかかったパーソナルエンスンステークスでは3・4番手追走も先に抜け出したヴェクセイシャスを捕らえ切れずクビ差の2着に敗れた。 その後9月28日の調教中に右前脚を骨折していたことが判明し、現役引退が発表された[10]

11月8日、キーンランドで行われた繁殖牝馬セールに出され、500万ドル(約5億5000万円)で落札された。

引退後

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引退後の2021年より繁殖入りし、初年度はカーリンと交配された。

2022年に初仔となる牡馬を出産した[11]。同年11月7日、キーンランドで行われた繁殖牝馬セールに出され、550万ドル(約8億2500万円)でノーザンファーム吉田勝己氏に落札された[12]

競走成績

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以下の内容は、Racing Post[2]およびEquibase[1]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2017.10.27 サンタアニタ 未勝利 6f 2着 T.ペレイラ ハナ Dream Tree
0000.11.18 デルマー デジアーナズステークス L ダ7f 2着 D.ベハラーノ ハナ Dream Tree
2018.01.07 サンタアニタ サンタイネスステークス G2 ダ7f 1着 M.スミス 4馬身1/2 (Steph Being Steph)
0000.03.03 サンタアニタ サンタイサベルステークス G3 ダ8.5f 1着 M.スミス 2馬身1/4 (Thirteen Squared)
0000.04.08 サンタアニタ サンタアニタオークス G1 ダ8.5f 1着 M.スミス 3馬身1/2 (Spectator)
0000.05.04 チャーチルダウンズ ケンタッキーオークス G1 ダ9f 3着 M.スミス 4馬身1/4 Monomoy Girl
0000.06.30 ベルモントパーク マザーグースステークス G2 ダ8.5f 1着 M.スミス 6馬身 (Road To Victory)
0000.07.22 サラトガ CCAオークス G1 ダ9f 2着 M.スミス 3馬身 Monomoy Girl
0000.08.18 サラトガ アラバマステークス G1 ダ10f 3着 M.スミス 6馬身3/4 Eskimo Kisses
0000.09.22 パークスレーシング コティリオンステークス G1 ダ8.5f 1着 M.スミス 2位入線繰上 (Monomoy Girl)
0000.11.03 チャーチルダウンズ ブリーダーズカップ・ディスタフ G1 ダ9f 3着 J.ヴェラスケス 1馬身1/2 Monomoy Girl
2019.01.27 サムヒューストン ヒューストンレディースクラシックステークス G3 ダ8.5f 1着 M.スミス 3/4馬身 (Moonlit Garden)
0000.03.16 オークローンパーク アゼリステークス G2 ダ8.5f 1着 M.スミス 1馬身 (Elate)
0000.04.14 オークローンパーク アップルブロッサムハンデキャップ G1 ダ8.5f 1着 M.スミス ハナ (Escape Clause)
0000.06.08 ベルモントパーク オグデンフィップスステークス G1 ダ8.5f 1着 M.スミス 3馬身1/2 (Come Dancing)
0000.07.20 モンマスパーク モリーピッチャーステークス G3 ダ8.5f 1着 M.スミス 1馬身 (Coach Rocks)
0000.08.24 サラトガ パーソナルエンスンステークス G1 ダ9f 1着 M.スミス ハナ (Elate)
0000.09.28 ベルモントパーク ベルデイムステークス G2 ダ9f 1着 J.ヴェラスケス 3馬身1/4 (Wow Cat)
0000.11.02 サンタアニタ BCディスタフ G1 ダ9f 2着 M.スミス 1馬身1/2 Blue Prize
2020.02.29 キングアブドゥルアジーズ サウジカップ ダ2000m 1着 M.スミス 2位入線繰上 (Benbatl)
0000.06.27 チャーチルダウンズ フルールドリスステークス G2 ダ9f 1着 M.スミス 8馬身1/4差 (Elate)
0000.08.01 サラトガ パーソナルエンスンステークス G1 ダ9f 2着 R.サンタナJr クビ Vexatious

繁殖成績

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馬名 生年 毛色 馬主 厩舎 戦績
初仔 Bisou 2022年 黒鹿毛 Curlin 海外
2番仔 ミッドナイトビズーの2023 2023年 鹿毛 Tapit (有)サンデーレーシング 栗東高野友和 (デビュー前)
3番仔 ミッドナイトビズーの2024 2024年 鹿毛 キタサンブラック
  • 2024年9月27日現在

血統表

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ミッドナイトビスー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ファピアノ系
[§ 2]

Midnight Lute
2003 黒鹿毛
父の父
Real Quiet
1995 鹿毛
Quiet American Fappiano
Demure
Really Blue Believe It
Meadow Blue
父の母
Candytuft
1996 鹿毛
*デヒア Deputy Minister
Sister Dot
Bolt From the Blue Blue Times
Berkut

Diva Delite
2007 黒鹿毛
Repent
1999 黒鹿毛
Louis Quatorze Sovereign Dancer
On to Royalty
Baby Grace Cipayo
Kathy
母の母
Tour Hostess
1996 黒鹿毛
Tour d'Or Medaille d'Or
Debby's Turn
Counsel's Gal High Counsel
T. N. T. Gal
母系(F-No.) 15号族(FN:15-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Secretariat5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ Free 5X Pedigrees. 2019年9月7日閲覧
  2. ^ Free 5X Pedigrees. 2019年9月7日閲覧
  3. ^ Counsel's Gal. 2019年9月7日閲覧
  4. ^ Free 5X Pedigrees. 2019年9月7日閲覧

脚注

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  1. ^ a b c d e f g Horse Profile for Midnight Bisou”. Equibase. 2019年9月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Midnight Bisou | Race Record & Form. Racing Post. 2019年9月7日閲覧
  3. ^ Midnight Bisou Joins Asmussen Barn”. Thoroughbred Daily News (2018年5月7日). 2019年9月8日閲覧。
  4. ^ Midnight Bisou Moved Up After Monomoy Girl’s Disqualification In Cotillion”. Paulick Report (2018年9月22日). 2019年9月8日閲覧。
  5. ^ a b Midnight Bisou Will Be in Fasig-Tipton's November Sale”. Bloodhorse. 2019年9月8日閲覧。
  6. ^ Claire Crosby and Meredith Daugherty (2019年11月2日). “Midnight Bisou Withdrawn from Sale, Will Race in 2020”. Bloodhorse. 2019年11月8日閲覧。
  7. ^ Richard Mann (2019年11月3日). “Breeders' Cup rest of review: Blue Prize beats Midnight Bisou in the Breeders' Cup Distaff; Belvoir Bay wins the Turf Sprint”. sportinglife. 2019年11月8日閲覧。
  8. ^ Staff, H. R. N. (2020年1月24日). “Eclipse Awards 2019 winners announced; see the list” (英語). Horse Racing Nation. 2024年8月3日閲覧。
  9. ^ サウジC初代王者はミッドナイトビズ―!マキシマムセキュリティは正式に失格日刊スポーツ、2024年8月2日配信・閲覧
  10. ^ Champion Mare Midnight Bisou Retired” (英語). Bloom Racing Stable (2020年9月30日). 2024年8月3日閲覧。
  11. ^ Champion Midnight Bisou Gives Birth to Colt by Curlinbloodhorse.com、2022年11月8日閲覧
  12. ^ ノーザンファームがミッドナイトビズー&ドリームローパーを落札/キーンランド社セール日刊スポーツ、2022年11月8日閲覧

外部リンク

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