マンガ大賞
マンガ大賞(まんがたいしょう、英題:Cartoon grand prize)は、マンガ大賞実行委員会によって主催される漫画賞である。友達に勧めたくなる漫画を選ぶことをコンセプトにしている。発起人はニッポン放送アナウンサーの吉田尚記。2008年3月末に第1回マンガ大賞が発表された。
マンガ大賞について
編集- 今、何がおもしろいの?と思う方や、面白いと思ったマンガを、その時、誰かに薦めたい事。その思いを形にした賞。
- このマンガ大賞は、他の類似である○○(企業名)大賞などと違い、利害関係が無い方を中心とする。
- ノミネート公開が1月、大賞発表が3月、前年度作品を本年度で発表と評価とする。
- 発表後、ニッポン放送『ミュ〜コミ+プラス』にてもマンガ大賞や順位など放送される。
要領
編集選考年の前年の1月1日 - 12月31日に出版された単行本の最大巻数が8巻までに限定された漫画作品(過去にマンガ大賞受賞作は除外、2018より電子書籍も含む)を対象としている。これは「8巻まで出ていれば、人に勧めたいマンガの面白さは発揮されているだろう」「それ以上の長さのものは、面白さは世間に知れ渡っているだろう」「これ以上長いと、気軽に手に取るにはちょっと量がありすぎる」ためだという[1]。
選考員は完全に公表されていない(例年一般人を含む70〜100人以上が参加)が、マンガ大賞実行委員が「直接存じ上げている方に声をかけて」いるという[1]。また「そのマンガが売れることに直接の利害関係がある」と思われることから、漫画家、編集関係者、ブックデザイナー等は選考委員に参加させていない[1]。営利を目的としていないことから、大賞の運営、選考作業、ホームページのデザインや管理などは全てボランティアがノーギャラで参加している[1]。
マンガ大賞実行委員会
編集マンガ大賞の運営組織[2]で、書店員を中心とした普段からマンガの現場でマンガに接しており[3]、かつマンガ大賞の趣旨に賛同したボランティア有志[4]で構成されている。一般募集はしていない[5]。発起人はニッポン放送アナウンサーの吉田尚記[6]。男女8人により発足[7]。なお、発起人である吉田が「委員長」とこのウィキペディアでも誤認されてきたが、2011年1月17日の『ミュ〜コミ+プラス』の放送で「私は実行委員長ではない」との発言があった。「あくまで実行委員の1人」ということである。
選考方法
編集- 前年の1月1日から12月31日に出版された単行本(電子書籍を含む)の内、最大巻数が8巻までの作品。
- 第1次選考
- 一次選考では、各選考員が「人にぜひ薦めたいと思う作品を5作品」を選出。
- 第2次選考
- 二次選考では、一次選考の結果から得票数10位までの作品がノミネートされる。選考員はその全てを読み、トップ3を選出。
- 集計結果
- その結果を集計し、『マンガ大賞』を決定。
〜2013年度
編集- 第1次選考
- 各選考員が推薦する最大5作品を選考し、メールで投票。投票数の多かった上位10作品をノミネート作品とする。
- 第2次選考
- ノミネート作品の中から各選考員が上位3作品を選考し、メールで投票。順位ポイント制(1位=3P、2位=2P、3位=1P)により、集計後に決定される[8]。
第1回(2008年)
編集- よつばと!(あずまきよひこ) 49P
- 海街diary(吉田秋生) 43P
- フラワー・オブ・ライフ(よしながふみ) 43P
- 君に届け(椎名軽穂) 42P
- 大奥(よしながふみ) 40P
- 皇国の守護者(佐藤大輔、伊藤悠) 35P
- とめはねっ! 鈴里高校書道部(河合克敏) 27P
- もやしもん(石川雅之) 26P
- 夏目友人帳(緑川ゆき) 23P
- ひまわりっ 〜健一レジェンド〜(東村アキコ) 20P
- きのう何食べた?(よしながふみ) 19P
- 選考員
- 第1次選考76人、第2次選考73人
- 備考
第2回(2009年)
編集- 宇宙兄弟(小山宙哉) 94P
- 3月のライオン(羽海野チカ) 65P
- 深夜食堂(安倍夜郎) 47P
- 青春少年マガジン1978〜1983(小林まこと) 46P
- 聖☆おにいさん(中村光) 45p
- とめはねっ! 鈴里高校書道部(河合克敏) 43P
- ママはテンパリスト(東村アキコ) 36P
- トリコ(島袋光年) 25P
- よんでますよ、アザゼルさん。(久保保久) 15P
- 選考員
- 第1次選考89人、第2次選考87人
- 備考
第3回(2010年)
編集- 宇宙兄弟(小山宙哉) 89P
- バクマン。(大場つぐみ・小畑健) 60P
- アイアムアヒーロー(花沢健吾) 55P
- 娚の一生(西炯子) 48P
- 虫と歌 市川春子作品集(市川春子) 47p
- 海月姫(東村アキコ) 46P
- モテキ(久保ミツロウ) 44P
- 高校球児ザワさん(三島衛里子) 25P
- アオイホノオ(島本和彦) 23P
- 選考員
- 第1次選考89人、第2次選考89人
- 備考
第4回(2011年)
編集- 乙嫁語り(森薫) 55P
- アイアムアヒーロー(花沢健吾) 51P
- 花のズボラ飯(久住昌之・水沢悦子) 50P
- 失恋ショコラティエ(水城せとな) 47P
- さよならもいわずに(上野顕太郎) 42P
- 進撃の巨人(諌山創) 41P
- 刻刻(堀尾省太) 38P
- ましろのおと(羅川真里茂) 36P
- ドリフターズ(平野耕太) 35P
- ドントクライ、ガール(ヤマシタトモコ) 35P
- 主に泣いてます(東村アキコ) 27P
- SARU(五十嵐大介) 21P
- 選考員
- 第1次選考89人、第2次選考93人
- 備考
第5回(2012年)
編集- マンガ大賞
- 銀の匙 Silver Spoon(荒川弘) 76P
- ノミネート作品
- 大東京トイボックス(うめ) 61P
- 信長協奏曲(石井あゆみ) 57P
- 昭和元禄落語心中(雲田はるこ) 49P
- 25時のバカンス 市川春子作品集II(市川春子) 46P
- ドリフターズ(平野耕太) 43P
- グラゼニ(森高夕次・アダチケイジ) 41P
- アイアムアヒーロー(花沢健吾) 40P
- 外天楼(石黒正数) 37P
- 高杉さん家のおべんとう(柳原望) 37P
- 日々ロック(榎屋克優) 32P
- 惡の華(押見修造) 28P
- 四月は君の嘘(新川直司) 27P
- 鬼灯の冷徹(江口夏実) 24P
- となりの関くん(森繁拓真) 12P
- 選考員
- 第1次選考98人、第2次選考103人
第6回(2013年)
編集- 乙嫁語り(森薫) 78P
- ボールルームへようこそ(竹内友) 78P
- ハイスコアガール(押切蓮介) 62P
- 俺物語!!(河原和音・アルコ) 58P
- 暗殺教室(松井優征) 40P
- 九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子(九井諒子) 36P
- 人間仮免中(卯月妙子) 35P
- テラフォーマーズ(貴家悠・橘賢一) 30P
- 山賊ダイアリー リアル猟師奮闘記(岡本健太郎) 29P
- ぼくらのフンカ祭(真造圭伍) 29P
- 選考員
- 第1次選考103人、第2次選考94人
- 備考
第7回(2014年)
編集- マンガ大賞
- 乙嫁語り(森薫) 94P
- ノミネート作品
- 僕だけがいない街(三部けい) 82P
- さよならタマちゃん(武田一義) 66P
- 七つの大罪(鈴木央) 59P
- ひきだしにテラリウム(九井諒子) 54P
- 重版出来!(松田奈緒子) 46P
- ワンパンマン(ONE・村田雄介) 43P
- 亜人(桜井画門) 32P
- 足摺り水族館(panpanya) 31P
- 坂本ですが?(佐野菜見) 9P
- 選考員
- 第1次選考98人、第2次選考88人
- 備考
第8回(2015年)
編集- マンガ大賞
- かくかくしかじか(東村アキコ) 80P
- ノミネート作品
- 子供はわかってあげない(田島列島) 66P
- 聲の形(大今良時) 65P
- 僕だけがいない街(三部けい) 57P
- BLUE GIANT(石塚真一) 49P
- ボールルームへようこそ(竹内友) 40P
- イノサン(坂本眞一) 38P
- 僕のヒーローアカデミア(堀越耕平) 36P
- 王様達のヴァイキング(さだやす・深見真) 35P
- 累(松浦だるま) 30P
- 月刊少女野崎くん(椿いづみ) 28P
- 魔法使いの嫁(ヤマザキコレ) 20P
- 宝石の国(市川春子) 18P
- ドミトリーともきんす(高野文子) 8P
- 選考員
- 第1次選考92人、第2次選考95人
- 備考
第9回(2016年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
- ダンジョン飯(九井諒子) 78P
- BLUE GIANT(石塚真一) 68P
- 僕だけがいない街(三部けい) 55P
- 百万畳ラビリンス(たかみち) 49P
- 波よ聞いてくれ(沙村広明) 43P
- 恋は雨上がりのように(眉月じゅん) 42P
- 町田くんの世界(安藤ゆき) 38P
- 東京タラレバ娘(東村アキコ) 29P
- 岡崎に捧ぐ(山本さほ) 28P
- とんかつDJアゲ太郎(イーピャオ・小山ゆうじろう) 25P
- 選考員
- 第1次選考96人、第2次選考91人
- 備考
第10回(2017年)
編集- マンガ大賞
- 響 〜小説家になる方法〜(柳本光晴) 67P[10]
- ノミネート作品
- 金の国 水の国(岩本ナオ) 64P
- ダンジョン飯(九井諒子) 63P
- アオアシ(小林有吾・取材原案協力 上野直彦) 60P
- 波よ聞いてくれ(沙村広明) 48P
- 約束のネバーランド(白井カイウ・出水ぽすか) 43P
- ゴールデンゴールド(堀尾省太) 42P
- ファイアパンチ(藤本タツキ) 37P
- ハイスコアガール(押切蓮介) 33P
- からかい上手の高木さん(山本崇一朗) 30P
- 私の少年(高野ひと深) 20P
- 東京タラレバ娘(東村アキコ) 18P
- 空挺ドラゴンズ(桑原太矩) 9P
- 選考員
- 第1次選考94人、第2次選考89人
第11回(2018年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
- 我らコンタクティ(森田るい) 68P
- 凪のお暇(コナリミサト) 56P
- ダンジョン飯(九井諒子) 52P
- 不滅のあなたへ(大今良時) 47P
- ランウェイで笑って(猪ノ谷言葉) 46P
- とんがり帽子のアトリエ(白浜鴎) 42P
- メイドインアビス(つくしあきひと) 40P
- 映像研には手を出すな!(大童澄瞳) 38P
- 映画大好きポンポさん(杉谷庄吾【人間プラモ】) 28P
- 約束のネバーランド(原作:白井カイウ、作画:出水ぽすか) 26P
- ゴールデンゴールド(堀尾省太)13P
- 選考員
- 第1次選考100人、第2次選考89人
第12回(2019年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
第13回(2020年)
編集- マンガ大賞
- ブルーピリオド(山口つばさ) 69P[14]
- ノミネート作品
- SPY×FAMILY(遠藤達哉) 63P
- スキップとローファー(高松美咲) 58P
- 波よ聞いてくれ(沙村広明) 57P
- 水は海に向かって流れる(田島列島) 56P
- ミステリと言う勿れ(田村由美) 54P
- 夢中さ、きみに。(和山やま) 50P
- チェンソーマン(藤本タツキ) 40P
- まくむすび(保谷伸) 36P
- 違国日記(ヤマシタトモコ) 31P
- 僕の心のヤバイやつ(桜井のりお) 24P
- あした死ぬには、(雁須磨子) 20P
- 選考員
- 第1次選考94人、第2次選考93人
- 備考
第14回(2021年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
- チ。-地球の運動について-(魚豊) 67P
- カラオケ行こ!(和山やま) 64P
- 水は海に向かって流れる(田島列島) 60P
- 【推しの子】(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ) 59P
- 怪獣8号(松本直也) 58P
- 女の園の星(和山やま) 57P
- メタモルフォーゼの縁側(鶴谷香央理) 48P
- 九龍ジェネリックロマンス(眉月じゅん) 46P
- SPY×FAMILY(遠藤達哉) 38P
- 選考員
- 第1次選考95人、第2次選考98人
第15回(2022年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
- ルックバック(藤本タツキ) 68P
- ひらやすみ(真造圭伍) 66P
- 女の園の星(和山やま) 63P
- チ。-地球の運動について-(魚豊) 59P
- トリリオンゲーム(原作:稲垣理一郎、作画:池上遼一) 55P
- ダンダダン(龍幸伸) 53P
- 【推しの子】(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ) 49P
- 海が走るエンドロール(たらちねジョン) 45P
- 自転車屋さんの高橋くん(松虫あられ) 32P
- 選考員
- 第1次選考99人、第2次選考94人
第16回(2023年)
編集- マンガ大賞
- ノミネート作品
- あかね噺(原作:末永裕樹、作画:馬上鷹将)100P
- 女の園の星(和山やま)65P
- 正反対な君と僕(阿賀沢紅茶)65P
- 天幕のジャードゥーガル(トマトスープ)59P
- 日本三國(松木いっか)59P
- さよなら絵梨(藤本タツキ)44P
- スーパーの裏でヤニ吸うふたり(地主)34P
- 劇光仮面(山口貴由)32P
- タコピーの原罪(タイザン5)29P
- 光が死んだ夏(モクモクれん)22P
- 選考員
- 第1次選考102人、第2次選考102人
- 備考
第17回(2024年)
編集- マンガ大賞
- 君と宇宙を歩くために(泥ノ田犬彦)96P[18]
- ノミネート作品
- 黄泉のツガイ(荒川弘)73P[19]
- 神田ごくら町職人ばなし(坂上暁仁)72P[19]
- 平和の国の島崎へ(原作:濱田轟天、漫画:瀬下猛)59P[19]
- ダイヤモンドの功罪(平井大橋)56P[19]
- 天幕のジャードゥーガル(トマトスープ)56P[19]
- 正反対な君と僕(阿賀沢紅茶)50P[19]
- 環と周(よしながふみ)49P[19]
- ひらやすみ(真造圭伍)49P[19]
- ファミレス行こ。(和山やま)28P[19]
- 選考員
- 第1次選考101人、第2次選考98人
- 備考
脚注
編集- ^ a b c d マンガ大賞 よくいただくご質問
- ^ “マンガ大賞2013 - マンガ大賞とは?”. 2013年3月23日閲覧。 “運営は、マンガ大賞実行委員会が行っています。”
- ^ “マンガ大賞2013 - マンガ大賞とは?”. 2013年3月23日閲覧。 “普段からマンガの現場でマンガに接している実行委員会のメンバーが”
- ^ “マンガ大賞2013 - マンガ大賞とは?”. 2013年3月23日閲覧。 “ほかすべて、趣旨に賛同してくださった方にボランティア、ノーギャラでお願いしています”
- ^ “マンガ大賞2013 - お問い合わせ”. 2013年3月23日閲覧。 “スタッフや選考員の募集は受け付けておりません”
- ^ 平山ゆりの (2011年4月22日). “本年度の受賞作は『3月のライオン』 マンガ通が選ぶ「マンガ大賞」って何? - トレンド - 日経トレンディネット”. 日経BP社. 2011年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年3月24日閲覧。
- ^ 日経トレンディ2011年5月号(日経BP社)
- ^ NHK BS2『MAG・ネット』2010年4月11日放送分より
- ^ “「マンガ大賞2016」は野田サトル氏の『ゴールデンカムイ』に決定”. ORICON STYLE. (2016年3月29日) 2016年3月29日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2017、柳本光晴「響 〜小説家になる方法〜」に決定”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2017年3月28日) 2017年3月28日閲覧。
- ^ “『マンガ大賞2018』は『BEASTARS』 作者・板垣巴留氏「受け入れてもらって驚きです」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年3月22日) 2018年3月23日閲覧。
- ^ “篠原健太「彼方のアストラ」マンガ大賞2019に輝く”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2019年3月19日) 2019年3月19日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2019は『彼方のアストラ』ウェブコミック史上初の受賞”. 毎日新聞. (2019年3月19日) 2019年3月19日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2020は山口つばさ「ブルーピリオド」に決定”. コミックナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年3月16日) 2020年3月16日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2021、大賞は山田鐘人・アベツカサ「葬送のフリーレン」”. コミックナタリー. (2021年3月16日) 2021年3月16日閲覧。
- ^ “マンガ大賞2022発表!大賞はうめざわしゅん「ダーウィン事変」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年3月28日) 2022年3月28日閲覧。
- ^ “とよ田みのる「これ描いて死ね」マンガ大賞2023の大賞受賞”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年3月27日) 2023年3月27日閲覧。
- ^ “泥ノ田犬彦「君と宇宙を歩くために」がマンガ大賞2024の大賞受賞”. コミックナタリー (ナターシャ). (2024年4月2日) 2024年4月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “マンガ大賞2024プレスリリース(PDF)”. マンガ大賞2024. 2024年4月2日閲覧。
外部リンク
編集- マンガ大賞
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