マリア・マルダー
マリア・マルダー (Maria Muldaur, 1943年9月12日 - ) は、米国出身のシンガー。1960年代より活躍し、ブルース、ジャズ、フォークなどアメリカのルーツ音楽を幅広く歌いこなしてきた。代表曲は、1973年のソロ・デビュー作収録の"Midnight at the Oasis" (「真夜中のオアシス」)。
マリア・マルダー | |
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マリア・マルダー (1996年) | |
基本情報 | |
出生名 | Maria Grazia Rosa Domenica D'Amato |
生誕 |
1943年9月12日(81歳) 米国ニューヨーク州 |
ジャンル | R&B、ブルース、ジャズ、フォーク、ゴスペル |
職業 | シンガー |
活動期間 | 1960年代 - 現在 |
レーベル |
リプリーズ・レコード ブラックトップ・レコード テラーク・インターナショナル ストーニー・プレイン・レコード |
共同作業者 | |
公式サイト | mariamuldaur.com |
来歴
編集マリア・マルダーは、1943年9月12日、ニューヨーク市のグリニッジ・ヴィレッジに生まれた。出生時の名前は、マリア・グラシア・ロサ・ドメニカ・ダマト。幼い頃からカントリー・ミュージック、R&Bなど様々な音楽を聴いて育ったマリアは、1960年代にグリニッジ・ヴィレッジがフォーク音楽のメッカとなると、ジャム・セッションなどに参加するようになった。この頃、本名のマリア・ダマト名義でジョン・セバスチャン、デイヴィッド・グリスマン、ステファン・グロスマンの在籍するイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドに参加。1964年には、バンドのデビュー・アルバムがリリースされるものの、間もなくバンドは解散した。
続いてマリアはマサチューセッツ州ケンブリッジに拠点を移し、ジム・クウェスキン・ジャグ・バンドに参加する。ここでジェフ・マルダーと出会い結婚。1968年にバンドは解散するものの、二人は、ジェフ&マリア・マルダーとして活動を続けた。このデュオ名義では2枚のアルバムを発表している。
1972年、ジェフとマリアはデュオを解消し離婚する。ジェフは、ポール・バターフィールドとベター・デイズを結成。マリアは、ソロの道を歩んだ。翌1973年、マリアはソロ・デビュー作Maria Muldaur(『オールド・タイム・レイディ』)をリリースした。ここに収録された"Midnight at the Oasis" (「真夜中のオアシス」)は、ビルボードのポップ・チャートの6位という大ヒットを記録し、マリアの代表曲として知られるようになった。彼女のヴォーカルもさることながら、ギターのエイモス・ギャレットの個性的で自由奔放なプレイは、彼を名手として広く知らしめることとなった。
1974年には、セカンド・アルバムWaitress in a Donut Shop(『ドーナッツ・ショップのウェイトレス』)をリリース。イーヴン・ダズン時代からの彼女のレパートリーであった"I'm A Woman"や"It Ain't the Meat (It's the Motion)"を収録した同作は、ファーストと並び、彼女の代表作のひとつに数えられる。
1970年代末まで、リプリーズに在籍したマリアは、1980年代に入ると、インディ・レーベルより2枚のゴスペルのアルバムをリリースする。1984年には、ドクター・ジョンをゲストに迎え、ジャズとブルースのスタンダード集、Sweet and Slowをリリースした。
1990年代に入ると、マリアはニューオーリンズのブルース、R&B系レーベル、ブラックトップと契約。同レーベルから、ニューオーリンズとルイジアナ色を前面に押し出したLouisiana Love Callをリリースした。ブラックトップからもう1枚アルバムをリリースしたのち、カナダのストーニー・プレインからジャズ色を濃くしたJazzabelleをリリースした。
1996年のFanning the Flamesを始めとし、テラークからいくつかのアルバムをリリースしている。1999年のMeet Me Where They Play the Bluesは、ブルース・ピアニスト、チャールズ・ブラウンとの共作となる予定であったが、彼の体調が悪化してしまう。チャールズは、病室でマリアとデュエットで"Gee Baby, Ain't I Good To You"1曲を吹き込み、アルバムに収録された。これは、チャールズの最後のレコーディングとなった。テラークからの作品としては、この他ペギー・リーのソングブックであるA Woman Alone with the Blues (2003年)、ボブ・ディランのソングブックHeart of Mine (2006年)などがある。
2001年、マリアはストーニー・プレインに戻り、アルバムRichland Woman Bluesをリリースする。これは、マリアが敬愛するメンフィス・ミニーら戦前ブルース・アーティスト達をカバーした作品で、ジョン・セバスチャン、タジ・マハール、ボニー・レイットら豪華ゲストを迎えてレコーディングされた。マリアは以後、Sweet Lovin' Ol' Soul (2005年)、Naughty, Bawdy, And Blue (2007年) と、同様に戦前ブルースをモチーフにしたコンセプト・アルバムを発表している。
ディスコグラフィー
編集イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド
編集- 1964年 Even Dozen Jug Band (Elektra)
ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド
編集- 1964年 Jug Band Music (Vangaurd)
- 1964年 See Reverse Side for Title (Vanguard)
- 1966年 The Best of Jim Kweskin & The Jug Band (Vanguard)
- 1967年 Garden of Joy (Reprise)
ジェフ&マリア・マルダー
編集ソロ作
編集- 1973年 オールド・タイム・レイディ Maria Muldaur (Reprise)
- 1974年 ドーナッツ・ショップのウェイトレス Waitress in a Donut Shop (Reprise)
- 1976年 Sweet Harmony (Reprise)
- 1978年 Southern Winds (Reprise)
- 1979年 Open Your Eyes (Reprise)
- 1980年 Gospel Nights (Takoma)
- 1982年 There Is A Love(Myrrh)
- 1984年 Sweet and Slow (Tudor)
- 1986年 Transblucency (Uptown)
- 1987年 Live in London (Making Waves)
- 1990年 On the Sunny Side (Music For Little People)
- 1992年 Louisiana Love Call (Black Top)
- 1994年 Meet Me at Midnite (Black Top)
- 1994年 Jazzabelle (Stony Plain)
- 1996年 Fanning the Flames (Telarc)
- 1998年 Southland of the Heart (Telarc)
- 1998年 Swingin' in the Rain (Music For Little People)
- 1999年 Meet Me Where They Play the Blues (Telarc)
- 2001年 Richland Woman Blues (Stony Plain)
- 2002年 Animal Crackers in My Soup (Music For Little People)
- 2003年 A Woman Alone with the Blues...Remembering Peggy Lee (Telarc)
- 2004年 Sisters and Brothers (Telarc) ※エリック・ビブ、ロリー・ブロックとの共作
- 2004年 Love Wants to Dance (Telarc)
- 2005年 Sweet Lovin' Ol' Soul (Stony Plain)
- 2006年 Heart of Mine: Maria Muldaur Sings Love Songs of Bob Dylan (Telarc)
- 2007年 Naughty, Bawdy, And Blue (Stony Plain)
- 2008年 Yes We Can! (Telarc)
- 2009年 Maria Muldaur & Her Garden of Joy (Stony Plain)
- 2010年 Barnyard Dance: Jug Band Music for Kids (Music For Little People)
- 2011年 Steady Love (Stony Plain)
- 2012年 First Came Memphis Minnie: A Loving Tribute (Stony Plain)
- 2018年 Don't You Feel My Leg: The Naughty Bawdy Blues of Blue Lu Barker (The Last Music Company)
- 2021年 Let's Get Happy Together (Stony Plain) *with Tuba Skinny