マニエッティ・マレリ
マニエッティ・マレリ[注釈 1](Magneti Marelli S.p.A. )はかつて存在した、イタリアの自動車部品メーカー。2019年にはカルソニックカンセイと経営統合し、マレリ(Magneti Marelli S.p.A.はMarelli Europe S.p.A.)となった。
種類 | S.p.A.(株式会社に相当) |
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本社所在地 |
イタリア ミラノ県 コルベッタ |
設立 | 1919年 |
業種 | 輸送用機器 |
事業内容 | 自動車部品の製造・販売 |
代表者 | エルマンノ・フェッラーリ (Ermanno Ferrari) |
売上高 | 45億ユーロ(2006年) |
従業員数 | 25,195人(2006年) |
主要株主 | マレリホールディングス(KKRの買収目的会社) |
関係する人物 |
エルコレ・マレッリ (Ercole Marelli) セルジョ・マルキオンネ (Sergio Marchionne) |
外部リンク | http://www.magnetimarelli.com/ |
概要
編集イタリアのミラノに本拠を置く。ドイツのロバート・ボッシュや日本のデンソーと並ぶ電装品(メーター、インフォテイメント、テレマティクス、ボディコンピュータ等)、燃料噴射装置製造の最大手であり、トランスミッション、ECU, ショックアブソーバー、吸排気系部品、照明関連の部品(ヘッドランプ、リアランプ、オルタネーター)なども手がけ、自動運転技術の研究開発にも注力をしている。
歴史
編集1891年、エルコレ・マレッリがミラノで電気器具と電装部品の開発・製造を担う企業を創業したのを淵源とする。扇風機の国産化で成功し1900年に株式会社となるも、第一次世界大戦で航空機向けの電装部品製造部門が成長。大戦終結後の1919年に航空機向け電装部品製造部門を独立させ、フィアットからの出資も仰いで合弁会社マニェーティ・マレッリ(Magneti Marelli)をミラノ県のセスト・サン・ジョヴァンニに設立。マレッリ自身は社長・技術責任者および販売責任者の役割を担った。
マレッリの死後、1928年にイタリアの株式に上場。鉄道車輌や自動車の電装品も手掛け、1980年代にはディーゼルエンジン用の燃料噴射ポンプを製品化した。1990年代にはコモンレール式燃料噴射装置の開発に着手、1997年にはボッシュと共同で実用化を果たし、アルファロメオ・156JTDに乗用車としては初めてコモンレール式ディーゼルエンジンが搭載された。
1984年、本社をセスト・サン・ジョヴァンニから、同じくミラノ県にあるチニゼッロ・バルサモへ移転。
1986~7年には、グローバルなメガサプライヤを目指し、幾つもの著名な欧州部品メーカーを吸収。一例として、燃料、エンジン制御のウェーバー(Weber)、ソレックス(Solex)、インスツルメントパネル(メーター等)や電子部品のヴェリア・ボルレッティ(Veglia Borletti)、イェーガー(Jaeger)、照明関連部品のカレッロ(Carello)、シエム(Siem)がそれらである。
1991年、本社をチニゼッロ・バルサモから、現在の本社所在地であるミラノ県のコルベッタへ移転。
1998年にセミオートマチックトランスミッションの「セレスピード」を製品化し、アルファロメオ・156に搭載。その後、フェラーリの「F1マチック」、マセラティの「カンビオコルサ」など、フィアットグループの各メーカーにもセミATを供給している。
1999年、ロバート・ボッシュとの合弁で自動車用照明部品(ヘッドランプ、リアランプ等)を開発、製造、販売する企業「K2ライティングテクノロジー(K2 Lighting Technology)」を設立。
2001年、K2ライティングテクノロジーのボッシュのシェアを取得し、100%傘下に収める。社名を「オートモーティブライティング(Automotive Lighting)」へ変更。
2018年10月、当時の親会社だったフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が、保有する全株式を投資会社KKRの買収目的会社であるCKホールディングス(現マレリホールディングス)に売却することを発表した[1]。(買収総額は62億ユーロ。)経営統合が完了すると世界7位の独立系自動車部品メーカーとなる[2]。
レース活動
編集F1
編集2007年シーズンはエンジンの点火装置と燃料噴射装置、ECUをスクーデリア・フェラーリ、ルノーF1、BMWザウバー、トヨタF1、レッドブル・レーシング、スクーデリア・トロ・ロッソ、スパイカーF1に供給を行っている[5]。また、トヨタにはステアリングの計器板も供給している[6]。
2008年シーズンからはマイクロソフトが全チームに標準ECUを供給するため、マニェーティマレッリはエンジン関連の部品のみを供給することとなる。
その他
編集ロードレース世界選手権(MotoGP)のドゥカティにテレメトリシステムを、ヤマハにECUや燃料噴射装置を供給するほか、世界ラリー選手権 (WRC) のプジョー、シトロエン、三菱自動車のエンジンを使用するチームにECUや燃料噴射装置の供給を行っている。2019年からはMotoGPのMoto2クラスで使われるトライアンフ製エンジンに対し共通ECUを供給する。
脚注
編集注釈
編集- ^ イタリア語の原音に近いカナ表記は「マニェーティ・マレッリ」である。
出典
編集- ^ “カルソニックカンセイの親会社、マニエッティ・マレリを買収で合意…世界7位の独立系自動車部品メーカーが誕生”. Response. (2018年10月22日)
- ^ カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリ、経営統合により世界有数の独立自動車部品メーカーに - カルソニックカンセイ・2018年10月22日
- ^ カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリ、社名を公式にグローバルブランドの「マレリ」へカルソニックカンセイ 2019年9月9日
- ^ 「カルソニックカンセイ」の名が完全消滅、社名をグローバルブランド「マレリ」へレスポンス 2019年9月10日
- ^ マニェーティ・マレッリ(モータースポーツ)
- ^ TF107の主要諸元(トヨタF1チーム公式サイト)