ペルフルオロブタンスルホン酸
ペルフルオロブタンスルホン酸 (Perfluorobutanesulfonic acid、PFBS) は、完全にフッ素化された炭素数4の直鎖アルキル基をもつスルホン酸で、共役塩基のアニオンがフッ素系界面活性剤として利用される。
ペルフルオロブタンスルホン酸 | |
---|---|
ペルフルオロブタンスルホン酸 | |
1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロ-1-ブタンスルホン酸 | |
別称 FC-98 ノナフレート ノナフルオロブタンスルホン酸 PFBS | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 375-73-5 , 59933-66-3 |
PubChem | 67815 |
ChemSpider | 61132 |
EC番号 | 206-793-1 |
国連/北米番号 | 3094, 3265 |
ChEBI | |
RTECS番号 | EK5930000 |
| |
| |
特性 | |
化学式 | C4HF9O3S |
モル質量 | 300.10 g/mol |
融点 |
76 °C, 349 K, 169 °F ([1]) |
沸点 |
211 °C, 484 K, 412 °F [2] |
危険性 | |
GHSピクトグラム | [3] |
GHSシグナルワード | 危険(DANGER) |
Hフレーズ | H302, H314 |
Pフレーズ | P280, P305+351+338, P310[3] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
3M社が販売している衣類・繊維製品用防水・防汚剤「スコッチガード」にはペルフルオロオクタンスルホン酸 (PFOS) が使用されていたが、環境中に長期間残留して内分泌攪乱や毒性を示すことが判明したことから、2003年6月から PFBS で代替されている[4]。同社が販売するフッ素系界面活性剤の2製品に PFBS が含まれている[5]。
生体内における PFBS の半減期は1か月強で、PFOS の5.4年に比べるとはるかに短い[6]が、環境中での安定性は非常に高く、永続的に残留する。ヒトに対する安全性を判断するに足る研究は、まだほとんど行われていない。
関連項目
編集- ペルフルオロオクタン酸
- ペルフルオロノナン酸
- ペルフルオロブタンスルホンアミド
出典
編集- ^ “Nonafluorobutanesulphonic acid – 59933-66-3 Catalog of Chemical Suppliers”. 16 January 2009閲覧。
- ^ ペルフルオロブタンスルホン酸 in the ChemIDplus database
- ^ a b Sigma-Aldrich Co., Nonafluorobutane-1-sulfonic acid. Retrieved on 15 January 2018.
- ^ Ullah, Aziz (October 2006). “The Fluorochemical Dilemma: What the PFOS/PFOA fuss is all about” (PDF). Cleaning & Restoration 16 January 2009閲覧。.
- ^ Renner R (January 2006). “The long and the short of perfluorinated replacements”. Environ. Sci. Technol. 40 (1): 12–3. doi:10.1021/es062612a. PMID 16433328.
- ^ Betts KS (May 2007). “Perfluoroalkyl acids: what is the evidence telling us?”. Environ. Health Perspect. 115 (5): A250–6. doi:10.1289/ehp.115-a250. PMC 1867999. PMID 17520044 .