ベルギーのスポーツ
サッカー
編集ベルギーはサッカーでは2010年代以後、世界屈指の強豪国として認識されている。ベルギーサッカー協会(KBVB)によって構成されるサッカーベルギー代表は、これまでFIFAワールドカップには13度出場しており、3大会ぶりの出場となった2014年大会ではベスト8に進出した。そして、続く2018年大会では過去最高位となる3位に輝いている。UEFA欧州選手権には6度出場しており、2016年大会と続く2021年大会では2大会連続でベスト8の成績を収めた。さらに2018年に新設されたUEFAネーションズリーグでは、2020-21シーズンに4位となっている。
1895年に創設されたサッカーリーグの『ジュピラー・プロ・リーグ』があり、アンデルレヒトやクラブ・ブルッヘ、ユニオン・サン=ジロワーズやスタンダール・リエージュなどの強豪クラブが凌ぎを削っている。また、近年ではシント=トロイデンが注目を集めており、2017年に日本の企業であるDMM.comがクラブの経営権を取得した。以後クラブは日本人選手だらけとなっており、ベルギーのみならず日本国内からも賛否両論となっている[1]。
自転車競技
編集自転車競技は、フランデレン地域を中心として非常に人気がある。とりわけロードレースとシクロクロスについてはベルギーの国技と形容できるほどである。ツール・ド・フランスにおいても、過去に総合優勝者を延べ18名輩出している。1892年に創設されたリエージュ〜バストーニュ〜リエージュは、現存する最古のロードレースであることから『ドワイエンヌ』(最古参)という異名を持つ。この他、1913年に創設されたロンド・ファン・フラーンデレンも有名で、『クラシックの王』と呼ばれている。
ベルギーを代表する自転車選手はエディ・メルクスで、獲得したタイトルは枚挙に暇がない。この他にも、ベルギーではロードレースとトラックレースの両方で活躍したリック・ファンステーンベルヘン、史上初めてモニュメントと呼ばれる5大クラシックレース全冠制覇を達成したリック・ファン・ローイ、メルクスに続いてモニュメント全冠制覇を達成したロジェ・デフラミンク、6日間レース歴代最多の88勝を挙げたパトリック・セルキュ、1983年に日本の中野浩一に更新されるまで世界選手権自転車競技大会・プロスプリント最多連覇記録(6連覇)を保持し続けたジェフ・シェーレン、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベで多くの勝利を挙げたトム・ボーネンなども有名である。近年では、フィリップ・ジルベールやフレフ・ファン・アーヴェルマートなどがベルギーの代表的な自転車選手である。また、スヴェン・ネイスもシクロクロス界のスーパースターと呼ばれる存在であり、数多くのタイトルを獲得している。
モータースポーツ
編集モータースポーツも、ベルギーでは比較的盛んなことで知られる。ベルギーの代表的なサーキットでもあるスパ・フランコルシャンでは、F1・ベルギーGPやスパ・フランコルシャン24時間レース、WRCイープル・ラリーといった大規模イベントが開催される。ゾルダー・サーキットも、かつてはF1ベルギーGPの開催地として名を馳せた。F1ドライバーとしてはジャッキー・イクス、ティエリー・ブーツェン、ベルトラン・ガショーなどが有名である。特にイクスはF1、ル・マン24時間、ダカール・ラリーで優勝を記録した上、マツダ・787Bのル・マン制覇にも貢献したことで知られる。
WRC(世界ラリー選手権)ではターマック(舗装路面)を得意とするドライバーが多く、フランソワ・デュバル、フレディ・ロイクス、ブルーノ・ティリーといったドライバーがオールドファンに人気である。現状チャンピオンはまだ輩出していないが、現代自動車のエースでランキング2位を複数回獲得したティエリー・ヌービルが最も王座に近いドライバーである。
GT3レースの世界でアウディ・R8 GT3を運用して黄金時代を築いたWRT(W・レーシングチーム)はベルギーのチームである。
二輪(オートバイ競技)に関してはオフロード、殊にモトクロスが別格の実績を持つ。モトクロス世界選手権(MXGP)の王者輩出国としては2位にほぼダブルスコアで1位であり、同じ年にベルギー人が全3クラスで王座を獲得したことも複数回ある。その中でも史上最強と言えるのは、史上最多王者(10回)を獲得し、日本4大メーカー全てで王者経験をステファン・エバーツである。他にもジョエル・スメッツ(5回王者)、エバーツの父ハリー・エバーツ(4回王者)、ダカールも2度制したガストン・ライエ(3回王者)も知られる。モトクロス・オブ・ネイションズでもベルギーチームは15回の優勝を飾っている。
ロードレース世界選手権(MotoGP)はベルギーGPが1990年にスパ・フランコルシャンで開催されたのを最後に開催が途絶えている。なおホンダ・レーシング(HRC)の欧州における本拠地は、かつてベルギーに置かれていた。
脚注
編集- ^ “STVV、今夏は日本人選手獲得なし。昨季6人所属は「多すぎた」と会長”. フットボールチャンネル (2019年6月10日). 2019年6月10日閲覧。