ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス

1954年に発売されたアーサー・ガンターのシングル曲
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ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」(Baby Let's Play House)は、アーサー・ガンター英語版の楽曲である。1954年にエクセロ・レコードからシングル盤として発売された[1]。『ビルボード』誌のR&B・チャートでは最高位12位を記録[2]

「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」
アーサー・ガンター英語版シングル
B面 ブルース・アフター・アワーズ
リリース
ジャンル R&B
時間
レーベル エクセロ・レコード
作詞・作曲 アーサー・ガンター
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ガンターのシングル盤が発売された翌年にエルヴィス・プレスリーによるカバー・バージョンが発売され、『ビルボード』誌のカントリー・チャートで最高位5位を記録[3]

エルヴィス・プレスリーによるカバー

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「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」
エルヴィス・プレスリーシングル
B面 アイム・レフト、ユーアー・ライト・シーズ・ゴーン
リリース
録音
ジャンル ロカビリー[4]
時間
レーベル サン・レコード
作詞・作曲 アーサー・ガンター
チャート最高順位
別記参照
エルヴィス・プレスリー シングル 年表
  • ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス
  • (1955年)
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エルヴィス・プレスリーは、1955年2月にメンフィスにあるサン・スタジオで「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」のレコーディングを行った[5]。レコーディングには、スコティ・ムーアリードギターギブソン・ES-295を使用)、ビル・ブラックがベースで参加している[6]。プレスリーのカバー・バージョンでは、コーラスから始まるなど曲の構成が変更されているほか[7]、原曲の「You may get religion」というフレーズが「You may drive a pink Cadillac」に変更されている[8]。「pink Cadillac」は、プレスリーの愛車である1954年製のキャデラック・フリートウッドのこと[7][注釈 1]

プレスリーによるカバー・バージョンは、1955年4月10日にシングル盤として発売され、B面には「アイム・レフト、ユーアー・ライト・シーズ・ゴーン」が収録された[10]。同年7月に『ビルボード』誌のカントリー・シングル・チャートで最高位5位を記録[3]

チャート成績

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※いずれも週間チャートでの成績。

チャート (1955年) 最高位
US Country Singles Chart (Billboard)[3] 5
チャート (2008年) 最高位
イタリア (FIMI)[11] 1
スペイン (PROMUSICAE)[12] 3
スウェーデン (Sverigetopplistan)[13] 23
UK シングルス (OCC)[14] 84

その他のカバー・バージョンや文化的影響

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ジョン・レノンは、1965年に作曲したビートルズの楽曲「浮気娘」で、本作の「I'd rather see you dead, little girl, than to be with another man」というフレーズを引用した[15][7][16]

ジョニー・バーネット・トリオは、1956年5月に本作とほとんど同じメロディーで、「Come back baby, come」というリフレインを含む楽曲「Oh Baby Babe」のレコーディングを行った[17]。この楽曲は、同年7月にシングル盤として発売された。

2008年にイタリアのDJ音楽プロデューサースパンコックス英語版によるリミックス・バージョンが発売された[18]。2008年9月の全英シングルチャートで最高位84位を記録[19]

脚注

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注釈

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  1. ^ プレスリーが1955年初頭に購入したもので、色がピンクであったことから「ピンクキャデラック」と称されていた[9]

出典

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  1. ^ Escott, Colin; Hawkins, Martin (2017) [1991]. Good Rockin' Tonight: Sun Records and the Birth of Rock 'N' Roll. New York: St. Martin's Publishing Group. p. 160. ISBN 1250182115 
  2. ^ Leszczak 2013, p. 12.
  3. ^ a b c Burke & Griffin 2006, p. 47.
  4. ^ Dahl, Bill. Baby Let's Play House by Elvis Presley - Track Info - オールミュージック. 2022年6月8日閲覧。
  5. ^ Parker 2022, p. 270.
  6. ^ Parker 2022, p. 82.
  7. ^ a b c Leszczak 2013, p. 13.
  8. ^ Covach, John; Coelho, Victor, eds (2019). The Cambridge Companion to the Rolling Stones. Cambridge: Cambridge University Press. p. 138. ISBN 1107030269 
  9. ^ 14金の鍵付き!エルヴィス・プレスリーの愛車は一体いくらに !?”. octane.jp. SHIRO (2022年1月25日). 2022年6月12日閲覧。
  10. ^ Eder, Mike (2013). Elvis Music FAQ: All That's Left to Know About the King's Recorded Works. Backbeat Books. p. 33. ISBN 1617135801 
  11. ^ "Italiancharts.com – Elvis Presley – Baby Let's Play House". Top Digital Download. 2022年6月12日閲覧。
  12. ^ "Spanishcharts.com – Elvis Presley – Baby Let's Play House" Canciones Top 50. 2022年6月12日閲覧。
  13. ^ "Swedishcharts.com – Elvis Presley – Baby Let's Play House". Singles Top 100. 2022年6月12日閲覧。
  14. ^ "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2022年6月12日閲覧。
  15. ^ Wenner, Jann (1972). Lennon Remembers: The "Rolling Stones" Interviews with John Lennon and Yoko Ono. Harmondsworth, England: Penguin. p. 128. ISBN 0-9007-3510-4 
  16. ^ ジョン・レノン、ビートルズで最も好きになれなかった楽曲が明らかに”. NME Japan. BandLab UK (2019年10月12日). 2022年6月12日閲覧。
  17. ^ Birnbaum, Larry (2012). Before Elvis: The Prehistory of Rock 'n' Roll. Scarecrow Press. p. 382. ISBN 0810886383 
  18. ^ Harrison, Ted (2016). The Death and Resurrection of Elvis Presley. London: Reaktion Books. p. 115. ISBN 1780236832 
  19. ^ Official Singles Chart Top 100”. UK Singles Chart. 2022年6月12日閲覧。

参考文献

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  • Burke, Ken; Griffin, Dan (2006). The Blue Moon Boys - The Story of Elvis Presley's Band. Chicago, Illinois: Chicago Review Press. ISBN 1556526148 
  • Leszczak, Bob (2013). Who Did It First?: Great Rhythm and Blues Cover Songs and Their Original Artists. Scarecrow Press. ISBN 081088867X 
  • Parker, Gary (2022). The Sonic Swagger of Elvis Presley: A Critical History of the Early Recordings. McFarland. ISBN 1476684316 

外部リンク

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