ハイパー演算子(ハイパーえんざんし、hyper operator)は、加算、乗算、冪乗を一般化した演算のための演算子である。
表記の制約のため、以後丸囲み文字(①,②,③,…)を丸かっこ入り文字 (n) で表すものとする。
加算演算子を上付き(1) (a + b = a (1)b)、乗算演算子を上付き(2) (ab = a (2)b)、冪乗演算子を上付き(3) (ab = a (3)b)で表し、それらを一般の非負整数nに一般化した上付き(n) (a (n) b) がハイパー演算子である。
それらを関数形式で表す hypern、nを変数とした3変数関数 hyper も定義される。hyper1は加算、hyper2は乗算、hyper3は冪乗であり、さらにhyper4はテトレーション (tetration)、hyper5はペンテーション (pentation)、hyper6はヘキセーション (hexation)・・・と呼ばれる。
n = 0~4 の例は次のとおり。
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hyper0は、第2被演算子 b の後者関数(第1被演算子 a は無視される)とする。ただし、他の定義を使うこともある。
n > 4 の場合は次のように定める。これは n > 1 の場合全てに成り立つが、n = 1 では成り立たない。
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n ≥ 3 に対しては、クヌースの矢印表記やコンウェイのチェーン表記との間に次の関係が成り立つ。
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また、n ≥ 1 に対しては、Bowerの拡張演算子 (Jonathan Bowers' Extended Operator) との間に次の関係が成り立つ。
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次のように再帰的に定義できる。b = 0のときの例外処理がnによって違うことに注意。
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冪乗を指数関数に拡張したような、b、n の実数への自然な拡張はなされていない。
n ≥ 3(冪乗) 以上では結合律が成り立たないので、右からの優先順位が定められていて、
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である。
それに対し、ハイパー演算子を下付きにすることで、優先順位を左からとする演算を表せる。つまり、
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である。
ただし、下付きハイパーn+1演算子はハイパーn演算子を使って簡単に表せる、たとえば
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(冪乗法則より)なので、本質的に新しい演算ではなく、下付きハイパー演算子の用途はあまりない。