フルーム (音楽家)
ハーリー・エドワード・ストレテン(Harley Edward Streten、1991年11月5日 - )は、フルーム(Flume)の名で知られるオーストラリアの音楽プロデューサー、DJ。エレクトロニック・ミュージックのフューチャー・ベースをメインストリームに押し上げた先駆者とされている[1][2][3][4]。
フルーム Flume | |
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Flume 2013年 | |
基本情報 | |
出生名 | Harley Edward Streten |
生誕 |
1991年11月5日(33歳) オーストラリア シドニー |
出身地 | アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス |
ジャンル | エレクトロニック、フューチャー・ベース、ヒップホップ、ポップ、エレクトロ・ポップ |
職業 | 音楽家、音楽プロデューサー、DJ |
活動期間 | 2004年 - |
レーベル | Future Classic、Transgressive、Mom + Pop |
公式サイト |
officialflumemusic |
2012年のデビューアルバム『Flume』は、オーストラリアのアルバム・チャートで首位を獲得、ダブル・プラチナディスクに認定される。2作目のアルバム『Skin』(2016年)がグラミー賞で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバムを受賞、アルバムからの楽曲「Never Be like You」が最優秀ダンス・レコーディングにノミネートされたことで国際的な評価を得る[5][6]。 2019年にはミックステープ『Hi This Is Flume』をリリースした。
生い立ち
編集フルームことハーリー・エドワード・ストレテン(Harley Edward Streten)は1991年11月5日にオーストラリアのシドニーで生まれた[7]。父のグレン・ストレテン(Glen Streten)は映画プロデューサー・レコードプロデューサーで、母のリンダル(Lyndall)は園芸家で元教師だった[8][9]。13歳の時に基本的な制作環境を手に入れ作曲を覚え、2010年には自身のイニシャルであるHEDSの名でハウスミュージックの制作を始めた[10]。
経歴
編集2011年 - 2015年 : Flume
編集Triple J Unearthedにアップロードした楽曲「Possum」が初めてラジオでプレイされ、2011年にはオーストラリアのレコードレーベルFuture Classicのコンペで2位を獲得し契約を勝ち取る。8月にフルームの名で「Sleepless」「Over You」「Paper Thin」の3曲入りのシングルをリリース[11][12]。フルームという名はボン・イヴェールの楽曲「Flume」から付けられた[13]。
フルームのデビューアルバム『Flume』は2012年11月9日にリリースされる[14]。アルバムはロンドンへの旅行中にラップトップで制作された[15]。アルバムにはフィーチャリング・アーティストとしてMoon Holiday、Jezzabell Doran、Chet Faker、T-shirtなどが参加している。
2013年2月、フルームはMom + Pop Musicと契約し、デビューアルバムを北米でリリースし、アメリカの批評家から高く評価される[16][17]。アルバムの楽曲は次々とオーストラリアのチャートにランクインし、『Flume』はARIAチャートで1位を獲得した[18][19][20]。
2013年4月から5月にかけて「Infinity Prism Tour」と題した初のオーストラリアツアーを開催、2014年には南米のロラパルーザやコーチェラなどの音楽フェスティバルを含むワールドツアーを行なった[21]。
2011年に音楽プロデューサーのEmoh Insteadと共にWhat So Notを結成しデュオとして活動してきたが、2015年2月にグループからフルームが抜けたことが発表された[22]。
2016年 - 2018年 : Skin
編集2016年2月、ニューアルバムからのリードシングル「Never Be like You」がオーストラリアで1位を獲得し、フルームにとって初のナンバーワンソングとなった[23]。その後この曲は世界的にヒットし、アメリカのBillboard Hot 100では最高20位を記録し、ダブルプラチナディスクに認定された。
2016年5月27日、フルームは2作目のスタジオアルバム『Skin』をリリースする[24]。アルバムにはVic Mensa、Allan Kingdom、Raekwon、Little Dragon、AlunaGeorge、MNDR、Beckなどが参加した。 アルバムは批評家から好意的に評価され、ARIAミュージック・アワードではアルバム・オブ・ザ・イヤー、最優秀男性アーティストを含む8つの賞を受賞した[25]。さらに、グラミー賞で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバムを受賞、シングル「Never Be like You」は最優秀ダンス・レコーディング賞にノミネートされ、フルームは世界的な知名度を獲得することになる[26]。
2016年11月に「Skin Companion EP 1」、2017年2月には「Skin Companion EP 2」と題した2枚のEPをリリースする。2016年にはAlunaGeorgeの楽曲「I Remember」を、翌2017年にはLordeの「The Louvre」、Vince Staplesの「Yeah Right」をプロデュースした。
2018年 - 現在 : Hi This Is Flume
編集2019年3月20日、フルームはミックステープ『Hi This Is Flume』を突如リリースした。ミックステープにはKUČKA、EPROM、JPEGMafia、SOPHIE、HWLS、slowthaiが参加しており、17曲38分のフルアルバムに相当する作品だった。
ミックステープの制作は前作のツアーが2018年1月に終了した後にスタートした。フルームは「あまりにも一生懸命に働いている」ために「音楽とツアーが嫌いになった」「少しの間は普通の生活をする必要があった」と述べている[27]。ミックステープの制作中、フルームは「自分のルーツに戻るためには、より実験的なサウンドのレコードを作る必要がある」と感じていた[28]。フルームは『Hi This Is Flume』の制作は前作よりもはるかに困難だったと明かしている[29]。リスナーに「より左翼的なエレクトロニック・ミュージック」を紹介したかったため、Slowthai、JPEGMafia、Eprom、Sophieなどのアーティストが制作に招かれることになる[30]。
ミックステープは批評家から好意的に評価され、第62回グラミー賞で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞にノミネートされた[31]。
ディスコグラフィ
編集- Flume(2012年)
- Skin(2016年)
- Hi This Is Flume(2019年)
受賞歴
編集来日公演
編集- 2015年
- 7月24日 新潟 苗場スキー場 Fuji Rock Festival
- 2017年
- 12月5日 大阪 Zepp なんば大阪
- 12月6日 東京 マイナビ BLITZ 赤坂
- 2019年
- 8月17日 大阪 舞洲スポーツアイランド SUMMER SONIC OSAKA
- 8月18日 千葉 幕張メッセ SUMMER SONIC TOKYO
脚注
編集- ^ Przybyslawski (29 July 2017). “Flume WayHome Stage, Oro-Medonte ON, July 28”. Exclaim!. 17 August 2017閲覧。
- ^ Lucas (29 February 2016). “Flume Unleashes Spectacular New Mix & We Just Can't Stop Listening”. Your EDM. 5 June 2017閲覧。
- ^ Davies, Hayden. “Meet Whethan, The 17-year-old Producer Working With Skrillex”. PILERATS 5 June 2017閲覧。
- ^ Bein. “Djakarta Warehouse Project 2017 Announces Flume, Tiesto, Marshmello in Phase 1 Lineup”. Billboard. 17 August 2017閲覧。
- ^ Billboard Staff (12 February 2017). “Grammy Awards 2017: See the Full Winners List”. Billboard. 13 February 2017閲覧。
- ^ Billboard Staff (12 February 2017). “Grammy Awards 2017: See the Full Winners List”. Billboard. 13 February 2017閲覧。
- ^ Lowden. “Flume”. More Than the Melody. 2 June 2016閲覧。
- ^ Zuel (May 20, 2016). “Swift approval: Australia's electronic star Flume prepares to remake pop”. The Sydney Morning Herald. 3 June 2016閲覧。
- ^ “Digistor”. Digistor (30 August 2007). 30 August 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。3 June 2016閲覧。
- ^ Streten. “HEDS's stream”. SoundCloud. 2 January 2014閲覧。
- ^ Adams, Cameron (25 April 2013). “Flume focused on keeping it fresh”. News.com.au 2 January 2014閲覧。
- ^ “Sleepless - Single by Flume”. iTunes. Apple, Inc.. 2 January 2014閲覧。
- ^ Rose (27 February 2013). “Q&A with Flume -” (英語). Yen. 2 June 2016閲覧。
- ^ “New Band of the Day: Flume”. The Guardian. (28 November 2012) 17 January 2013閲覧。
- ^ Gillgrass, Will. "FLUME LIVE AT XOYO 24/1." Mixmag 04 2013: 36
- ^ “Flume Releases Debut Self-Titled Album + Announces North American Tour”. Mom + Pop Music (21 February 2013). 1 July 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。2 January 2014閲覧。
- ^ “Flume Reviews”. Metacritic. 2 January 2014閲覧。
- ^ “The Full List | Hottest 100 - 2012”. Triple J. ABC. 2 January 2014閲覧。
- ^ Adams, Cameron (4 February 2013). “Flume bumps Bieber from top of Aussie album chart”. News.com.au 2 January 2014閲覧。
- ^ “Hottest 100 Sends Flume to No.1 on ARIA Chart” 3 February 2013閲覧。
- ^ Graves (3 September 2013). “Interview: HARLEY STRETEN a.k.a. FLUME, on his upcoming October 2013 New Zealand tour, Lorde & Wolverine.”. Coup De Main Magazine. 3 June 2016閲覧。
- ^ “What So Not - I’m writing today with news regarding What... - Facebook”. 2020年4月1日閲覧。
- ^ Ryan (13 February 2016). “ARIA Singles: Flume 'Never Be Like You' Is No 1”. Noise11. 14 February 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。13 February 2016閲覧。
- ^ “Skin by Flume on iTunes”. iTunes. 28 May 2016閲覧。
- ^ “ARIA Awards 2016: Flume cleans up, Violent Soho victorious”. Australian Broadcasting Corporation (23 November 2016). 29 November 2016閲覧。
- ^ Billboard Staff (12 February 2017). “Grammy Awards 2017: See the Full Winners List”. Billboard. 13 February 2017閲覧。
- ^ “Flume Answers Fan Questions in Surprise Reddit AMA” (英語). Run The Trap: The Best EDM, Hip Hop & Trap Music (2019年3月29日). 2020年4月3日閲覧。
- ^ “Flume Answers Fan Questions in Surprise Reddit AMA” (英語). Run The Trap: The Best EDM, Hip Hop & Trap Music (2019年3月29日). 2020年4月3日閲覧。
- ^ “r/Flume - Comment by u/mdeeeeerah on ”Hi this if Flume here (again). I have 1hr, will try answer as many questions as possible!”” (英語). reddit. 2020年4月3日閲覧。
- ^ Newstead, Al (2019年4月5日). “Flume's guide to the 'Hi This Is Flume' mixtape collaborators” (英語). triple j. 2020年4月3日閲覧。
- ^ “2020 GRAMMY Awards: Complete Winners List” (英語). GRAMMY.com (2019年11月20日). 2020年4月3日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- フルーム (@flumemusic) - X(旧Twitter)
- Flume (flumemusic) - Facebook