フェラーリ・553F1
フェラーリ 553F1 (Ferrari 553F1) は、スクーデリア・フェラーリが1954年のF1世界選手権で使用したフォーミュラ1カーである。通称スクアーロ(Squalo)。1955年には改良型のフェラーリ 555F1 (Ferrari 555F1) 、通称スーパースクアーロ(Super Squalo)を使用した。
カテゴリー | F1 | ||||
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コンストラクター | フェラーリ | ||||
デザイナー | アウレリオ・ランプレディ | ||||
先代 | フェラーリ・500F2 | ||||
後継 |
フェラーリ・625F1 (553F1) ランチア・フェラーリ・D50 (555F1) | ||||
主要諸元 | |||||
エンジン | フェラーリ Tipo106 | ||||
主要成績 | |||||
チーム | スクーデリア・フェラーリ | ||||
ドライバー |
ジュゼッペ・ファリーナ フロイラン・ゴンザレス マイク・ホーソーン モーリス・トランティニアン エウジェニオ・キャステロッティ | ||||
出走時期 | 1954 - 1956 | ||||
コンストラクターズタイトル | 0 (タイトル制定前) | ||||
ドライバーズタイトル | 0 | ||||
初戦 |
1954年ベルギーGP (553F1) 1955年モナコGP (555F1) | ||||
初勝利 | 1954年スペインGP | ||||
最終戦 | 1956年アルゼンチンGP | ||||
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概要
編集F1世界選手権はF2規定で2年間行われたのち、1954年からエンジン排気量を2,500ccとして仕切り直しされた。フェラーリは500F2で成功した直列4気筒エンジン路線を継続し、発展型の625F1と553F1を開発した。553F1の新設計シャーシは燃料タンクを両サイドに配置しており、丸みを帯びたボディ形状から鮫(スクアーロ)というニックネームが付けられた。
553は先ず1953年最終戦イタリアGPに553F2(2,000cc)として先行投入された。車名の553は「500F2の1953年バージョン」を意味する。1954年は2,500ccのF1マシンとなって登場したが、出走7回中5回リタイアし、目ぼしい成績は最終戦スペインGPでのマイク・ホーソーンの優勝のみだった。シーズン後半には625F1のシャーシに553F1のエンジンを載せたもの、625F1のエンジンブロックに553F1のエンジンヘッドを組み合わせたもの、スポーツカー用735エンジンのクランクケースを使用したものも登場した[1]。
1955年には操縦性を改善した555F1を投入したが、前年と同様にメルセデス・ベンツ・W196の後塵を拝した。シーズン中に撤退したランチアからランチア・D50を譲り受けたため4気筒エンジン路線はこの年限りで廃止され、設計者のアウレリオ・ランプレディはフェラーリを去った。
スペック
編集数値は555F1のもの[2]。
- シャーシ
- 構造 スチール製チューブラーフレーム
- 全長 mm
- 全幅 mm
- 全高 mm
- ホイルベース 2,160mm
- トレッド 1,278mm(前) 1,250mm(後)
- ギアボックス 5速+後進1速
- 重量 590kg
- サスペンション
- 前 ダブルウィッシュボーン/コイルスプリング
- 後 ド・ディオンアクスル/リーフスプリング
- ブレーキ ドラム式
- エンジン
- 気筒数・角度 直列4気筒
- ボア・ストローク 100×79.5mm
- 排気量 2,497cc
- 最高出力 260馬力/7,200回転
- 動弁 DOHC・1気筒あたり2バルブ
- キャブレター ウェバー50 DCOA/3キャブレター(ツイン)
- 点火装置 ツインスパーク
- 潤滑システム ドライサンプ
- クラッチ マルチプレート
- 最高速度 280km/h
- タイヤ
- メーカー ピレリ→エングルベール
- 前輪サイズ 5.50×16
- 後輪サイズ 7.00×16
成績
編集出典
編集- ^ 林信次、GIRO監修『F1全史 第9集 1950-1955 F1世界GPの夜明け/メルセデス無敗神話』三栄書房、2000年、106頁頁。
- ^ Ferrari.com All Models 555F1