ファミリーサーキット
『ファミリーサーキット』は、1988年にナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)から発売されたファミリーコンピュータ用のゲームソフト。またはその作品をはじめとしたシリーズ。デザイナーは遠藤雅伸。
ジャンル | レースゲーム |
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対応機種 | ファミリーコンピュータ |
開発元 | ゲームスタジオ |
発売元 | ナムコ |
プロデューサー | 今成一雄 |
デザイナー | 遠藤雅伸 |
プログラマー |
遠藤雅伸 もろぼしはずれ |
音楽 | 大野木宜幸 |
美術 | 遠藤雅伸 |
シリーズ | ファミリーシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | 1.25メガビットロムカセット[1] |
発売日 |
1988年1月6日 |
その他 | 型式:NAM-FC-3900 |
概要
編集F1などのカーレースを題材にした1人用のレースゲーム。車は自由にセッティングでき、設定をパスワードで保存しておける。
レース中は「他車との接触(当たり判定)」という概念がないのが特徴であった(コース外の障害物には「当たり判定」が存在し、高速で衝突するとクラッシュで即リタイアとなる)。
なおスタート/ゴールに設けられたコントロールタワーはナムコが鈴鹿サーキットに広告を出していた関係で、それを模したデザインが使われた。
ゲーム内容
編集ゲームモードは以下の5種類。
セッティング
編集6種類の基本車体があり、カラーリングの選定やセッティングを行うと、マシンコードが表示される。このマシンコードを入力することで、自分が作成した車体をいつでも呼び出せる。
「マシントラブル」の概念があるのが特徴で、ターボブースト(過給圧)を高くするとタービンブローが起こりやすく、障害物との接触ではウイングの破損でマシンの安定性が失われる。電気系統やラジエター、トランスミッションにも故障の概念があり、ピットインして修理しないとエンジン本体にも影響を及ぼし、ついにはエンスト(リタイヤを選択するしかない)してしまう。タイヤもハイグリップを選ぶと当然磨耗が速く、パンク・バーストするとマシンが蛇行してコントロールしにくい状態となってしまう。
ちなみに、マシンコードの頭2文字は当時の実際のF1チームのマシン名と同じであった。たとえば「MP」はマクラーレンのマシン名であるが、実際ゲームでも同様のカラーリングとなっている。その他にも「LR」ロータス・ルノー(モデルになったライバル車たちはルノーエンジンは使用していないが)、「LH」はロータス・ホンダ、「SF」フェラーリ、「FW」ウィリアムズ、「JS」リジェ、「BT」ブラバムなど数種があり、マニア心をくすぐるものだった。
フリー走行
編集セッティングで作成した車体を走らせることができる。コースは40種類用意されている。鈴鹿サーキットやモンテカルロ市街地コース、奥多摩や裏六甲、大垂水峠など、実在のサーキットや峠を模したものもある。
スプリントレース
編集4つのカテゴリーに分かれている。いずれのカテゴリーにおいても予選および決勝レースがある。参加台数はプレイヤーを含めて8台。予選は1ラップアタックの方式をとっており、2004年のF1世界選手権で採用していた予選方式と似ている。予選落ちはない(タイムを出せなかった場合は最後尾スタートとなる)。決勝における周回数はカテゴリーおよびサーキットによって異なるが、上位のカテゴリーほど多くなる。レース中のタイヤ交換は無制限。給油はできない。
決勝の成績によってドライバーズポイントを得ることが出来る。1位・9点、2位・6点、3位・4点、4位・3点、5位・2点、6位・1点、7位以下は0点(当時のF1と同じポイントシステム)で、全戦有効。有効ポイント制は採用されていない。
各カテゴリーの詳細は以下の通り。
- ノービス
- 最下位に位置するカテゴリー。全4戦。ライバルの名前はナムコのゲームのキャラクターである。
- Bクラス
- ノービスの1つ上のカテゴリー。全6戦。
- Aクラス
- Bクラスの1つ上のカテゴリー。全10戦。主なライバルは以下の通り。
- スーパーA
- 最上位のカテゴリー。全16戦。F1世界選手権を模したものと考えられる。基本的に1987年のF1シリーズと同じプログラムが組まれているが、後述にあるように、スペイングランプリであるヘレスが第2戦に組み込まれており(実際は第13戦開催)、またその年には未開催のサーキットが組まれる場合もある。主なライバルは以下の通り。
- Nピケ - ウィリアムズFW11と同様のカラーリングをもつマシンを操る。最も速度が出るマシンに仕上がっており、高速サーキットに滅法強い。
- マンセル - ウィリアムズFW11と同様のカラーリングをもつマシンを操る。Nピケのマシンよりも最高速では劣るが、コーナリングスピードは速い。
- フロスト - マクラーレンMP4/3と同様のカラーリングを持つマシンを操る。コーナリングスピードが最も速く、テクニカルサーキットに滅法強い。
- A.セナ - ロータス99Tと同様のカラーリングを持つマシンを操る。上記の3人より戦闘力は劣るが、選手権を通じて必ず上位に食い込んでくる。
- サトルN - ロータス99Tと同様のカラーリングを持つマシンを操る。最高速はNピケと同じくらいのレベルまで達するため、高速サーキットでは上位に食い込んでくることがあるが、コーナリングスピードが遅く、テクニカルサーキットでは遅れをとる。
スーパーAでの開催サーキット
(2つある場合はどちらかが自動で選択される)1 ジャカレパグア 2 ヘレス キャラミ 3 イモラ 4 スパ フランコルシャン ゾルダー 5 モンテカルロ 6 デトロイト ロングビーチ 7 ポールリカール ディジョン プレノワ 8 シルバーストーン ブランズハッチ 9 ホッケンハイム ニューブルクリンク 10 ハンガロリンク ザンドボールト 11 オステルライヒリンク 12 モンツァ 13 エストリル 14 ロドリゲス モントリオール 15 すずか ふじ 16 アデレード
たいきゅうレース
編集距離をこなすものと規定時間走り続けるものがある。ほとんどのレースのモデルはプロトタイプレーシングカーで行われていたが、ゲーム上では全レースフォーミュラカーで行われる。レース中のタイヤ交換および給油は無制限である。
24時間耐久レース(ル・マン24時間など)は実際に24時間ゲームを行うわけではないが、約2時間は画面から離れることができない。その上、ライバル(コンピューター)車は総じて遅いため、トップを独走することになり、あとはひたすら集中力との戦いになる。
かんせん
編集レースを観戦できる。固定視点モードと、特定のドライバーを追っかけるモードがある。ストップウォッチを扱うことができ、ライバルの走りを研究することが可能である。
他機種版
編集No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 備考 |
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1 | ナムコットコレクション | 2020年8月20日 |
Nintendo Switch | B.B.スタジオ M2 |
バンナム | Switch専用ゲームカード ダウンロード |
スタッフ
編集評価
編集評価 | ||||||||
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- ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・8・8・8の合計32点(満40点)でゴールド殿堂入りを獲得[2]、レビュアーの意見としては、4人中3人が同時期に任天堂から発売された『ファミコングランプリ F1レース』(1987年)と比較した内容になっており、「敵車と当たってもクラッシュしないという考えかたも新しい」、「地面のスクロールとかも速くてスムーズだし、操作感そのものが楽しい」、「車好きにはたまらない魅力」、「なめらかなマシンの動きとピットクルーの動きには感心してしまった」などと評されている[3]。
- ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は19.27点(満30点)となっている[1]。同誌1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「本物のカーレースさながらのリアルなレース感覚が味わえる」などと評されている
項目 | キャラクタ | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
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得点 | 3.17 | 3.01 | 3.10 | 3.35 | 3.40 | 3.24 | 19.27 |
関連作品
編集続編
編集- ファミリーサーキット'91(ファミリーコンピュータ版。1991年7月19日発売)
- セッティングの詳細化やグラフィックなどが向上した。しかしグランプリモードでは予選が省略され、常にポールポジションからスタートするようになった。
- スーパーファミリーサーキット(スーパーファミコン版。1994年10月21日発売)
- ハードの画面回転機能を利用し、進行方向を上方向のみでなく現実のF1に近いコースを実現。
その他
編集脚注
編集- ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、245頁。
- ^ a b “ファミリーサーキット まとめ [ファミコン] / ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2017年5月14日閲覧。
- ^ 「6月16日増刊号特別付録 クロスレビュー優良ソフトパーフェクトカタログ 上巻」『ファミ通』、エンターブレイン、2005年6月16日、10頁。