ピーター・ガブリエル IV
『ピーター・ガブリエル IV』(Peter Gabriel IV)は、イギリスのミュージシャン、ピーター・ガブリエルによるソロ4作目。彼のソロ・デビュー時から使われていた『Peter Gabriel』のアルバム・タイトル使用は本作で最後となる。『Peter Gabriel 4』、または『Security』とも呼ばれる。
『ピーター・ガブリエル IV』 | ||||
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ピーター・ガブリエル の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1981年春-1982年夏 | |||
ジャンル | ポスト・プログレッシブ、ポストパンク、ワールドミュージック、ワールドビート | |||
時間 | ||||
レーベル |
カリスマ・レコード (イギリス) ゲフィン・レコード (北米) マーキュリー・レコード (アメリカ、オリジナルLPプレス) | |||
プロデュース | デヴィッド・ロード、ピーター・ガブリエル | |||
ピーター・ガブリエル アルバム 年表 | ||||
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概要
編集前作、『ピーター・ガブリエル III』の制作終了後、ピーターはインタビューで発言した。「私はある一つの音楽エリアに大きな興味を持っている。それは純粋にパーカッションとエレクトロニクスだけの基盤に立った音楽だ。今までの私の曲の幾つかはそのフォーマットに則っていないが、少し後には確実にそこにいくだろう。私が思うにはプリミティブ(原始的)エレクトロニクス・ミュージックは、1980年代に私が行こうと望んでいるところなのだ」「私は非ヨーロッパ音楽と古いタムラ(モータウン)のレコードを聴いている。それは発明の模範なのだ。私は曲を書き始める前に40か50のリズムを持っている。その内、20を漠然としたトラック・フォームに使い、12を様々なオーヴァー・ダブに使い、8つを最終的なミックスに使う。とても無駄なプロセスに思えるが、それが私の望むやり方なのだ。『ピーター・ガブリエル IV』ではフェアライトCMIでメインの音を作った。容易にライブ・サウンドを作ることができるからだ。それで私はサウンド・ライブラリーを創造しようと試みたんだ」[1]。
本作は、こういった考えを基本に制作された作品であり、CMIやリンといったデジタル・プログラミングによるベーシック・トラックを基に、その上に彼のツアー・メンバーであるデヴィッド・ローズ(ギター)、トニー・レヴィン(ベース、スティック)、ジェリー・マロッタ(ドラム)、ラリー・ファスト(シンセサイザー)、ジョン・エリス(ギター)といった、いつもの面々によるサウンドを重ねて作られている。また、特筆すべき点は、本作ではコーラス・ワークにピーターの隣人でもあるバースの住人ピーター・ハミルがゲスト参加していることである。更に「ザ・リズム・オブ・ザ・ヒート」にはエコーメ・ダンス・カンパニーによるガーナ式のドラム・サウンドが取り入れられている。[1]
ピーター・ガブリエルは、本作が発表される直前の1982年7月16日から18日の3日間にかけて行われた民俗音楽の祭典「ウォーマッド (WOMAD = World Of Music And Dance)」を発案し、ブリストルのオーディオ・マガジン『ザ・レコーダー』のスタッフでもあったトーマス・ブルーマン (同祭典のディレクター)と共にこの祭典の実現に力を貸している(ピーターは本誌の2号に1979年から1980年の貴重なライブ・テイクを提供している)。[1]
収録曲
編集全作詞・作曲 : ピーター・ガブリエル
サイド1
- 「ザ・リズム・オブ・ザ・ヒート」 - "The Rhythm of the Heat" 5:15
- 「サン・ジャシント」 - "San Jacinto" 6:21
- 「アイ・ハヴ・ザ・タッチ」 - "I Have the Touch" 4:30
- 「ザ・ファミリー・アンド・ザ・フィッシング・ネット」 - "The Family and the Fishing Net" 7:08
サイド2
- 「ショック・ザ・モンキー」 - "Shock the Monkey" 5:28
- 「レイ・ユア・ハンズ・オン・ミー」 - "Lay Your Hands on Me" 6:03
- 「ウォールフラワー」 - "Wallflower" 6:30
- 「キス・オブ・ライフ」 - "Kiss of Life" 4:17
パーソネル
編集- ピーター・ガブリエル - ボーカル、プログラミング&シークエンシング (1-6)、シンセサイザー、ピアノ (7)、スルド (1、8)、アディショナル・ドラム (2)
- トニー・レヴィン - ベース (1、6-8)、チャップマン・スティック (2-5)
- デヴィッド・ローズ - ギター (2-8)
- ジェリー・マロッタ - ドラム、パーカッション (1、5、6)
- ラリー・ファスト - シンセサイザー (1-5、7、8)、エレクトロニック・パーカッション (8)
- ジョン・エリス - バック・ボーカル (1、3、8)、ギター (2、4)
- ロベルト・ラネリ - サクソフォーン (4)
- モーリス・パート - ティンバルス (6)、パーカッション (8)
- ステファン・ペイン - プログラミング (4)
- デヴィッド・ロード - シンセサイザー (6、7)、ピアノ (7、8)
- ピーター・ハミル - バック・ボーカル (4、5、6)
- ジル・ガブリエル - バック・ボーカル (2)
- エコム・ダンス・カンパニー - ガーナイアン・ドラム (1)
- グレッグ・フルギンティ - マスタリング
- マルコム・ポインター - アルバム・アート
チャート
編集チャート(1982年) | 最高順位 |
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アメリカ(Billboard 200)[2] | 28 |
イギリス(全英アルバムチャート)[3] | 6 |
脚注
編集- ^ a b c 1988年に再発売された本作のCDに掲載された赤石和美によるライナーノーツ。
- ^ “Peter Gabriel”. Billboard. 2023年1月18日閲覧。
- ^ “Peter Gabriel|full Official Chart History”. Official Charts. 2023年1月18日閲覧。